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税務署は適正公平な課税・徴収を実現するために税務調査を実施していますが、現実的な話として、税務署がすべての納税者を調査することはありません。
全員を調査しない最大の理由としては、申告件数に対して職員の数が圧倒的に少ないからです。
令和4年分の所得税の確定申告書提出件数は2,295万件、贈与税の申告書も49.7万件なのに対し、令和4年度における国税庁職員の定員は5万5,969人です。
職員全員が税務調査を行うわけではありませんし、1人当たりが実施できる年間の調査件数にも上限があるため、申告内容に誤りがあったとしても税務調査を受けない納税者は存在します。
納税者全員が税務調査を受けることはないですが、どのような手段を講じても税務調査を100%回避できるとは言い切れません。
税務署は脱税や申告漏れの金額が大きい納税者を優先的に調査するため、納税額が少ない人が調査対象になる確率は低いです。
しかし、不正申告や無申告を抑止するために幅広い層に対して税務調査を行っていますので、金額の大小に関係なく税務調査を実施することもありますし、申告内容を確認する目的で調査することもあります。
そのため、「少額の脱税なら税務署から指摘は受けない」との認識は誤っていますので、税金は正しく計算し、申告・納税することが大切です。
税務署は必要であれば、銀行口座や水道光熱費の支払額など、あらゆる情報を調べることができる強力な権限が付与されています。
たとえば銀行振り込みで贈与した場合、税務署は銀行の取引履歴を調べることで贈与事実を確認できますし、居住用以外の物件に住宅ローン控除を適用した納税者がいれば、水道光熱費の金額等で居住の有無を把握することもあります。
税務署の目に止まれば税金逃れを隠し通すことはできず、税務調査を回避できているのは、単に税務署が調査を開始していないだけの可能性も考えられます。
「1万円程度なら申告しなくてもいいのでは」と思う気持ちも理解できますが、意図的に税金逃れをしていれば、少額でも脱税に該当します。
税務署の立場からすると、1万円分の税金をごまかす人が1万人いれば税収が1億円減ることを意味しますので、牽制する意味も込め、費用対効果度外視で調査することもあります。
確定申告手続きは面倒ですが、申告をしなかったことで税務調査を受ける方がもっと面倒ですので、納税義務が生じた際は忘れずに申告手続きは行ってください。
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