- 週間ランキング
「ギプス」をつけている期間は、通院なしでもお金がもらえる保険
2023年10月1日より、エポスカード付帯の海外旅行傷害保険が、「自動付帯」から「利用付帯」に変わります。
年会費無料でありながら自動付帯(カードを持っているだけで保険適用になる)というのはエポスカードの売り物の一つでしたが、この看板を下ろすことになります。
エポスカード(スタンダード)とエポスゴールドカードがサービス変更の対象となります。
エポスプラチナカードは従来通り(自動付帯)です。
「10月1日以降に日本国内の住居から出発する旅行」から変更となります。
新たな保険の適用条件です。
・ ツアー料金、空港への交通費等、移動に対する代金をカードで事前に決済すること
・ 出発空港までの電車、バス等の交通費カード支払いでもOK
・ 空港までの電車の切符を券売機で当日カード購入する場合、購入後から保険適用(家を出たときからではない)
・ 日本出国後に現地公共交通機関の乗車代金を支払った場合、そこから保険適用開始
・ 空港までのタクシー乗車は可、レンタカーは不可
変更後の内容は、利用付帯カードの、ごく一般的なものです。
自動付帯から利用付帯に代わって不利になりますが、いっぽうで次の補償項目については額が上がります。
・ 傷害死亡・後遺障害
・ 賠償責任
・ 携行品損害(ゴールド)
それぞれ、次のとおりです。
他の保険と合算不可
・(スタンダード)500万円 → 3,000万円
・(ゴールド)1,000万円 → 5,000万円
・(スタンダード)2,000万円 → 3,000万円
・(ゴールド)2,000万円 → 5,000万円
・(ゴールド)20万円 → 50万円
海外では、慣れない環境で、他人に損害を与えてしまうこともあり得ます。
賠償責任のアップは重要です。
海外旅行傷害保険で最も重要な内容は、海外の医療機関で治療を受けられるようにすることです。
医療制度の違う海外で、治療費用の補償は最優先事項です。
盲腸炎や歯痛、交通事故、犯罪被害など、治療の可能性は無数にあります。
治療の補償額は従来のままで、クレジットカードの保険としては悪くない額となっています。
・ (スタンダード)傷害治療200万円、疾病治療270万円
・ (ゴールド)300万円
エポスカードの保険ルール変更に関係する、海外旅行傷害保険の一般的知識です。
最近多くのカードで、海外旅行傷害保険の自動付帯が利用付帯に変わりました。
ところで利用付帯にも、2種類あります。
・ 出発空港までの交通機関運賃カード決済でも、海外旅行全体の保険が適用されるもの
・ 航空代金やツアー代金を事前にカード決済していない限り適用されないもの
ルール変更後のエポスカードは前者です。
エポスカードでリムジンバスや京成スカイライナー等の切符をあらかじめカード決済している場合、家を出て、海外旅行から帰ってくるまで保険が適用されます。
旅行当日、JRの駅券売機で成田空港までの切符をカード決済する場合は、切符購入後帰宅まで保険適用です。
交通系ICについては記載がないものの、不可と思われます。
後述の三井住友カードのようにカードチャージならOKの場合もあるものの、複雑なので避けたほうが無難です。
ちなみに、航空代金やツアー代金を支払わないと保険適用にならないカードは、アメックス(プロパー)や楽天カード等です。
海外旅行傷害保険は、お金を出して加入する保険商品でも、クレジットカード付帯のものでも、合算して適用されます。
ただし、「死亡・後遺障害」については、最も高い補償額のもののみ適用となります。
エポスカードで空港までの代金を支払い、ツアー代金を別のカードで支払った場合、2種類の「利用付帯」カードの補償を合算できることになります。
エポスカード(スタンダード・ゴールド)の海外旅行傷害保険には「家族特約」がありません。
家族カードももともと存在せず、カード会員本人にしか保険が適用されません。
ただしゴールド、プラチナ会員の場合、2親等以内の家族(高校生を除く18歳以上)をゴールド会員に招待することができます(エポスファミリーゴールド)。
ですから、高校生以下の子供が同行しない旅行なら、全員が出発空港までの運賃をカード決済することで、保険のある状態にすることは可能です。
あとは補償額の問題です。
前述の通り、高校生以下の子供が同行する場合は、エポスではもともと対応できません。
では、全員が保険適用の状態で海外に行くことを想定した場合、エポスの保険で十分でしょうか。
結論からいうと、次のとおりです。
エポスカード(スタンダード)の保険で傷害200万円の医療補償がある場合、一般的にはおおむね大丈夫でしょう。
ただ、犯罪に巻き込まれたりして、1,000万円程度の治療費用が必要になることは、現実的にあるのです。
お金を払って加入する保険商品の場合、治療費用補償が「500万円」から無制限のものが多いので、できる限り保険商品に入っておくのが望ましいとはいえます。
エポスカードは利用付帯になりましたが、空港までの運賃支払いでも適用されるので、他のカードと補償を合算する余地はあります。
ただし、年会費無料のカードの保険の多くは利用付帯に代わってしまいましたし、エポスほど高額補償でもありません。
保険を合算するなら「年会費無料にできるゴールド」がおすすめです。
カッコ内は治療費の補償額上限です。
・ 三井住友ゴールド(NL)(100万円)
・ 三井住友Oliveフレキシブルゴールド(銀行一体型)(100万円)
・ SAISON GOLD Premium(300万円)
・ イオンゴールドカード(300万円)
いずれもエポスと同じ条件での利用付帯(空港までの交通費支払でOK)です。
補償を組み合わせるにはいいでしょう。
三井住友カードの場合付帯保険が選べますが、初期状態では海外旅行傷害保険になっています。
年会費無料になる条件も記載しておきます。
・ 三井住友ゴールド(NL) … 年間100万円カード決済
・ 三井住友Oliveフレキシブルゴールド … 年間100万円カード決済
・ SAISON GOLD Premium … 年間100万円カード決済
・ イオンゴールドカード … インビテーション(イオンカードを年間50万円決済する等)
最初の3枚は、年間100万円利用すると年会費永年無料となります。
ツアー代金を支払って達成するのもいいでしょう。
年間50万円利用あるいはインビテーションで年会費無料となるエポスゴールドカードに似ていて、併用もしやすいものです。
最後に、家族特約と家族カード補償についても記載します。
・ 三井住友ゴールド(NL) … 家族カード補償同額、家族特約なし
・ 三井住友Oliveフレキシブルゴールド … 家族カードなし、家族特約なし
・ SAISON GOLD Premium … 家族カード補償同額、家族特約補償同額
・ イオンゴールドカード … 家族カード補償同額、家族特約なし
2023年10月から利用付帯に変更となる、エポスカードの海外旅行傷害保険をチェックしました。
利用付帯の点は、空港までの行き方利用でも対処できますし、他のカードと補償の合算も可能です。
ただ、できれば保険商品にも入っておくほうが無難ではあります。
特に、お子さんが一緒の場合はもともとエポスだけでは対処不能なので、必ず保険商品に入りましょう。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
【2023年10月~変更】エポスカードの海外旅行傷害保険が利用付帯に これ1枚で海外に行けるか
クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険では「不十分」な理由 コロナ前後で変化した事情といま必要な補償額とは