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異次元の少子化対策「児童手当」と「扶養控除」 子育て支援策として、恩恵が大きいのはどちらの制度?
短時間労働者に対する社会保険の適用が、2016年10月から拡大されたので、次のような5つの要件に当てはまった方は、社会保険に加入する必要があります。
従業員数が少ないなどの理由で新基準を満たさない方でも、次のような2つの要件に当てはまった場合には、従来から存在する旧基準(4分の3基準)を満たすため、社会保険に加入する必要があります。
以上のようになりますが、(1)の新基準の中にある企業規模の要件は、2024年10月から「101人以上→51人以上」に変更されるのです。
これにより給与や労働時間などが変わらなくても、社会保険の加入対象に含まれる場合があります。
月給から控除される社会保険の保険料は、月給(各種の手当も含む)の金額を元にして算出した標準報酬月額に、保険料率を掛けて計算します。
例えば月給が「19万5,000円以上~21万円未満」の場合、標準報酬月額は20万円になります。
この標準報酬月額に保険料率を掛けて計算した、2023年3月分(4月納付分)からの社会保険の保険料は、次のような金額になるのです。
※健康保険の保険料は東京都の協会けんぽに加入する、介護保険の対象にならない40歳未満のものであり、下記の例も同じ条件のものを採用しています。
また月給が「29万円以上~31万円未満」の場合、標準報酬月額は30万円になります。
この標準報酬月額に保険料率を掛けて計算した、2023年3月分(4月納付分)からの社会保険の保険料は、次のような金額になるのです。
以上のようになりますが、このように月給の金額が増えるほど、保険料の負担は重くなります。
ただ原則65歳になった時に、厚生年金保険から支給される老齢厚生年金は、負担した保険料が多いほど金額が増えるため、デメリットばかりではないのです。
月給から控除される社会保険の保険料は上記のように、月給の金額に比例して増えていきますが、社会保険の種類によって異なる上限が設定されているのです。
例えば月給が135万5,000円以上になると、健康保険の標準報酬月額と保険料は、次のような金額に固定されます。
また月給が63万5,000円以上になると、厚生年金保険の標準報酬月額と保険料は、次のような金額に固定されます。
社会保険の標準報酬月額や保険料は、上限だけでなく下限も設定されているのです。
例えば月給が6万3,000円未満になると、健康保険の標準報酬月額と保険料は、次のような金額に固定されます。
また月給が9万3,000円未満になると、厚生年金保険の標準報酬月額と保険料は、次のような金額に固定されます。
こういった例からわかるように、健康保険は標準報酬月額と保険料の範囲が、厚生年金保険より広く設定されているのです。
社会保険に加入する(1)の新基準は、数年ごとに改正されているため、社会保険の加入対象になる方は増え続けているのです。
ただ2024年10月に企業規模の要件が、「101人以上→51人以上」に変更された後は、特に改正の予定がありません。
そのため厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会などで、次の改正に向けた議論が始まっているのです。
この議論の際に使用された「被用者保険の適用拡大」という資料が、厚生労働省年金局から発表されています。
参照:厚生労働省「第4回社会保障審議会年金部会 2023年5月30日 被用者保険の適用拡大(pdf)」
中身を読んでみると、(1)の新基準の要件を引き下げた場合、または撤廃した場合、どのくらい社会保険の加入者が増えるのかが試算されているのです。
個人的にもっとも気になったのは、
という部分です。
要するに(1)の新基準の要件を、「賃金月額が5万8,000円(年収に換算すると約70万円)以上」だけにして、他の要件を撤廃した場合、740万人ほど社会保険の加入者が増えると試算されているのです。
こういった試算をわざわざ実施したのは、いずれは社会保険に加入する賃金月額を5万8,000円、年収なら70万円くらいまで、引き下げたいからだと思います。
また5万8,000円という金額は、健康保険の標準報酬月額の下限と同じになるため、改正の目標としては良い水準だと推測されるのです。
もし賃金月額が5万8,000円で社会保険に加入した場合、健康保険の保険料は上記のように、月2,900円になる可能性が高いと思います。
一方で厚生年金保険の保険料は、どのくらいの金額になるのかが、今のところはわかりません。
ただ厚生年金保険の保険料は、健康保険の1.8倍くらいに設定されている場合が多いため、月5,220円(2,900円×1.8)くらいになると予想しています。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)
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