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返済中の住宅ローン変動金利が「1%」上昇したら返済額はどのくらい増えるか
50歳前後という年齢は、これからの人生の岐路の年齢だと思います。
40歳代にビジネスの最前線を駆け抜けてきて、会社員なら役員にステップアップする人もいれば、最前線から関連会社への出向や花形部署から外れていく人もいるでしょう。
これまでの人生経験を活かして、起業を目論む人もいるかもしれません。
いずれにしてもこれからの働き方を漠然とではなく、具体的に考えてみることをおすすめします。
理由は、退職後の家計シミュレーションをよりシビアに検討するためです。
30歳代なら漠然と、「10年後にはこれくらいの収入になっているかも」で計画を進めても、途中で軌道修正することも可能だと思いますが、50歳前後はこれまでの収入を確保し続けられるのも限られた期間となる可能性があるため、失敗は許されません。
具体的には
これらは現状把握です。
特に退職金制度と年金見込額をしっかり把握されることを、おすすめします。
老後の生活を支える原資になるものです。
ここを大きく見誤ると目論見が崩れることになります。
可能な限り、退職金規定なども入手して、ご自身で理解することが望ましいです。
この現状を踏まえ、家計シミュレーションソフト(インターネットに無料でつかるものがあります)やエクセルを使って、これからの家計をシミュレーションしてみましょう。まず問題点があるなら、洗い出してみましょう。
正直、見たくもない現実を見るかもしれません。
でもまだ現役で働ける期間が残っているので、改善策を考える余地もあるので、つらくても直視しましょう。
現状把握し、シミュレーションを通して、
を検討しましょう。
特に住宅ローンを借りる場合、毎月の返済額がいくらになるかも重要ですが、定年退職年齢でのローン残高がいくらになるのか?を必ず確認しましょう。
金融機関も定年退職年齢を超えて返済が残る計画の場合、審査の過程で定年退職時のローン残高の額をチェックしています。
「退職後の返済方法をどう考えているのか?」
と質問がくることもあります。
実際に家計シミュレーションをして、定年退職時に想定される貯蓄額がローン残高を上回るのなら、完済はできます。
しかし、その先の生活では貯蓄額がない状態では、生活が苦しくなる可能性が高くなります。
かといって、年金収入から返済を継続するつもりなら、十分な年金額があるのか?ということはとても重要になります。
ご相談に来られるアラフィフご夫婦の場合、それなりに貯蓄額をお持ちのケースも少なくありません。
でも、お子さんの教育費がこれからMAXを迎えるタイミングのケースもあります。
勤務先により違いますが、55歳頃に役職定年で収入が下がり、60歳以降はさらに収入が下がる場合、マイホーム購入前提のシミュレーションをするとお子さんの教育費で貯蓄額は大きく目減りし、収入も下がっているので、下がった貯蓄額を盛り返せないまま退職を迎える結果になるケースがあります。
退職金がたくさん見込める企業にお勤めならまだシミュレーション上は一時的な貯蓄額減少で済みますが、そうでない場合、老後の生活にも響いてきます。
そうなるとマイホーム予算の見直しも必要になってきます。
予算の見直しで可能性が見いだせるなら、まだ良いかもしれません。
マイホーム購入自体を諦めなければいけないケースも出てくると思います。
ご主人がアラフィフでも年齢差があり、奥さんが若いご夫婦のご相談もあります。
この場合、ご主人がお子さんの大学卒業と同時に定年退職を迎えるような年齢のことがあります。
家計シミュレーションをしているとお子さんが大学卒業後、教育費の負担が減った定年退職までの数年で貯蓄額を盛り返すケースも少なくありません。
ところが定年退職とお子さんの独立のタイミングが近いと、貯蓄額盛り返しのタイミングがないままとなります。
そんなケースの場合も奥さんと年齢差があり、奥さんがまだ働ける年齢の場合、家計的にはご主人の年金と奥さんの収入の二馬力でやりくりできるケースもあります。
そんなことも、前述した現状把握とシミュレーションから見えてきます。
アラフィフでのマイホーム購入は、このように人生設計を真剣に検討することがとても重要です。
物件情報に目が行き、連休にはモデルハウスめぐりをしてしまう気持ちもわかりますが、ぜひ、アラフィフでマイホーム購入を検討する場合、人生設計をより真剣に検討してみてください。(執筆者:佐藤 陽)
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