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【年金額改定】令和5年度の老齢基礎年金の満額は、人によって違う?
そこで、標準報酬月額と賞与(直近1年間に受けたもので月額に換算する)、年金月額を合計し、一定の額を超えてしまう場合は老齢厚生年金(報酬比例部分)を全部または一部支給停止する仕組みです。
「支給停止」と言われますが、その時に停止された年金については、その後に報酬が下がったからといってその後支給されるわけではありません。
よって、「カット」と表現した方が誤認識を与えずに済むとも言えます。
なお、「一定の額」とは2022年4月に法改正が行われ、これまで28万円であったのが47万円に改正されています。
これは言うまでもなく、年金受給者にとっては制度が「緩和」されたこととなり、旧来、28万円を超えてしまうと超えた部分の半分の年金をカットされていましたが、47万円まではカットされなくなったということです。
これまで在職老齢年金制度での年金カットを危惧し、働く時間を調整する動きがみられていました。
例えば60歳定年度に再雇用を希望するものの、正社員と同等の労働時間で働いてしまうと、せっかく受給できるはずの年金がカットされてしまうため、就労意欲がわかないといったことです。
もちろん、厚生年金保険料は社会保険料の中でも突出して高額であり、それが、長く働いたことをもって受給開始後の年金がカットされてしまうのは納得できないといった声がありました。
会社目線でも特に、慢性的な人手不足となっている場合、このことを理由に必要な人員が確保できないことは(本人の気持ちを汲むと)理解せざるを得ない部分でした。
しかし、法改正によって、カットされるラインが28万円から47万円に上昇したことで、あえて労働時間を短くする必要性が乏しくなったということです。
働き方改革施行後は、まだ全ての企業にまで浸透しているとは言えませんが、副業兼業の事実上容認も進んでいます。
例えば正社員(再雇用後の職員も含む)については、副業兼業は禁止としていた企業であっても、同業他社の動きを勘案し「許可制」とするケースも増えています。
そこで、
「副業収入も、在職老齢年金制度のカットの対象となる報酬に含まれるのか」
という疑問も出てくるはずです。
結論として、副業兼業先で社会保険に加入していない場合は、含まれることはありません。
含まれる報酬とは、社会保険に加入している事業所の報酬に限定されます。
ただし注意点として、契約上は月々の報酬と年金額を合算しても47万円は超えることはないのに、年金がカットされたとった相談があります。
1つ考えられるのは、決算賞与が出た場合です。
賞与支給後は会社が賞与支払報告を行うこととなっており、年金事務所で同届を受理し、その後、場合によっては47万円を超えてしまい、カットされるということは起こり得ます。
在職老齢年金制度は、1階部分である国民年金には何ら影響がありません。
また、遺族や障害年金も対象とはなりません。
あくまで2階部分である、厚生年金から支給される老齢厚生年金のみが対象となる制度です。
また、65歳以降も65歳未満と同様にカットの水準は「47」万円となります。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)
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