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本記事が対象にするのは、このようなタイプの人々です。
・ クレジットカードは少なくしたい。2枚で十分
・ 気に入ったカードを長く使いたい
・ スマホ決済も、種類を絞り込みたい
・ 特定のサービスでの圧倒的な還元よりも、広く浅く得になれば十分
・ 年会費の支払いは、それほど気にしない(ただしグレードにとらわれすぎないよう5,000円程度を上限とする)
損得でいうと損なタイプではあるものの、決して少数派でもありません。
こうした需要に応じたカードを選び出します。
ただし筆者のスタイルと正反対に見えて共通項もあります。
「特定の経済圏に囲い込まれない」です。
経済圏を重視してもいいのですが、この場合カードが必然的に決まってくるため、選ぶ行為は少なくなります。
本記事では、次の項目ひとつずつに☆を付け、勝者を決定します。
・ 還元率1.0%のカードの場合☆、さらに高いカードに☆☆
・ キャッシュレス決済との組み合わせのいいものに☆、複数あれば☆☆
・ 特定の店舗で還元率アップになる場合に☆
・ 年会費が無料でない場合は、☆ひとつマイナス
・ ポイント付加の例外が多い場合は、☆ひとつマイナス
他にも重視したい項目はあります。
・ カードレスタイプだと物理的なカード枚数が増えなくていい
・ スマホ決済の利便性が高い
前者は、カード枚数を絞りたい人にとっては重要ではないでしょう。
後者の要素は、多くのカードがApple PayやGoogle Payに登録できる現状では、それほど重視しなくてもいいと思います。
どこでもまんべんなく得をしたいのなら、還元率の高いカードは必須でしょう。
次のカードをおすすめします。
注記のないものは還元率1.0%(☆)であり、そして年会費無料または実質無料(年1回の利用で無料)です。
・ エポスゴールドカード(年間50万円利用の場合)
・ リクルートカード(1.2%)☆☆
・ 楽天カード
・ Orico Card THE POINT
・ Orico Card THE POINT Premium Gold(年会費1,986円)
・ JCB CARD W
・ PayPayカード
・ au PAYカード
・ dカード
・ P-oneカード<Standard>
・ TカードPrime
・ ビックカメラSuicaカード
・ ヤマダLABI ANAカード
・ ローソンPontaプラス
汎用性が高そうに見えない特定店舗系のカードも後半に3枚入れていますが、いずれも年会費無料または実質無料、どこで使っても1.0%です。
エポスゴールドカードはマネーの達人でもおなじみの1枚で、年間100万円利用により還元率1.5%となる最強カードです。
ただ本記事では、「年間50万円利用」を前提にして取り上げます。
年間50万円利用すると還元率1.0%、そして本来5,000円の年会費が永年無料となるため、スタンダードカードと比較しやすいと考えます。
このほか還元率5.0%のVisa LINE Payクレジットカード(p+)など当然おすすめしたい1枚ですが、月500ポイントまで(買い物単位で1万円)という縛りと、最近は着目されないLINE Payを使うという制限により除外しました。
現代のキャッシュレスはクレジットカードだけでは完結しません。
スマホ決済との組み合わせが重要で、還元率も組み合わせ次第です。
スマホ決済へのチャージ時にポイントがたまるカードは優秀です(☆)。Wポイントになるためです。
「リクルートカードJCB → モバイルSuica」「セブンカード・プラス → nanaco」「dカードで使うd払い」のように、低還元率のチャージ、組み合わせは省きました。
・ エポスゴールドカード(モバイルSuica、楽天Edy、au PAY)☆☆☆
・ リクルートカード(VISA、Mastercard)(モバイルSuica、楽天Edy※月3万円まで)☆☆
・ 楽天カード(楽天キャッシュを楽天Payで使う)☆
・ Orico Card THE POINT Mastercard(モバイルSuica、au PAY)☆☆
・ Orico Card THE POINT JCB(モバイルSuica)☆
・ Orico Card THE POINT Premium Gold Mastercard(モバイルSuica、au PAY、iD、QUICPay)☆☆☆☆
・ Orico Card THE POINT Premium Gold JCB(モバイルSuica、iD、QUICPay)☆☆☆
