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「日経平均」vs 「S&P500」 過去5年~30年間、投資していたらどうなっていたか試算してみた
以前と比べると、日本企業の中で中国ビジネスを積極的に進める動きは大きく低下しています。
まだ中国が今のような経済大国ではない時、高度経済成長を味わい、バブルで潤っていた日本企業がどんどん中国に進出し、安価な労働力をフルに活用し、ぼろ儲けしてきました。
中国が世界の工場と呼ばれるようになり、積極的に外資を受け入れ、欧米や日本の企業は中国から大きな恩恵を受け続けました。
外資の受け入れによって経済成長を続けてきた中国は、諸外国へ経済的な威圧を掛けるようになりました。
突然、台湾産のパイナップルの輸入をストップしたり、ガリウムやゲルマニウムなど希少金属の輸出を規制したりと、諸外国は中国への警戒を強めています。
中国は北京や上海にある外国企業にも監視の目を強め、スパイ行為を行っているとして強制的な立入検査を行ったりするなど、外国投資家の間でも中国への投資を控える動きが広まっています。
外国の投資家たちは中国ではなくその代替先としてインドに注目を集めています。
インドは最近人口で中国を追い抜き、世界最多の人口を有する国家となり、今後は経済力で日本を追い抜き、世界第3位の経済大国に浮上するのが予測されています。
また若い世代の人口が多く、今後大きく経済成長が期待されることから、多くの投資家が新たな投資先として注目を集めています。
日本企業の注目も集まっており、今後インドへの投資はいっそう増えることが期待されます。
インドはテクノロジー、先端技術分野でも飛躍的な発展を遂げ、若年層の高学歴化も進んでおり、今後は様々な分野で投資によるメリットが期待されます。
ニューデリーやムンバイなどの大都市だけでなく、地方都市でも経済成長に伴う都市化が進んでおり、ある都市の中心地に土地を買うなど不動産的な視点からも投資によるメリットが期待されます。
インドへの投資ではリスクも考えられます。
日本よりは高い経済成長率をキープするでしょうが、急激な都市化や人口増加によって、インド国内で経済格差が深刻な問題となり、また若者の失業率が高まり、それによって経済成長率が鈍化していくことも考えられます。
これからの成長を見越して多額の投資をしても、期待を裏切る形となるリスクは排除できないでしょう。
これは分野や業種を問わず言えます。
企業がインドでビジネスを強化する観点からもリスクが考えられます。
女性や外国人を狙ったスリや置き引きなど日常犯罪が横行しており、駐在員をインドに派遣する際、企業としては駐在員やその帯同家族が犯罪に巻き込まれないよう細心の注意を払う必要があります。
中国では政府が権力を握ってテロなどは起きませんが、インドでは頻繁に情報機関や治安当局がテロ警戒情報し、過去にイスラム過激派や少数派武装勢力によるテロが断続的に起こっています。
反政府デモや宗教対立なども日常的に発生しています。
衛生面でも日本人には難しい時があります。
ホテルのシャワーから水が出なかったり、施錠が不十分で強く押せばドアが開いたりするようなこともよくあります。
地方などでは狂犬病に罹ったような犬があちらこちらにおり、健康面からのリスクも認識する必要があります。
今後、インドへの投資、企業進出は必然的に増えていくでしょう。
中国リスクが鮮明になっているので、その代替先を急いで発見しようという企業の動きも見られます。
しかし、インドが市場的に魅力的ではある一方、今後の経済成長、経済格差や若者の失業率、犯罪やテロ、抗議デモや衛生など、中国ビジネスでは考えなかったようなリスクが多くあるのも事実です。
インド進出に当たっては、経済や経営の視点が第一になる一方、実際に派遣される社員の安全や保護、現地での日常生活の過ごし方などにも十分配慮する必要があります。(大学勤務 大谷 国之)
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