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国際ブランドの大原則からご案内です。大きくは昔から変わりません。
提携カードのないダイナースは除いています。
日本国内においては、国際ブランドによりこのカードが使えない、という状況は現在ほとんどありません。
海外で使う際に差が出ます。
・ VISA … 世界中で強い
・ Mastercard … 世界中で強く、特に欧州でシェア高い
・ JCB … 東・東南アジア限定。ただし米国ではDiscoverブランドと提携しておりほぼOK
・ アメックス … 意外と北米で加盟店が少ない(高級ブランド店舗なら問題ない)
VISAおよびMastercardは、クレジットカード決済可能なお店なら、ほぼ世界中どこでも使えます。
日本初のサムライブランドJCBは、東南アジアまでは比較的強いものの、それ以外は期待できません。
ただ米国では、ローカルブランドのDiscoverとの提携により、おおむね使えます。
ハワイやグアムに関してはもともとJCB加盟店自体多く、地元民相手のお店でなければ通用します。
豪州やカナダでは、JCBはアメックスと提携しているのですが、アメックス自体の加盟店が多くないため使えないこともあります。
南米では現地ブランドとの提携が功を奏し、意外と使えるようです。
欧州はJCB不毛の地で、ほぼ無意味な存在です。
クレジットカードのキャッシング枠は、海外でこそ役立つものです。
レートが有利なため、おおむね両替より安く現地通貨が作れるためです。
借入利息を考慮しても、キャッシングが安いことが多いです。
海外でのキャッシングは、国際ブランドによりATMが異なります。
・ VISA … VISA/Plus
・ Mastercard … Mastercard/Cirrus
・ JCB … JCB/Cirrus
・ アメックス … AMEX
カード決済では部の悪いJCBも、「Cirrus」マークのATMが使えるため世界中どこでも現金は作れます。
Cirrusマークは、Mastercardのロゴを青くしたものです。
むしろアメックスのほうがATMが少なめです。
最近のプロパーアメックス(提携カードでないカード)にそもそもキャッシング枠がついていないこともあり、特に欧州等でATMが少ないので気を付けましょう。
クレジットカードの現物、またはスマートフォンでのタッチ決済は非常に普及してきています。
国際規格のNFCを使っているので、世界で決済できます。
タッチ決済という名称も、国際ブランドをまたがって使われるようになりました。
ただしブランド別に若干違いがあります。
・ VISA … カード現物、iPhone、Androidともに可(ただしスマホ対応は発行会社次第)
・ Mastercard … カード現物、iPhone、Androidともに可(ただしスマホ対応は発行会社次第)
・ JCB … カード現物のみ対応
・ アメックス … カード現物のみ対応
日本でタッチ決済を先行させたのはVISAです。
特にAndroid(Google Pay)でタッチ決済設定可能のクレジットカードは大部分VISAです(三井住友カード、エポスカード、楽天カードなど)。
※楽天カードはGoogle Payでなく楽天ペイアプリでの設定により、MastercardでもAndroidタッチ決済可能です。
タッチ決済と、ポストペイ型電子マネーであるiD、QUICPayとは支払いの効果が似ているので混同しがちですが、別物です。
iD、QUICPayは日本独自のFelicaですので、海外では使えません。
国際ブランドごとに、最近のトレンドも取り上げ、役立つシーンを見ていきます。
VISAは先に見ましたとおり、スマホタッチ決済に強いブランドです。
特にAndroidユーザーにとって設定できるクレジットカードは大部分VISAです。
日本では、タッチ決済で鉄道に乗れるシーンも増えてきました。
JCBやアメックスでも乗れるケースが多いのですが、VISAの一番のライバル、Mastercardはまだ対応していません。
VISAブランドのカードは日本でも種類が非常に多いですが、とりわけ代表的なポジションに位置づけられるのが、三井住友カードです。
三井住友VISAカードの場合、次の特徴があります。
・ スマホタッチ決済で最大18%の還元の得られる特約店多数
・ QRコード決済のLINE Payにセットして使える
Mastercardもできれば1枚欲しいところです。
「コストコ」で使える唯一のクレジットカードブランドでもあります。
国内でMastercardが役立つシーンは、QRコード決済のau PAYへのチャージです。
アメックスと並び、Mastercard全カードブランドがau PAYにチャージ可能です(au PAYカード以外は月5万円まで)。
ただしチャージ時のポイントがたまるカードばかりではないので気を付けましょう。
Orico Card THE POINTのMastercardなど、還元率も高く(1.0%)おすすめです。
JCBは日本初のブランドのため、世界では分が悪いという点は先に確認しました。
「PayPayにセットできない」というデメリットもありましたが、いずれPayPayカード以外すべてセットできなくなるので、気にすることはありません。
ブランドとしてのJCBは、筆者の体感ですが、キャンペーンが他ブランドより多いと思われます。
JCBの場合、自社発行カードであるJCBカードだけでなく提携カードでも使えるキャンペーンが、繰り返し実施されます。
一例として、2023年8月31日までセブン-イレブンで20%還元というJCBのキャンペーンが実施されていますが、多くの提携カードも対象となっています。
海外で使う想定のないカード、それも国際ブランドよりもカードブランドの特徴のほうが強いカードに関しては、JCBもおすすめです。
JCBと同様、アメックスは自社カードを発行しているブランドのため、自社カード(プロパーカード)について語ることと、国際ブランドについて語ることとが混同されがちです。
国際ブランドとしてのアメックスはそれほどメリットが高いわけではありません。
ただ、アメックスのサービスが一部使えます。
セゾンカードについては、他ブランドよりむしろアメックスがおすすめです。
年会費実質無料の基本カード、セゾンパールには次のメリットがあります。
・ QUICPayで2.0%還元
・ セゾン・アメックス・キャッシュバック(優待)
※8月は「ニッポンレンタカー」のみのため、紹介記事は執筆していません。
スマホでのタッチ決済やau PAYへのチャージなど、現在の日本において国際ブランドで差が付く例を挙げてみました。
逆に言えば違いはこの程度であって、国際ブランドにより驚くほどの差はありません。
カードブランド(セゾンカードなど、カード発行会社のブランド)のほうが重要です。
複数のブランドが選べるカードで入会時に悩んだときは、次のルールをおすすめします。
1. まずVISAを持つべき
2. 2枚目としてMastercard
3. 海外に持っていかないカードなら、ブランドのキャンペーンが多いJCBもいい
4. 国際ブランドとしてのアメックスは無理に持つ必要はない。ただセゾン・アメックスのメリットは大きい
このルールにしておけば、失敗することはあまりないはずです。
日本で、世界でクレジットカードを活用してください。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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