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「日経平均」vs 「S&P500」 過去5年~30年間、投資していたらどうなっていたか試算してみた
最強ともてはやされている米国株でも暴落はあります。
短期間で大きく値を下げる経験は2000年代に入ってからでも3度ありました。
ITバブル崩壊ではインターネット関連企業株の大暴落により高値から40%以上を下落を経験しています。
株価が再度上昇に転じるまでに3年かかることとなりました。
近年での一番の暴落として記憶に新しいリーマンショックでは相次ぐ金融機関の破綻により高値から50%以上下落しています。
また、この時は円高も進行しており一時1ドル75円台をつけるなど、ドル円でも35%ほど下がっています。
円建で米国株へ投資していた場合は米国株自体の暴落とドル円の暴落でダブルパンチをくらい、まさにどうしようもない状態に陥っていました。
直近での暴落はコロナショックです。
この時は1か月で30%以上の下落があり、暴落のスピードが早かったのが特徴です。
その後の回復も同様に早く、少し気絶していれば耐えられた暴落といえるかもしれません。
このように最強米国株にも暴落は必ず訪れます。
これからもそこは変わらないでしょう。
ですがそんなことは皆様よくご存知のはずです。わかっていてもうまく対応できないのが暴落局面。
自身の投資が間違っているのではないかと不安に思うのも無理はありません。
コロナショックのようにすぐに回復に転じれば良いですが、ITバブルのように3年もの長い期間ダラダラと続く下落はとても厳しいものがあります。
しかしその後回復し、高値を更新しているのも事実です。
この教訓をもとに時間をかけてのんびりと向き合いたいのが米国株への投資ということになります。
ぜひ心がけていただきたい考え方です。
米国には多くの企業が上場しています。
S&P500やVTIといった米国株インデックスはそれら多くの企業にまとめて投資ができる点で分散が効いているといえます。
ですが均等に分散投資をしているわけではなく、時価総額加重平均で投資ウエイトを決定しているため、投資銘柄の偏りができてしまいます。
例えばS&P500は米国企業の上位500社へ投資ができる指数ですが、500社へ均等に分散投資ができるわけではなく、アップルやマイクロソフト、アマゾンなどの上位10社で全体の4分の1以上を占めることになります。
時価総額が大きい企業への投資割合が高いということです。
それらウエイトの高い銘柄の株価が暴落するとやはりある程度の下落を被ってしまうのは致し方ないことです。
その反面、ウエイトの高い企業が大きな上昇を見せた場合はその恩恵も大きくなります。
2010年代の大きな上昇はまさにその影響を良い意味で受けたといっていいでしょう。
S&P500にしてもVTIにしても一度積立設定をしてしまえば後はやることがありません。
退屈な投資といっても過言ではないでしょう。
その退屈さが人を不安にさせることもあるようです。
投資のことを勉強すればするほど他の投資先が魅力的に見えてくるものです。
AI関連銘柄などのテーマ株が魅力的に見えることがあれば、新興国株式に興味が出てくることもあるでしょう。
直近のニュースでは2020年代は米国株よりも他の先進国の方が成長するなんて話も耳にします。
最近では「除く米国株」といった投資信託も登場しているくらいです。
また、利益を得るための時間軸があまりに長いことに嫌気がさし、レバレッジ商品に手を出したくなる可能性もあります。
いずれにせよこういった話は米国株が不調な時ほど話題になるものです。
ですが投資は退屈なくらいがちょうどいいと考えます。
時間をかけてコツコツ続けることで再現性高く利益が出せるのが米国株投資です。
特に初心者ほど投資をしていることを忘れるくらいがいいでしょう。
米国株といえど幾度となく暴落を経験し、その谷を乗り越えて成長を続けています。
今後も絶対にそうなると断言することはできませんが、そうなる確率は高いといえるでしょう。
長期で投資を続けることによって米国株の本領が発揮されるのです。
2024年から始まる新しいNISA制度も米国株投資への後押しとなります。
非課税で投資ができる期間が無期限化されたことによって、長期投資を前提とした制度となっています。
これは米国株へのおすすめ投資スタンスと全く同じです。
国も長期投資を前提としての資産形成をすすめているのでこれに乗らない手はありません。
最後にもう一つ、大事なことをお伝えします。
投資は余剰資金でおこなってください。暴落に直面しても待てば回復します。
ですがそれをわかっていながら待てないのが一番残念なことです。
待つことができる資金で投資を行うことが絶対条件です。
緊急予備資金として少なくとも半年分の生活費、及び直近で支出が確定している資金については投資に回すべきではありません。
こういった類の資金はいつでも引き出しが可能な銀行口座へ置いておくことがベターでしょう。
緊急予備資金+支出が決まっているお金を別で置いておくことによって安心して米国株投資を続けることができるはずです。
当面使わない資金なので例え暴落がきても気長に回復を待つことができます。
長期的に資産を形成していくためにも余剰資金で投資をすることはとても重要です。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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