- 週間ランキング
【2024年から】マンション節税が見直し 評価方法の変更による相続税への影響は
不動産競売手続は、債権者の申立てにより目的不動産を差し押さえてその不動産を売却し、売却代金から配当を受けて債権の回収を図る手続です。
参照:最高裁判所
競売不動産の情報は、「物件明細書」、「現況調査報告書」、「評価書」のことを言います。
競売3点セットで公表されます。
競売不動産の価値については、不動産鑑定士により、「評価書」が作成されます。
閲覧方法は、裁判所に直接赴く方法と、サイトからの閲覧方法があります。
評価書では競売対象不動産の価格を3つの視点で評価しています。
・ 積算価格の建物価格(新たに新築し、経年劣化に合わせて減価算出)
積算価格の敷地権価格(参考となる地価公示 (1) などから算出)
・ 比準価格 同種不動産の取引事例 (2) から算出
・ 収益価格 マイホームを賃貸借するシミュレーションをおこない、その収益からマイホームの価格を算出。
利回り (3) 支払賃料 (4) を提示。
上記3つの価格(積算、比準、収益)を調整して資産価格を提示されます。
今回は、マイホームの価格を知るためであり、マイホームが競売物件ではありません。
よって競売市場修正を行わない価格を参考とします。
評価書は、不動産鑑定士が競売物件の価値を評価するため作成されるものです。
私は20年以上、不動産や建設業関係に従事しておりますが、この評価書の計算過程をすべて把握できません。
反対に申し上げれば、不動産の専門家でないと算出できない有用な指標がたくさん入っています。
私は評価書を見る際、下記 (1) ~ (4) を参考にしています。
地価公示などはマイホームの土地評価の際に参考になりますが、マイホーム近辺の地点が参考となるとは限りません。
評価書からマイホームの参考になる地点を知ることができます。
マイホームと比較対象になる取引事例を知ることができます。
取引事例は公表されるとはかぎりません。
不動産鑑定士は、土地購入者に対し「お尋ね」を送付し、事例として収集しています。
マイホームを賃貸する際の、利回りを知ることができます。
利回りは、建物の価値や近隣状況を反映しております。
貸し出した際の賃料を知ることができます。
これらは調査しないと知りえないものであり、不動産業務の最高峰である不動産鑑定士が鑑定したものは、かなりの精度があります。
評価書には付属資料が添付されています。
それら原則、法務局等を介して入手できる有料の資料です。
それらを無料で確認できます。
・ 地図(公図)
・ 地積測量図
・ 建物図面
・ 各階平面図
マイホームと同じマンションが競売資料として掲示してあれば、有用な情報を無料で知ることができます。
ただし、競売情報を見る際は、「配慮」を忘れないでください。
不動産の所有者にとって、競売されるということは、マイホームや大切な不動産を失うことです。
競売が公示されると、不動産会社が「仕入れ」のため、「下見」に訪れたり、聞き取り調査を行うことになります。
競売される事情があるにしろ、該当者は犯罪者ではありません。人生において、とても辛いことです。その点を理解しましょう。
該当者への誹謗中傷は絶対にやめましょう。該当者への接触も避けるべきです。
競売は取り下げも多く、売却されない可能性も高いことも考慮してください。
現在はインターネットからダウンロードする三点セットで、室番号まで把握できますが、個人情報として扱うべきです。
特に同じマンションの方へ、安易に他言するべきではありません。
マイホームを不動産鑑定士に鑑定依頼すると、数十万円の費用が必要です。
それに準ずる情報が手に入るのは、大きいメリットです。自身の財産を把握するため、競売資料をうまく利用しましょう。(執筆者:CFP、1級FP技能士 金 弘碩)
【1坪1.4億円】令和5年分の路線価公開!路線価の調べ方と最高地点の価格を紹介
敷地内だけでなく、敷地周りに電柱が立っている不動産物件は「要注意」
令和6年4月1日から不動産の相続登記が義務化!罰則規定もあるので要注意