- 週間ランキング
健康保険証の廃止後にやるべきことは、年金手帳の廃止後と同じである
亡くなった原因が私傷病なのか業務上なのかによって対象となる制度や法律が全く異なります。
労災事故が原因であれば労災保険法が適用され、社会保険との調整や損害賠償との調整が想定されます。
例えば父が亡くなった場合にどのような制度にいつから加入していたのか、例えば在職中なのか退職後なのかにもよって、遺族厚生年金は計算式が異なります。
他方、既に年金を受給していることも考えられますので、その場合はどのような種類の年金を受給していたのかを確認する必要があります。
「年金」に限定されるわけではなく、健康保険からの傷病手当金というケースも考えられます。
遺族年金であれば必ず亡くなった方がいますので、その方と何らかの関係性があった方が遺族年金の受給権者となります。
一般的には婚姻関係、親子関係によって誰が受給権者となるのかが法律によって決まっています。
ただし、内縁関係や実子・養子など特別な事情がある場合も想定されます。
最近は核家族化が進み、長らく両親と顔を合わせておらず、自身の認識と実際が乖離しているケースもあります。
第1順位は配偶者となりますが、収入要件として、死亡時の前年の収入が850万円未満であることが要件となります。
これは時代の流れとして本業だけでなく副業収入もある場合は、当該収入も踏まえた上での「850万円未満」であるかが要件となります。
定年退職等によって5年以内の間に年収が850万円未満になることが明らかな場合は現在勤めている企業の就業規則等を提出し、申請することは可能です。
年金は必ず死亡月まで支給対象となります。
例えば9月10日に亡くなった場合、9月分の年金までが支給対象です。
しかし、現実的に死亡した方に9月分の年金を支給することは不可能ですので、「未支給年金」として、一定の遺族が当該年金を受給することとなります。
言い換えると、人間である以上必ず死が訪れますし、必ず受け取ることができない分の年金が存在するということです。
実務上、未支給年金は遺族年金と併せて請求することが多いです。
遺族年金は対象とならず、未支給年金のみ請求するということもあります。
具体的なケースとしては父が先立っており、遺された母が亡くなり、その後、遺された遺族は子供のみのケースです。
子供の場合は18歳年度末を過ぎている場合、遺族厚生年金の受給権がなくなります。
しかし、この場合、未支給年金は請求する必要があります。
これは老齢年金に限らず、障害年金を受給していた場合も支給スパンは同じ(年金は偶数月に前月までの2か月分を支給する)ですので、重要な論点です。
家族が亡くなった場合、当然、年金だけでなく、葬儀、銀行、相続など多くの手続きが考えられます。
忙しいゆえに一定時間、悲しさを忘れられるという考えもなくはありませんが、どのような確認をし、どのような手続きが必要なのか不明な状態はむしろストレスにもなります。
可能な限り事前に把握しておくことは重要です。
実際の請求手続きは年金事務所や街角の年金相談センターで可能ですが、次期によっては1か月近く先になることもあり、予約が必須です。
老齢基礎年金を満額受給できない場合、年金額を増やす「国民年金の任意加入制度」について
老後の不安と年金受給者の手間は、マイナンバーカードが軽減してくれる
損をしたくない方は知っておきたい、年金と年金生活者支援給付金の違い