先週は、FRBの金融引き締め長期化観測から、米国主要指数が下落した流れで、日本のマーケットも大きく下げ、意識されていた8月18日の安値3万1275円を割る展開となりました。

その後は米雇用統計の様子見ムードでの週末入りです。

米雇用統計の結果は、非農業部門の雇用者数が前月比33万6000人増と市場予想の17万人を大きく上回り、前月も上方修正となりました。

しかし失業率は3.8%となり、市場予想の3.7%を上回っていて、平均時給も4.2%の上昇で、市場予想の4.3%を下回ったので、相場は賃金インフレの警戒感が和らぎ、米株式は上昇して終えました。

月曜日に日本は祝日なので、3連休明けにどのような動きになるのか、日本独自の動きと言うよりも米国の流れを受けての週明けとなりそうです。

9月権利付き最終日と権利落ち日を意識の週【今週の日経平均を考える】

チャート分析

チャートを細かく見ていきましょう。

日足の移動平均線

5日線は、一週間を通して下向きで推移しました。株価も終値で5日線を超えられずでした。

25日線は、下向き継続で一週間を終えています。

75日線は、しっかりした下向きとなっています。

並び順は、75日25日5日の並び順で、安定下降となっています。

機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、上向きで推移し、2万9950円処を推移しています。

100日線も上向きで3万2316円処を推移していますが、株価は100日線を割っています。

75日線と25日線が100日線に触れそうな位置です。

トレンドライン

6月から意識されていたBOX下限の8月18日安値3万1275円を割り込み、6月1日2日に空けた窓を埋めてきました。

現状、3万1275円のラインが上値抵抗ラインとして意識されます。

更に上としては10月2日3日に空けた窓埋めが意識されます。

下は、5月17日18日の窓と、そして心理的節目の3万円があります。

3万円を割るのか割らないのかでも、投資家の目線が変わってきそうです。

今回、意識されていたBOXの下限3万1275円を割るときの株価の動きは、過去に何度も経験している動きです。

節目を割るときは、大きめの陰線が出て、更に窓を開けて強く下げていきます

このことを次回に活かすためにも、しっかり覚えておきましょう。

一目均衡表

三役逆転下で非常に弱いシグナルでの1週間でした。

株価は雲から乖離し、遅行線も大きく下げ下向きとなっています。

5営業日後には天底一致が起こる可能性があります。

10月17日に次回の雲のねじれが発生し、その後、11月8日にも雲のねじれが発生します。

この11月の雲のねじれ後、雲が細く下向きになっていることが気になります。

ボリンジャーバンド

月曜日からバンド広がり、水曜日には-3σに到達。

-2σと-3σのボリンジャーウォークかというところでの週末入りです。

バンドが広がっているので、まだ横ばいの兆候もないため、ここから下げ止まるには、バンドが波打ちするかの見極めとなります。

スローストキャスト

売られすぎゾーンでしっかり下へと向かってから、木金曜日と向きを上へと変化して、ここから売られすぎゾーンを脱することが出来るのかというところです。

MACD

0ラインを割って下降のシグナル中です。

しかし、水曜日をピークにMACDも上向きとしているので、ヒストグラムが好転し0ラインまで戻せるのか見ていきたいところです。

次回の満月は、10月29日部分月食で、新月は10月15日金環日食です。

総合判断

パラボリックは引き続き陰転で、株価とも大きく乖離している状況ですので、今週にパラボリック好転は難しいと見受けられます。

BOX下放れですので、ここからは新しいトレンドの見極めです。

下げ止まりを確認すること、新たな横ばい相場なら上下を確認すること、上値メド下値メドをしっかり確認して、難しいとされる10月相場に挑みましょう。

週明けは、中東情勢の緊迫化によって、原油の動きをしっかり確認しつつ、地政学リスクには敏感に対応していきましょう。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)

年初来高値となるか。連休明けは米国の流れや世界の情勢をしっかりと確認【今週の日経平均を考える】

アップルのiphone15発表と雇用統計、来週もイベント目白押し【今週の日経平均を考える】

未来がかわる重要な局面、2つの注視ポイント【今週の日経平均を考える】

情報提供元: マネーの達人
記事名:「 地政学リスクでインフレ加速警戒【今週の日経平均を考える】