先週は、フィッチという格付けの会社が、米国の長期外貨建て発行体格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げたということを受けて、金利が上昇し、株は売られる展開となりました。

金利が上がると、特にハイテクが売られるので、ナスダックは大きく下落していました。

日本のマーケットのほうが、米国よりも下げていて、ちぐはぐな印象です。

この格付けの引き下げが大きく影響するとは考えられない理由として、ただ単に利益を確定させたい投資家が多くなっただけという見方や、格付けが引き下がった2011年は14日間で-12.4%だったということで、それくらいの下落もあると警戒した見方もあります。

SQまでの下落があるかもしれないという見方もあり、不安材料となっています。

信用の買い残も多く積まれていましたから、理由はどうであれ、なるべくしてなった調整の1週間でした。

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チャート分析

チャートを細かく見ていきましょう。

日足の移動平均線

5日線は、上向きだった5日線は2日から下向きに変化して週末入りしています。

25日線は、若干上向への変化を見せましたが、週末は下向きとなって、引き続き下向き継続となっています。

75日線は、引き続き上向きで推移しています。現在3万1538円処で株価との接近は4月以来です。

並び順は、ギリギリ5日25日75日の並び順で、安定上昇となっています。

5日線も25日線も下向きで絡み合っているので、今後の展開に注目です。

機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、上向きで推移し、2万8968円処を推移しています。

トレンドライン

三空を作るかと思われた週末ですが、三空とはならず、上には8月2日3日の窓と1日2日の窓が上値として意識されるところです。

7月3日と8月1日の高値を結んだラインも上値として意識され、下に関しては、7月12日の水平ラインが直近で意識されるラインです。

その下は、3万1500円処と6月1日2日の窓埋め、その下は3万0500円処となります。

一目均衡表

3日に厚い雲の中に株価は入ってしまいました。

雲の下限が3万1000円処なので、ここまでの下落があるのか、それとも横ばって21日以降の雲抜けとなるのか、動きがきになります。

転換線と基準線の並び順が弱さを示しています。

遅行線も急激な動きとなっていて、上に抜けるかと思ったら、下に入ってきてしまい弱さが見えます。

6日後まで横ばって日々線を抜けて好転となるのか気になるところです。

ボリンジャーバンド

バンドが波打ちしている状況で月曜日から+1σへと株価は上昇しましたが、水曜日からは-1σへと株価は下落し、+1σと-1σの間での推移で、BOXの動きとなっています。

現在のバンドが全て下向きなので、下への圧力がどう株価に影響するのか見ていきましょう。

スローストキャスト

買われすぎゾーンから一気に売られすぎゾーンへと下落してきた1週間でした。

一気に動いたので、ここから売られすぎゾーンに入ってからゆっくり上へ向かうのか、売られすぎゾーンで停滞するのか確認していきましょう。

MACD

0ライン上で横ばいの動きを見せています。

上昇トレンド継続なのか、それとも下降トレンド入りなのかの攻防です。

ヒストグラムは陰転し、弱いシグナルとなっています。

次回の新月は8月16日、満月は31日です。

8月2日の満月は転換のサインとなっていました。次回のアノマリーも気にしていきましょう。

総合判断

日経平均株価のパラボリックは陰転となっており、弱さが見えています。

週末の米雇用統計では、市場予想の20万を下回り、平均時給は上昇となりました。インフレ長期化、賃金高止まり懸念が続いているようです。

7月12日安値3万1791円を割るのか割らないのか、今週はしっかり確認していきましょう。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 格付けや雇用統計、米国の動きにつられる1週間【今週の日経平均を考える】