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プラスサムゲームという言葉はご存じでしょうか。
これは、参加者の得点の総和がプラスになるゲームのことをいいます。
誰かが誰かの得点を奪ってマイナスの人が出るわけではなく、全員がプラス、勝つ可能性があるゲームです。
投資に置き換えると全員の資産増加が見込める投資のことをいい、代表的な例として株式投資があげられます。
国や企業が成長すれば投資家全員でその利益を享受することができる、いわゆるwin-winの関係になるのが株式投資です。
もちろん株価の上がり下がりを狙って短期売買を繰り返すとマイナスになることもありますが、長期的に保有することによって株価の成長(利益を得る)を期待できるのが株式投資なのです。
初心者にも人気のつみたてNISAやiDeCoでは、株式をメインに組み入れている投資信託を買っている方がほとんどだと思います。
プラスサムゲームである株式投資です。
誰かの損失が誰かの利益につながるゼロサムゲーム(FXや仲間内の賭け事など)、期待値では全員が損失となるマイナスサムゲーム(宝くじ、競馬、パチンコなど)と違って、投資家全員が利益を得ることが可能なのです。
プラスサムゲームで大切なこと、それは続けることのみです。
フランスの経済学者トマ・ピケティが著書「21世紀の資本」で唱えたキーワードが「r >g」です。
常に資本からの収益は経済成長からの利益を上回っていることを表しています。
つまり、資産運用によって得られる利益は、労働によって得られる賃金よりもその成長が早いということです。
「裕福な人(資産を持っている人)はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」
のは有名な話です。
企業の利益が10%増加しても、残念ながら賃金は10%増加しません。
賃金の伸びよりも資本から得られる利益の方が大きいのは、いつの時代も同じです。
過去の株式相場(米国)がずっと伸び続けているのは、過去の歴史が証明しています。
また、賃金の伸びはインフレにも勝てません。
賃金はほとんど伸びていないにも関わらず、物価は大きく上昇しています。
これは実質的には賃金が下がっているのと同義です。
もちろんこのインフレ率がずっと続くわけではないでしょうが、実質的なお金の価値が落ちていることは事実であり、これは投資をしないことのデメリットでもあります。
「貯蓄から投資へ」をスローガンに、国も投資を認め、推奨しています。
国が推奨しているからこそNISAやiDeCoといった非課税制度が存在しているのです。
本来かかるはずの税金がかからない制度なので、どう考えても利用する方がお得な制度です。
特に現行のつみたてNISA、2024年から始まる新 NISAの積立投資枠で購入できる商品は国もOKを出した投資信託のみです。
ぼったくり投資信託には投資できない形になっていますので、こういった制度からなら安心して始めることができるのではないでしょうか。
また、私たちが収めている年金も資産運用で利益を得ていることをご存知でしょうか。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も現役世代が収めた年金をただプール(保管)しているだけではなく、株式、債券といった資産へ投資しています。
そしてその運用から大きな利益を出しています。
≪画像元:年金積立金管理運用独立行政法人≫
注目するべきなのはGPIFでも、運用開始早々はマイナスとなることもありました。
始めてすぐの頃は少し相場が下落しただけで、資産がマイナスになってしまうのです。
対して、長期で続ければ続けるほど資産がマイナスになる可能性は少なくなります。
リーマンショック(2008年)やコロナショック(2019年)でもプラスを維持しています。
運用を始めたばかりで含み損を抱えている方も、決して運用が下手なわけではありません。
始めたばかりのプラスマイナスは相場の動き次第です。
国でもマイナスになるのです。
皆さんがマイナスになっても当然です。
とポジティブに向き合うことが大切です。
今のような低迷している相場の時ほど、積立投資にとっては有利です。
安い価格でできるだけ多く仕込んでおけばおくほど、将来の値上がりに伴う利益も大きくなります。
不安定、下落相場ほど投資を始めるチャンスなのです。
もちろん上がり続ける相場で積立投資をしても、利益を手にすることができます。
上がっても下がっても利益を得ることができる投資、それが積立投資です。
投資で失敗しても人生が終わるわけではありません。
例え失敗しても経験や知識が増えています。
それを活かせばいいだけの話です。
何もしないで人生が豊かになることはありません。
人生を豊かにするためには、行動するしかありません。
他人は自分の人生を豊かにはしてくれません。
自分の人生は自分で豊かにするしかありません。
行動あるのみです。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)