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日本の平均寿命(令和5年)は女性が87.14歳、男性が81.09歳と長寿大国であり、寿命が延びたことで相続人が高齢者となるケースも増えています。
相続が発生した場合、基本的には配偶者と子が相続人となりますが、子が被相続人(亡くなった人)よりも先に死亡しているときは、子の子が代襲相続人として相続人地位を引き継ぐことになります。
本記事では、相続人に該当する人と代襲相続の意味、そして代襲相続で相続トラブルが生じるケースについて解説します。
民法上において、被相続人の財産を相続する権利がある人を「法定相続人」といい、相続順位が最も上位の人が法定相続人に該当します。
被相続人の配偶者は例外的な存在であり、相続開始時点で配偶者がいるときは、他の相続人の存在に関係なく法定相続人となります。
<法定相続人になる人の順位>
相続順位 | 対象者 |
第1順位 | 子 |
第2順位 | 父母 |
第3順位 | 兄弟姉妹 |
例外 | 配偶者 |
相続開始時点で子が健在の場合、相続順位が最も高い子が法定相続人となりますが、被相続人に子がいないときは、第2順位の父母が法定相続人となります。
相続開始時点で順位の高い人が健在の場合、下位の人は法定相続人にはなりませんので、兄弟姉妹が法定相続人となるのは、相続開始時点で子および父母が不在の状況に限られます。
代襲相続人は、相続開始時点において本来相続人となるべき人が先に死亡している場合において、その亡くなった相続人の地位を承継し、代わりに相続人となる人をいいます。
被相続人に孫がいる場合、子が被相続人より先に亡くなっているときは、孫(子の子)が子の代襲相続人として相続人の地位を引き継ぐことになります。
子だけでなく、孫も相続開始前に亡くなっているケースでは、曾孫(孫の子)が代襲相続人である孫の地位を再代襲することが可能です。
法定相続人である兄弟姉妹が被相続人よりも先に亡くなっている場合、甥姪(兄弟姉妹の子)が代襲相続人となりますが、甥姪も亡くなっている際に甥姪の子が再代襲することはできません。
相続が発生した場合、被相続人が残した財産は相続人間で話し合って分けることになります。
話し合いがまとまれば、誰が何を取得したかを記載した「遺産分割協議書」を作成することになりますが、遺産分割協議書を作成するためには相続人全員の同意が必要です。
相続人が子や親であれば、話し合いは比較的スムーズに進められますが、代襲相続人がいる相続では、遺産分割の話し合いの場を設けるのにも苦労します。
被相続人の兄弟姉妹が相続人となるケースでは、被相続人よりも先に相続人である兄弟姉妹が亡くなっているケースもありますが、その際には兄弟姉妹の子である甥姪が代襲相続人として分割協議に参加することになります。
親戚付き合いが少ないご家庭であれば、面識が無い(少ない)人と遺産の分け方について話し合うことになるため、一般的な相続よりも分割協議が難航することが予想されます。
日本人の寿命が延びたことで、相続人が高齢者になるケースも増えており、子などが先に亡くなっていれば、代襲相続人が遺産分割協議の場につくことになります。
戦前や戦後間もない生まれの世代の方は、兄弟姉妹が5人10人いることも珍しくありませんし、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、代襲相続人を含めると遺産分割に参加する相続人の数が10人20人になるご家庭も存在します。
相続人間でわだかまりが無かったとしても、相続人の数が多ければ全員で話し合うこともままなりませんので、自身の相続で揉めることを避けたい場合には、遺言書を作成するなどの対策が必要となっています。
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