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鉄道での忘れ物は、駅で数日間保管されたのち、警察署に引き渡されるのが通常です。
しかし、一部鉄道会社では顧客サービス向上のため、自社保管を強化しています。
小田急電鉄では、駅で2~3日保管ののち、登戸駅近くの「お忘れ物総合取扱所」に忘れ物が集約されます。
営業時間は12時~20時で、年中無休です。
小田急線全線の忘れ物を集約し、3か月間保管します。
ただし傘の保管期間は2週間で、スマホなど個人情報などを含む一部の忘れ物は保管せず、多摩警察署に提出されます。
ここでは自動倉庫管理システムが導入されており、1日約800件にのぼる小田急の忘れ物をスムーズに検索できます。
自動倉庫管理システムが導入されているおかげで、利用者が忘れ物の保管状況を問い合わせることも簡単です。
電話はもちろん、小田急公式サイトや小田急アプリのチャット機能を使い、忘れ物の保管状況を問い合わせられます。
鉄道会社の努力もあり、小田急では3~4割の忘れ物が返還されます。
残りの忘れ物は警察署に引き渡され、一定期間ののち鉄道会社に引き渡されます(東京都の場合)。
これらの忘れ物は、資格を持ついくつかの業者によって競売にかけられ、最も高い金額を付けた業者が落札する仕組みです。
商品ごとに落札するのではなく、段ボール単位で1個1万円程度で落札するそうです。
箱の中身も分からない状態で落札するのですから、業者の方もイチかバチかですね。
落札した業者は自社店舗で販売する場合もありますが、ショッピングモールやデパートに出店して、「忘れ物市」を開催します。
一例として、昨年開催されたとある忘れ物市では、以下のようなものが販売されていました。
衣料品はサイズさえ合えば大変お安いですが、販売価格の安い商品だけでなく、以下のようなお高めな商品もあります。
鉄道の忘れ物ナンバーワンである傘は、忘れ物市でも多く販売されています。
昨年開催されたとある忘れ物市では50円から販売されており、ラルフローレンの傘は2,900円(通常価格1万円)でした。
傘に限らずクリーニング済みで、壊れた箇所は修理・補修されます。
ビニール傘は忘れ物として処理せず処分してしまうため、こちらは忘れ物市に登場しません。
ビニールではない傘も安く販売されていますから、そちらを買いましょう。
忘れ物市で現在注目なのが、電子機器や周辺機器です。
具体的にはモバイルバッテリーやUSBコード、そしてワイヤレスイヤホンなどです。
高級なワイヤレスイヤホンですと数万円はしますので、見つけたら即買いだそうですよ。
引き取られなかった鉄道の忘れ物は、忘れ物市で販売されることが多いです。
持ち主にさがし出されなかった忘れ物、少し哀愁がただよいますが、忘れ物市で第二の人生(物生?)をスタートさせられればいいですね。
それ以前に、まずは忘れ物をしないようにしましょう。(執筆者:キャッシュレス研究家 角野 達仁)
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