年末が近づきますと、勤務先で年末調整を行うことになります。

会社員・公務員の中には、年末調整をしない方や手続きを忘れてしまう方もいるかもしれませんが、年末調整に関するミスは後から対処することも可能です。

そこで今回は、年末調整を実施する意味と、年末調整をしなかった場合の対処法について解説します。

会社員に扶養されている方の年収目標は、2025年までは150万円になる

年末調整は税金の過不足を精算するために実施する

年末調整は、毎月の給与から天引きされた税額の合計額と、その年に実際に納めるべき税額を一致させるための手続きです。

会社で働いている方は毎月の給与から税金が差し引かれていますが、必ずしも差し引かれた金額と実際に支払うべき金額が同じとは限りません。

また、同額の給与を得ている方々でも配偶者控除や扶養控除等の適用の有無によって課税対象金額は異なりますし、所得税等の納税額は変わることから、年末調整で税金の精算をする必要があります。

年末調整は一般的に税金が還付になるイメージがありますが、年間の給与が想定よりも多くなった場合など、追加で税金が徴収されるケースもあるのでご注意ください。

従業員は原則として年末調整をしなければならない

会社経営者は、雇っている従業員に対して年末調整を実施することが求められていますので、会社員や公務員は基本的に年末調整をしなければなりません

会社は翌年1月に税務署へ年末調整に関係する書類を提出しないといけないので、従業員は勤務先で指定された期限までに書類等を作成する必要があります。

給与収入の金額が2,000万円を超える方や、特定の条件を満たしている中途退職者については年末調整の対象から除かれます。

また、

  • 副業をしている方年末調整をしていたとしても確定申告をしなければなりませんし、
  • 寄附金控除や住宅ローン控除の初年度など、年末調整で受けることができない控除を適用する際も

確定申告手続きが必要です。

年末調整忘れ・計算誤りは確定申告で訂正できる

年末調整を忘れてしまった場合や、計算等に誤りがあったときは、確定申告で税金の精算をしてください。

確定申告期間は対象年分の翌年2月16日から3月15日の1か月間ですが、還付申告であれば年明けから申告することができます。

年末調整で所得控除を適用したとしても、確定申告書に所得控除の記載を忘れてしまうと所得控除を適用しないことを選択した扱いになるので、記載漏れには気を付けてください。

年末調整に金額等の変更があった場合も確定申告が必要

年末調整はその年の税金の過不足を精算するために実施しますが、年末調整の書類を提出した後に状況が変わることがあります。

  • たとえば扶養親族の所得金額が48万円を超えれば扶養控除の対象外になりますし、
  • 配偶者控除はその年の12月31日時点の状況で判断することから、年内に離婚した場合は年末調整で適用した配偶者控除を外す手続きが必要です。

年末調整の内容に変更点があったとしても、確定申告の期限内に手続きすればペナルティは発生しませんので、万が一変更点が生じた際は早めに手続きするようにしてください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 年末調整を忘れた場合のデメリットと対処法は?確定申告との違いも解説