- 週間ランキング
認知症や物忘れの相談にオレンジドクター 地域包括支援センターでは無料で相談可能
自動排泄処理装置は、おむつ交換に代わり、自動で排泄を感知し、吸引・洗浄・乾燥を行う機械です。
排泄後に一連の処理が素早く行われる為、お部屋においても清潔に保つことができる優れものです。
介護者が行う後始末は、タンクに集まった物をまとめて捨てるだけです。
また、適宜、レシーバー部分やホース、タンクなどの備品の洗浄を行います。
身体につける部分をきちんと装着できていれば漏れの心配もありません。
自動排泄処理装置は、装着や備品洗浄の手間はありますが、おむつ交換のように毎回身体を移動させての交換やふき取りが不要です。
おむつ交換は、慣れている方でも頻回に行うと大変です。体格差や腰痛があると、ますます大変です。
排泄の時間は何時と決まっているわけでもない為、おむつ交換の時間を気にしながら、外出や家事などをすることになり、時間にしばられることにもなります。
自動排泄処理装置は、身体的なしんどさや時間的な制約から、解放される1つの手段となってくれます。
自動排泄処理装置は、介護保険でレンタルすることができます。
しかしながら、介護度が介護2以上の方のほか、すべての排泄物を吸引できるといった機器は、介護4以上の方しか利用できません。
また、身体に触れるレシーバー部分や交換が可能なホースやタンク部分は、特定福祉用具販売での購入になります。
介護保険で自動排泄処理装置を借りた場合の目安ですが、すべての排泄物に対応可能な自動排泄処理装置「ドリーマー」の場合は次のとおりです。
1割負担の方のレンタル月額 2,500円
交換可能部品の価格 税別9万2,000円
≪画像元:株式会社スペースケア 自動排泄処理装置:ドリーマー≫
特定福祉用具販売は、同じ年度で10万円までが補助対象となりますが、1割負担の場合、10万円のうち1万円分は、自己負担となります。
その為、ドリーマーの交換可能部品の自己負担額は、9,200円になります。
≪画像元:厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 特定福祉用具販売≫
介護度が重い方は、毎日デイサービスやベッドや車いす、ショートステイなどを利用されていて、区分支給限度基準額の単位数に余裕がない方もいるかもしれません。
デイサービス等で日中のおむつ交換はできても、夕方から夜、翌朝のおむつ交換は家でしなければなりません。
吸水量の大きいパットを利用するなどで、おむつ交換の回数を減らすことはできますが、好感をせずに長時間濡れたままでいると、皮膚トラブルにつながったり、吸水量の多いパットは高価格な為、昼夜を通して使用すると金銭的負担がかかることもあります。
自動排泄処理装置があれば、金銭的な負担を減らし、昼夜問わずのおむつ交換が楽になります。
排泄があれば、すぐに吸引し、その後自動で洗浄と乾燥まで行う機器もある為、排泄後の清潔を保つこともできます。
現状で、単位数の空きがない場合でも、デイサービス等の時間を短くするなどで、単位数の空きを作ることができます。
自動排泄処理装置に興味を持たれた方は、ケアマネジャーにぜひ相談してみてください。
自動排泄処理装置をぜひ利用してほしいケースは、おむつ交換時に協力動作が難しい寝たきりの方や、介護が必要な方が大柄で介護者の方が小柄など、体格差が大きい場合です。
においが気になる方にもおすすめです。
逆に利用が難しい方は、レシーバー部分をうまく装着できないほど身体の拘縮が進んでしまっている方や、自動排泄処理装置について理解できず、レシーバーなどをとりさってしまう方です。
また、自動排泄処理装置に抵抗感がある方の場合は、ケアマネージャーや馴染みの介護・看護のスタッフに自動排泄処理装置のメリットなどを説明してもらうと良いでしょう。
1日に何度も必要なおむつ交換は、大変なケアです。
排泄は、介護される側にとってもデリケートな問題です。
今まで自分でできていたことができなくなることは辛いことで、誰もが好んでおむつ交換を受けているわけではありません。
自動排泄処理装置は、介護者がいなくても排泄後の処理ができる為、本人も水分を我慢したり、おむつやパット交換の依頼を我慢するという気兼ねがいらなくなります。
介護する側だけではなく介護される側も、自動排泄処理装置を活用することで排泄の悩みが軽減されます。
今まで、利用したことがないから、うまく使えるか分からないから不安、やはり人の手で換えた方が良いのではなどの思いから、遠くの存在と思っている方も多いものです。
しかし、おむつやパットの交換は、365日24時間途切れず行う必要があります。
自動排泄処理装置の利用について気になられた方は、介護の専門家を交えながらご検討してみてください。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)
「介護認定」と「障害者認定」は同時に受けられる 障害者手帳の交付で「節約できるお金」と交付対象の「病気・症状」
「介護保険+障害者手帳」で費用負担を軽減 認知症も対象に含まれます
現役の介護のプロが教える 100均でも買える「介護グッズ」11選と買ってはいけないもの。