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SNSにはマネーや暮らしの情報があふれています。
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参考になるのでよくみるという方は多いと思います。
しかし、なぜかキラキラした投稿をみたあとに、落ち込んでしまうことはないでしょうか。
「みんなこんなにキレイな家計簿をつけているのに、自分は3日と続けられたことがない」
「みんなこんなに家をきれいにしているのに、自分は散らかった部屋でこうしてSNSをみているだけ」
SNSでマネーや暮らしに関する情報を探して取り入れるのは、決して間違ってはいません。
しかし1つだけ、留意しておかなければならないことがあります。
SNSのマネー系や暮らし系のすてきな投稿を見ても、
投稿と自分を比較して、絶対に自分を卑下してはいけません。
これが何よりも大切です。
カナダとアメリカの研究グループがFacebook、Twitter、Instagramの3つの利用者を対象に行った調査によると、どのSNSも多く利用するほど幸福度が下がってしまうという現象がみられたそうです。
特にメッセージのやり取りなどをせず、投稿をただ眺めているだけの受け身の使い方をしている際に、この傾向が顕著だったということです。
SNSの素敵な投稿をみてポジティブになるどころか、自分と比較して劣等感をつのらせ、かえって幸福度を下げてしまう。
特にマネーや暮らしに関する情報は人が生きていくことそのものと言って良いくらい、だれもが真剣に取り組んでいるテーマですから、この大事なテーマにおいて劣等感をつのらせてしまうのはとても危険なことなのです。
お金がどれだけあっても、根底に劣等感や罪悪感があれば、決して幸せな気持ちにはなれません。
SNSのすてきな投稿と比較して、
たとえ自分が今貯金ができていないことや、
暮らしぶりが自分の理想とほど遠いことがわかったとしても、
「わたしはわたし」と肯定も否定もせずに、ただ今の自分を受け入れることが大切です。
そのうえで、マネーや暮らしのテクニックだけを投稿から切り取って着目し、自分の生活に取り入れていくのがSNSとの正しい付き合い方といえます。
いくつかの調査で、SNSでは多くの人が投稿内容を、実際の事実よりも「盛る」ことが報告されています。
ですからどんなにすてきな情報を目にして、落ち込みかけるようなことがあっても
「いやいや、ここで見せているのは素敵な場面を切り取っただけ。映っていない場所にはきっと散らかった服やレシートがあるんだ」
と言い聞かせ、気持ちを切り替えるのが大切です。
そもそもSNSでマネーや暮らしの情報を求めるにあたって、本来の目的は何だったのでしょうか。ほぼ全員が、きっと「より良い自分になるため」だったはずです。
投稿をうのみにして、自分と比較して落ち込んでしまっては本末転倒です。
私は以前SNSでみかける「#ていねいな暮らし」に憧れるあまり、いろいろ実践しては失敗して、かえって散財してストレスをためてしまった経験があります。
当時は忙しい日々のなかで、生活に手間をかけられていないという「負い目」がありました。
それを払拭しようと、SNSでみかける「#ていねいな暮らし」をかたちから取り入れようとしたのですが、結局はSNSの中の人たちのようには暮らせないダメな自分に劣等感をつのらせていくだけでした。
その後SNSをみるのもやめ、ていねいな暮らしどころか、時短グッズや手抜きをどんどん採用するよう方針転換したところ、不思議と自信が回復し、ひどかった散財もおさまりました。
以前新聞記事で、虐待やネグレクトをしてしまう親のサポートに取り組んでいる方のインタビュー記事を読んだ際、とても印象深かったひと言があります。
それはどんな親に対しても「あなたはよくがんばっているよ」と声をかけ、否定せず受け入れるところから始めるという点です。
そうしないと、事態は何も進展しないとのことでした。
虐待やネグレクトは非常に重いテーマですので、一般的な家計の悩みと比較はできないのかもしれません。
しかし、人間はどんな苦しい状態にあっても「全面的に受け入れられた」と感じることができれば再起できるという点は、通ずる部分があると感じました。
お金や暮らしの問題は、人のメンタルと密接に関わっています。
どんな家計にも課題はあるものですが、だからといって自分はダメだなどと決して思ってはいけません。
正解はないのです。あるとしたらその人にとっての正解であって、100人いれば100とおりの正解があるのですから、自分の理想と折り合いをつけてやれる範囲でやっていけば良いのです。
課題は課題として取り組めば良いだけです。SNSは課題解決のための情報収集と割り切り、うまく活用してやるくらいの気持ちでいましょう。
それが難しいときは、思い切ってSNSからいちど離れてみるのも一手です。
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