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年金生活者支援給付金は、2019年消費税が10%になった時にその引き上げ分を活用して始まりました。
年金や所得が少ない方などに対して生活支援を図ることを目的に、年金に上乗せして給付されます。
年金生活者支援給付金は、受給している基礎年金に応じて、
の3種類があります。
年金生活者支援給付金法に基づく給付で、令和5年度は以下のようになっています。
令和4年度(月額) | 令和5年度(月額) | |
老齢年金生活者支援給付金 | 5,020円 | 5,140円 |
障害年金生活者支援給付金 | 1級:6,275円 2級:5,020円 | 1級:6,425円 2級:5,140円 |
遺族年金生活者支援給付金 | 5,020円 | 5,140円 |
老齢年金生活者支援給付金の金額は、基準額(40年保険料を納付した場合)であり、実際の金額は保険料納付済期間や保険料免除期間等に応じて算出されます。
老齢基礎年金を受給している方は、以下の要件を全て満たしている場合に対象となります。
なお、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
老齢年金生活者給付金の金額は、定額ではなく、月額5,140円を基準として保険料納付済期間等に応じて計算し、以下の2つの式の合計額となります。
5,140円×保険料納付済期間/被保険者月数480月
11,041円×保険料免除期間/被保険者月数480月
(1)5,140円×240/480=2,570円
(2)11,041円×240/480=約5,521円
(1)と(2)を足して、約8,091円となります。
上記の計算式で疑問を持った人がいるかもしれません。
「40年保険料を納付した人は5,140円で、免除期間がある人の方が給付金が高くなるのはおかしい」
と。
実は、保険料を免除されている方は、もともと生活が苦しいと考えられているから高くなるのです。
給付金の目的が生活者支援と考えれば納得がいくのではないでしょうか。
なお、3の要件である所得が78万1,200円を超え、88万1,200円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
障害年金を受給している対象者には、障害年金生活者支援給付金が支給されます。以下の要件を満たしている方が対象です。
前年の所得には、障害基礎年金は含まれません。
給付額は、1級、2級とも定額となり、扶養親族等の数に応じて増額されます。
以下の支給要件を満たしている方が対象となります。
前年の所得には、遺族基礎年金は含まれません。給付額は定額となり、扶養親族等の数に応じて増額されます。
65歳になる3か月前に届く年金の請求書の中に、対象の方には年金生活者支援給付金の請求書が同封されています。
年金の請求書と一緒に年金事務所に提出します。
障害基礎年金や遺族基礎年金の受給を受ける方は、年金の請求をすると同時に年金生活者支援給付金の請求をします。
なお、この給付金の請求書が入っていなかった方は、対象ではないということになります。
年金生活者支援給付金は、1度請求を行えば以後の手続きは不要です。
支給要件を満たさなくなった場合は、日本年金機構から「不該当通知書」が送られてきます。
反対に前年度の所得額が低下して、年金生活者支援給付金の対象となった場合は、はがき版の請求書送られてきますので、それで請求をします。
どちらも市町村から所得情報等を得た日本年金機構が自動的に行いますので、該当非該当に対しては何もする必要はありません。
なお、給付額は、毎年物価の変動による改定があります。
なにかしらの事情で年金が少なくて生活が苦しい方のために、年金生活者支援給付金の制度があります。
対象となる方が自ら申し込むのではなく、日本年金機構が自動的に請求書を送ってきますので、それに必要事項を記載して送るだけです。
手続きは非常に簡単ですので、請求書が届いたら忘れずに手続きをするようにしましょう。(執筆者:特定社会保険労務士、1級FP技能士 菅田 芳恵)