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【令和5年4/27開始】不要な土地を国に渡せる「相続土地国庫帰属制度」とは
国税庁が令和4年12月に発表した「令和3年分相続税の申告事績の概要」によると、令和3年分として提出された相続税の申告書は13万4,275件です。
令和2年分が12万0,372件でしたので1割以上増えており、近年では最も多い提出件数です。
相続税の申告件数が増加している要因の1つは、亡くなっている人が増加していることが考えられます。
令和3年分の対象期間中に亡くなった人は1,43万9,856人で、令和2年の1,37万2,755人よりも約7万人増加しています。
超高齢社会になっている日本では、亡くなる人の数はさらに増えていくことが予想されますので、相続税の申告件数も多くなる可能性が高いです。
相続税は、財産を相続した人全員が支払う税金ではありません。
亡くなった人の財産が基礎控除額以内に収まる場合、相続税は発生しませんし、申告手続きも原則不要です。
しかし、ここ数年は提出件数だけでなく、相続税の対象となる課税割合も増加傾向にあります。
平成27年に相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられた影響もあって、平成26年分に4.4%だった課税割合が、平成27年分には8.0%に激増しました。
その後も課税割合は基本的に右肩上がりで上昇しており、令和3年分の課税割合は9.3%です。
課税割合が高くなった要因の1つとして考えられるのが、株価の上昇です。
亡くなる人の多くは高齢者ですので、大きな収入源を持っている人は少なく、相続が発生する前に財産が急に増加することは考えにくいです。
一方で、日経平均株価が一時期3万円台に回復するなど上昇していますので、保有株式の株価が上がった方もいらっしゃると思います。
相続税額のある申告書における相続財産の⾦額の構成⽐では、令和2年分の有価証券の割合は14.8%だったのに対し、令和3年分の有価証券の割合は16.4%に増えています。
株価が上昇して財産が増えるのはうれしい反面、相続税の申告が必要な方は納税額が増えることを理解しておきましょう。
相続が発生しましたら、相続財産が相続税の基礎控除額以内に収まるかを確認してください。
<相続税の基礎控除額の計算式>
3,000万円+600万円×法定相続人の人数=相続税の基礎控除額
亡くなった人の相続財産が基礎控除額を超える場合、相続が発生した翌日から10か月以内に申告・納税手続きが必要となります。
財産の把握もれがあると相続税の申告が必要になるかの判定だけでなく、正確に相続税の計算を行うこともできませんので、相続がひと段落しましたら、すべての相続財産の所在を把握してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)
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