大型連休も終わり、夏休みまでしばらく長いお休みもないこの季節。

人出の少ない時期や、平日休みのタイミングで人気の観光地をゆったり巡りたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一方、格安きっぷの定番「青春18きっぷ」は夏・冬・春の学生の長期休みの季節限定。

その他、地域ごとのフリーきっぷも土曜・休日限定となっているものが多く、交通費をどう抑えるかが悩ましいところです。

今日はそんな方にぜひ知っていただきたい「一筆書き切符」について紹介します。

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一筆書き切符とは?

乗車駅からルートを重複せずに複数の駅を経由して、「一筆書き」のように乗車駅へ戻る乗車券のことです。

例えば、東京から名古屋に行く場合。

通常は東海道新幹線の単純往復を利用する方が多いルートですが、ここをあえて片道を長野経由にして

  • 東京→長野(北陸新幹線利用)
  • 長野→名古屋(在来線特急)
  • 名古屋→東京(東海道新幹線利用)

というようにすると、ちょうど一筆書きになります。

JRの乗車券には遠距離逓減(ていげん)制というルールがあり、長距離になればなるほど1kmあたりの運賃が安くなる仕組みがあります。

特に601kmを超えると運賃が上がるペースが半分になり、東京〜名古屋間の運賃(特急料金を含まず)で比較すると

  • 東京〜名古屋 (単純往復) 1万2,760円
  • 東京〜長野〜名古屋〜東京 1万1,330円

となり、移動距離が長くなったにもかかわらず運賃が安くなる、という現象が発生します。

上記の例に特急料金を足した総額についても

  • 東京〜名古屋(単純往復・のぞみ利用)2万2,600円
  • 東京〜長野〜名古屋〜東京(かがやき・しなの[在来線特急]・のぞみ利用)2万1,990円

※通常期料金で計算

となり、距離も乗る列車の種類も増えるのにもかかわらず、総額は単純往復よりも安くなります。

営業キロが101km以上となる乗車券であれば途中下車も可能ですし、乗車券の有効期限についても、

営業キロ100kmまで200kmまで400kmまで600kmまで600km以上
有効期間1日2日3日4日200km増すごとに1日追加

となるので、複数の都市を周遊しながらゆったり旅行したい方におすすめです。

子ども料金の設定もあるので、電車好き・乗り物好きのお子様がいるご家族にもいいですね。

中学生以上の学生の分については、運賃部分は学割(2割引)との併用も可能です。

適用できる方がいる場合は、学校で「学生・生徒旅客運賃割引証」を忘れずに発行してもらいましょう。

フリーきっぷと異なるのは、あくまで片道切符であること。来た行程を戻ることができないことには注意してください。

一筆書き切符を使った、東京からのおすすめ旅行先

1. 秋田

  • 東京〜秋田(単純往復・こまち利用) 3万6,040円
  • 東京〜新潟〜秋田〜大宮[+大宮〜東京 ※](とき・いなほ・こまち利用)2万9,080円

復路の大宮〜東京間は経路が重なるため、在来線乗車券を別途購入

新潟を経由するルートの方が、単純往復と比べて6,000円以上もお得になります。

途中下車も可能なので、日本海側の各地でグルメを楽しみながらの旅行ができますね。

2. 金沢

  • 東京〜金沢(単純往復・はくたか利用) 2万8,760円
  • 東京〜金沢〜名古屋〜東京(はくたか・しらさぎ・のぞみ利用)2万6,490円

金沢に行く場合も、帰りに名古屋を経由する周遊きっぷにすることで、2,000円ほどお得になります。

きっぷ自体の購入は旅行当日でも可能

一筆書き切符は、経路については事前の下調べが必要ですが、きっぷ自体の購入は旅行当日でも可能です。

実際に購入する場合は、駅の「みどりの窓口」や、オペレーターとつながる「話せる指定席券売機」で、駅員さんと相談しながら購入するとよいでしょう。

複数の目的地を楽しめ、旅行の総額も安くなる一筆書き切符の旅、ぜひチャレンジしてみてください。(執筆者: 星澤 美衣)

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 【旅行当日購入OK】いつでもお得に旅できる「一筆書き切符」とは?活用ルートやおすすめの行先もご紹介