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新NISA開始まであと1ケ月となり、ちまたでも新NISAの話題がひんぱんに出ています。
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そんな中、今まで投資に興味がなかった人も新NISAに興味を持ち始めているようです。
そこでこの記事では、投資初心者が新NISAを始める前に確認すべきことや、新NISAのメリットについて詳しく解説します。
新NISAの開始前に投資初心者が確認すべきポイントは3つあります。
NISA(現行NISA・新NISA)は国の非課税「投資」制度であるため、
「NISA」を始める=「投資」を始める
という認識が必要です。
金融機関がつぶれない限り元本が全額保証される預貯金とは異なり、投資商品は市場の動きや運用次第で手持ちの資産(元本)が減るリスクが必ずつきまといます。
その点をよく確認してから新NISAを始めるかどうかを決めましょう。
うかつに新NISAを始めると困る可能性が1番高い人は、保有する資産が元本より減ると生活に困る人です。
その場合は新NISAをおすすめできません。
また、生活にゆとりがあっても「一時でも資金が元本より減るのは困る!」と思う人にも、精神衛生上の理由から新NISAをあまりおすすめしません。
預貯金と同じく、NISAも「資産を増やす目的」がないと長続きしません。
また、長期運用で資産を増やす新NISAは、将来の大きなライフイベントの資金作りに適しています。
(例)
結婚、出産
子どもの進学
家や車の購入やメンテナンス
高額な家電の購入
老後資金
そのため、まず資金を増やす目的を定めてから新NISAを始めるのがおすすめです。
以上のポイントをすべてクリアした人は新NISAを始めても問題ないでしょう。
また、新NISAは現行NISAよりも大幅にメリットが増えており、投資初心者の人にもおすすめできる内容になっています。
ここからはその点について詳しくお伝えします。
現行NISAより大幅に増えた新NISAのメリットは以下の通りです。
現行NISAの非課税保有期間は、つみたてNISAが20年、一般NISAが5年でした。
しかし新NISAでは非課税保有期間が恒久化、つまり無期限になります。
それに伴い、2024年以降はNISA口座の開設時期や資産を引き出すタイミングを自由に決められます。
1つのNISA口座で積立投資と一括投資を同時にできる点も、新NISAの大きなメリットです。
現行NISAでは、つみたてNISA(積立投資)と一般NISA(一括投資)のどちらかを選ぶ必要がありました。
しかし、新NISAでは一つのNISA口座に
「つみたて投資枠」(積立投資)と
「成長投資枠」(一括投資)があるため、
両方の枠を併用する形で積立投資と一括投資が同時にできます。
現行NISAでは40万円(つみたてNISA)または120万円(一般NISA)だった年間投資枠が、新NISA制度では360万円に拡大されます。
その内訳は以下の通りです。
つみたて投資枠:年間120万円
成長投資枠:年間240万円
この変更によって、多くの人は年間投資枠を気にする必要がなくなるでしょう。
新NISA制度では、非課税保有限度額(生涯非課税投資額)が1,800万円まで拡大されます。
新NISAの投資枠ごとの非課税保有限度額は以下の通りです。
つみたて投資枠:最大1,800万円(現行つみたてNISA800万円からUP↑)
成長投資枠:最大1,200万円(現行一般NISA600万円からUP↑)
それに伴い、2024年以降は「つみたて投資枠」のみ、または「つみたて投資枠&成長投資枠」で最大1,800万円の金融商品を非課税で保有できるようになります。
現行NISAでは、保有商品の売却で空いた分の非課税利用枠を翌年以降に再利用できませんが、新NISAではそれができるようになります。
現NISAにおいては、保有商品の購入で非課税投資枠を使うと、その後保有商品を売却しても売却分の非課税投資枠は二度と利用できません。
しかし、新NISAでは保有商品を売却すると翌年以降売却した金額分の非課税投資枠(元本分のみ)を再利用できます。
たとえば、
「NISA口座の総保有資産が非課税保有限度枠(生涯非課税投資額)に達したので全額売却した」
と想定した場合には次のようになります。
【現行NISA】
非課税保有限度枠をすべて使い切ったとみなされ、NISA口座の残高がゼロでも非課税投資はできなくなります。
【新NISA】
「非課税保有限度枠で使用済み」でカウントされていた売却分の金額(元本のみ)が、売却の翌年には「非課税保有限度の未使用分」としてカウントし直されます。
その時点でNISA口座残高がゼロであれば未使用の非課税保有限度枠が1,800万円となり、年間360万円まで非課税投資ができます。
このように、新NISAでは資産を売却した分の非課税枠の取扱いが大きく変更され、より多くの資産を非課税で運用できるようになりました。
何かと制限が多くて利用しづらい印象があった現行NISAですが、新NISAではその点が大きく改善されて利用しやすくなります。
ただ、「一人一金融機関一口座」のルールがある、金融機関の変更が意外と面倒な点など、現行NISAのルールが引き継がれる部分もあります。
詳しくはNISA特設ページやNISA取扱い機関などでご確認ください。
参照:金融庁「新しいNISA」
最後に、新NISAについて多くの人が抱く疑問にQ&A形式でお答えします
Q:現行NISAから新NISAへの切り替え手続きは必要?
A:原則として現行NISAから新NISAへの切り替えは自動で行われるので、自分で切り替え手続きを行う必要はありません。
Q:現行NISA口座で購入した金融商品は新NISAに引き継がれる?
A:現行NISA口座で購入した金融商品は新NISA口座に引き継がれません。また、現行NISA口座の非課税保有期間が終わるまでは、新旧NISAの資産を別々に運用することになります。
<現行NISAの非課税保有期間>
つみたてNISA 最長20年
一般NISA 最長5年
その後は運用利益が課税対象となる点に注意が必要ですが、新NISAの非課税投資枠とは別に非課税で資産を運用できる点はメリットだといえます。
Q:新NISAでも現行NISAで購入できた金融商品を購入できる?
A:新NISAでは購入できなくなる金融商品があります。
<購入不可投資商品>
「整理・監理銘柄」「信託期限20年未満」「高レバレッジ型および毎月分配型」の株式・投資信託等
思い当たる節があれば、NISA口座がある金融機関に問い合わせてみましょう。
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