・ PayPayカード Mastercard(モバイルSuica、au PAY)☆☆
・ PayPayカード JCBまたはVISA(モバイルSuica)☆
・ dカードMastercard(au PAY)☆
・ 三井住友カードMastercard(au PAY)☆
・ P-oneカード<Standard>Mastercard(au PAY)☆
・ セゾンパール・アメックス(QUICPay)2.0%のため☆☆(年間30万円利用の上限あり)
・ ビックカメラSuicaカード(モバイルSuica)☆
・ ヤマダLABI ANAカード(au PAY)☆
android端末の場合、au PAYにチャージ後、au PAYのSuicaに残高をチャージできて0.5%のポイント付与があります。
au PAYからその先が広がるので、チャージも馬鹿になりません。
最近では還元率も一筋縄ではいかなくなってきました。
特定店舗で特定の決済方法を選ぶことで、ポイント大幅アップのカードが出ています(☆)。
・ エポスゴールドカード(選べるポイントアップショップ3店舗でポイント3倍)☆
・ 三井住友カード(NL)(3店舗選んで0.5%還元率アップ/スマホタッチ決済で7.0%以上になる店舗多数)☆☆
・ 三菱UFJカード(コンビニ、松屋、ピザハット等で5.5%還元)☆
・ SAISON GOLD Premium(コンビニ、カフェで最大5.0%還元)
SAISON GOLD Premiumは年会費1万1,000円ですが、一度年間100万円使うことで永年無料です。
それから、年間利用50万円単位で還元率1.0%となります。
これも十分メインになり得る1枚ですが、年会費永年無料になる条件が高めのため、この項でのみ取り上げました(総合順位なし)。
少ない枚数のカードで高いパフォーマンスを追求する人のための、総合力の高いカードの結論です。
点数順に並べました。
年会費とポイント付与の例外の2点のマイナス面についても反映しています。
具体的には、年会費を徴収するOrico Card THE POINT Premium Goldと、ポイント付与の例外が多い楽天カードです。
1. エポスゴールドカード☆☆☆☆☆
2. Orico Card THE POINT Premium Gold Mastercard☆☆☆☆
3. Orico Card THE POINT Mastercard☆☆☆
4. Orico Card THE POINT Premium Gold JCB☆☆☆
5. 三井住友カード(NL)Mastercard☆☆☆
6. リクルートカード(VISA、Mastercard)☆☆☆
7. PayPayカード Mastercard(モバイルSuica、au PAY)☆☆☆
8.楽天カード☆☆
9.PayPayカード JCBまたはVISA☆☆
10.Orico Card THE POINT JCB☆☆
各評価項目の価値は完全に同等ではありません。
Orico Card THE POINT Premium Goldについて、「iDでの0.5%ポイントアップ」「QUICPayでの0.5%ポイントアップ」のそれぞれに☆を付けるのはいささかポイント過剰のきらいがあります。
それでも、各クレジットカードの性能はおおむね明らかになっているのではないでしょうか。
以下は短評です。
強さを数値化すると、改めて強いカードです。
2023年9月から「選べるポイントアップショップ」(ポイント3倍)からモバイルSuicaが除外されたのは大きなショックです。
しかしながら、筆者など「楽天Edy → 楽天キャッシュ → 楽天ペイ」(Android限定)で、結局従前どおり2.5%還元のキャッシュレスを実現できています。
エポスゴールドカードは年会費完全無料のスタンダードカードと対決させると反則に思えるため、今回はあくまでも「年間50万円利用」の条件にしてみました。
年間50万円条件なら、インビテーションに頼らずゴールドから初めても、年会費を支払うのが最初の年だけとなるからです。
それでも還元率1.0%になる強いカードです。
オリコの格安ゴールド、Orico Card THE POINT Premium GoldのMastercardが同点2位です。
還元率がもともと1.0%と高く、さらにキャッシュレスとの組み合わせが次の通り優れています。
・ モバイルSuica(通常還元率の1.0%でチャージ)
・ au PAY(月5万円まで。さらにAndroidの場合、ここからSuicaチャージで0.5%追加)
