- 週間ランキング
新NISA積立「予約受付開始日」発表! 改めて積立設定しておかないと損することも
現行の一般NISA制度では、譲渡益・配当金などの収益に対する非課税期間は5年間となっています。
この5年間の非課税期間が満了した後も、翌年に一般NISAの非課税投資枠に移すことができ、さらに5年間は非課税期間として保有し続けることができます。
このことをロールオーバーと言います。
このロールオーバーができる上限額はなく、時価が非課税投資枠を超えている場合でも、その全額を翌年の非課税投資枠に移すことができます。
なお、つみたてNISAにはこのロールオーバーの制度はありません。
2024年からスタートする新NISAと現行NISAは別制度となっているため、購入した投資商品(株式や株式投資信託など)もそれぞれ別の口座で管理されることになります。
現行の一般NISAで保有している投資商品が5年間の非課税期間が満了した場合でも新NISA制度にロールオーバーすることはできず、売却するかもしくは自動的に課税口座(特定口座・一般口座)へと払い出されます。
課税口座に払い出された後は譲渡益や配当金などに対して20.315%(現時点での税率)の所得税・住民税が課税されることになります。
自動的に課税口座(特定口座・一般口座)へと払い出される時の取得価格ですが、払い出された時点での時価で新たに購入したものとしてみなされます。
したがって、もし下記の図表のような状況になった場合には、NISAの最大のメリットである譲渡益に対する非課税の恩恵を受けることができないどころか、当初の購入価格よりも売却価格が低い場合でも売却益が生じたとして、課税関係が発生します。
毎年であれば、この時期になれば一般NISAの年間の非課税投資枠が余っている場合は使い切らなければ“損”と思い、非課税投資枠がほぼゼロになるまで目一杯購入する方も多かったでしょう。
これまでは、先のことはあまり考えなくてもよかったのかもしれませんが、今年に限っては、5年後のことも考えて購入する必要があります。
さらに、5年後の株価(基準価額)を予測するのはかなり難しいでしょう。
普段であれば高配当利回り銘柄に注目して、5年後までに配当や分配金をしっかりと得る方法もありますが、今年の9月には高配当利回り銘柄がかなり上昇したため、高値掴みは避けたいところです。
また、アメリカなどの海外銘柄についても、現状は円安ですが今後の各国の経済状況や政策金利などにより、今の円安が継続することを100%断定するのも意見が分かれるところでしょう。
したがって、無理して購入するのではなく、購入する場合でも購入価格はこれまで以上に意識しておきたいところです。
翌年以降に譲渡益が発生した場合には、現行NISAで購入したものを売却して、新NISAで買い戻すいわゆる取引を行うことで、ロールオーバー不可のデメリットから逃れることも可能です。
最後に、繰り返しになりますが一般NISAの年間の非課税投資枠を余らせると“損”という考えを最優先させることは避けたいところです。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)
【投資初心者必見】2024年からの「新NISA」買うべきファンドについて解説
「新NISA」現行つみたてNISAとの違い 2つの非課税制度の違いについて解説