・ iD(Apple PayまたはGoogle Payでプラス0.5%)
・ QUICPay(Apple PayまたはGoogle Payでプラス0.5%)
iDとQUICPayはほぼ同性能ではありますが、こちらを合計☆ひとつと考えてもやはり上位に来ることは間違いありません。
年会費1,986円だけマイナス要素ですが、次のサービスがあります。
・ Club Off(優待プログラム)
・ 海外旅行傷害保険(治療費上限200万円…補償を組み合わせれば実用に資する)
年会費を支払うに値するかは、やや微妙な感もあります。
年会費を支払いたくない場合は、Orico Card THE POINTのMastercardがおすすめです。
iD、QUICPayのポイント付加はなくなります。
オリコのJCBブランドになると、au PAYチャージができないのが欠点です。
つまり、au PAYのSuicaのチャージにも使えません。
三井住友カードの最近の充実ぶりからすると、1枚はあったほうがいいでしょう。
通常還元率は0.5%と低いものの、コンビニ、マクドナルドをはじめとする特約店が多いのです。
それから、3店舗を選んで登録し、倍の1.0%にすることもできます。
ライフやマツキヨ、スターバックスなどおすすめです。
三井住友カードはVISAがメインですが、Mastercardの場合au PAYチャージ(月5万円まで)のメリットが大きなものです。
ただしAndroidユーザーの場合、VISAと違いスマホタッチができない欠点もあります。
なお、年間100万円を使えるのならば、三井住友カード(NL)のゴールドがおすすめです。
年間100万円の利用で、年会費永年無料、実質還元率1.5%のカードとなります。
リクルートカードの場合人気があるのはJCBですが、性能が落ちてきました。
もう数年間入会キャンペーンも実施しておらず発行元三菱UFJニコスも力を入れていないのが難点ですが、VISAおよびMastercardブランドのほうが高性能です。
月3万円までですが、モバイルSuicaと楽天Edyへのチャージルートが開かれているのがメリットです。
楽天Edyからはさらに楽天キャッシュにチャージ(Android限定)し、還元率を0.5%上げることが可能です。
楽天Edyにチャージしてポイントのたまるカードは、今や天然記念物並みです(1位のエポスゴールドも同様)。
もともと還元率は1.2%と高いため、公共料金引落しには向いています。
PayPayカードはQRコード決済のPayPayを使うためにはあったほうがいい1枚です。
PayPayをPayPayクレジット(旧あと払い)を使えるのが最大のメリットです。
PayPayと組み合わせて還元率1.0%となりますが、数字自体がカード直接決済と変わらないのでこの点評価できませんでした。しかし実際はもっと点数が高くてもいいのです。
PayPayカードはPayPay以外では、モバイルSuicaとau PAYへのチャージ(月5万円まで、Mastercardブランド限定)に役立ちます。
楽天カードはこの下の順位となりました。
最近ポイント計算方法の改悪があったところですが、エポスやPayPayカード等も同じ決済ごとポイント付与であり、これ自体決定的な問題ではありません。
ただ、公共料金引落しの還元率が大部分0.2%なのは、大きなマイナスと感じます。
楽天キャッシュのチャージルートは貴重です(チャージは0.5%だが、楽天ペイで使うことで1.0%。合計1.5%で、楽天カード直接決済より0.5%アップ)。
ただ、エポスゴールドカードからの楽天Edyルートのほうがポイントが高い(実質2.5%)ため、Androidユーザーにとっては楽天カードは不要になってしまいました。
今後は、エポスルートが塞がれると予想しています。
枚数を絞り込みたい人のための1枚を探してきましたが、結局のところ常時15枚ほど持っている筆者と同じカードが1位となりました。
エポスゴールドカードです。
最初は年間50万円利用から始めてもいいでしょう。
ただ年間50万円を過ぎると実還元率が下がりだすので、もう1枚持つならオリコがおすすめです。
安定してエポスの年間利用金額が多くなったら、100万円利用を目指してください。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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