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免許返納の詳細については、運転免許センター等で行うことができます。
運転免許を返納すると身分証明書がなくなって困るという高齢の方もいますが「運転経歴証明書」を発行してもらうことができます。
「運転経歴証明書」は、公的な本人確認書類として、運転免許の代わりに利用することができます。
参照:警視庁 運転経歴証明書について
東京都で、運転免許の自主返納と合わせて運転経歴証明書の交付申請をする場合を見ていきます。
免許返納の申請場所は、運転免許試験場や運転免許センター、警察署で行うことができます。
代理人による申請も可能ですが、代理人の場合は委任状が必要です。
1,100円
運転免許証
申請用写真 1枚
参照:警視庁 運転免許の自主返納・運転経歴証明書の各種手続
運転経歴証明書を所持することで、特典を受けることができます。
東京都の場合ですが、運転経歴証明書による特典を受けられる年齢が設定されおり、原則として65歳以上の高齢者が対象となります。
東京都の特典例は次のような内容になっています。
・ タクシー乗車料金10%割引
・ 路線バスに一年間乗り放題定期を無料贈呈
・ スズキセニアカー・電動カート割引
・ 交通系だけではなくデパートやスーパーでのサービスもあり
参照:高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業(pdf)
運転経歴証明書は公的な身分証明書になりますので、身分証明書がなくなる点は解消できます。
また、自宅や外出先が路線バスの停留所に近い方などは、路線バスの特典で、遠出が可能です。
自家用車を手放すことで、ガソリン代や保険料、車検費用がかからなくなります。
遠方への外出の機会が少ない、徒歩で出かけられる場所が生活圏内などの方は、バスやタクシーを利用した方が、生活費が安くなる可能性が高いです。
路線バスなどの移動手段が近くにない、荷物を持って歩くのが大変な方という場合には、電動カートや電動アシスト付き歩行器等がおすすめです。
電動カートとは、バッテリーを搭載し電気で動く、4輪や3輪の1人用の乗り物です。
一般的には、シニアカー・セニアカーの名前で知られています。
電動カートは、道路交通法では歩行者として扱われます。
歩道がある道路では歩道を通行し、無い道路では自転車等に注意して道路の右端を通行します。
電動カートとはいえ、歩行者に接触してケガをさせてしまう場合やガードレールなどに接触して壊してしまう場合があります。
万が一の場合に備えて、任意保険に入っておくことをおすすめします。
電動カートを購入する場合、次のような相場になります。
新車:22万円~41万
中古車:10万円~17万円
≪画像元:げんき工房(新車販売)≫
参照:げんき工房 中古車販売
中古品を購入する際には、バッテリーが劣化していないか注意する必要があります。
そのほか、電動カートは介護保険でも1~3割でレンタルすることができます。
レンタル料金は、機種や福祉用具貸与事業所によって異なります。
介護保険では電動カートは車いすの種目に入っている為、原則的に要介護2の方からレンタルが可能ということになっています。
要支援1~介護1の方が電動カートをレンタルするには、認定調査で「歩行」の項目が「できない」になっているか、ケアマネージャーによる「軽度者申請」必要になります。
参照:練馬区 軽度者の福祉用具に係る確認申請(軽度者申請)
セントケアホールディング株式会社 レンタルカタログ(pdf)はこちら
電動アシスト付き歩行器とは、バッテリ―を搭載し、歩行を電動アシスト機能でサポートしてくれる歩行器です。
上り坂では楽に登れるようサポートし、下り坂では自動でブレーキが利きます。
買い物かごも付いている為、普段の近所への買い物や散歩に活躍します。
また、急発進防止機能も付いています。
坂道でのアシストもある為、坂道を上るのが大変だから、自家用車を手放せないと思っている方にもピッタリです。
≪画像元:RT.ワークス≫
メーカー直販価格で、13万3,800円になります。
また、歩行器として介護保険で借りることもできます。
その際のレンタル料金は、福祉用具貸与事業所によって異なります。
参照:セントケアホールディング株式会社 レンタルカタログ(pdf)はこちら
今回は、運転免許証の返納とその後の移動手段についてご紹介しました。
簡単に運転免許を返納してくださいと言われても、高齢の方にとって免許を手放すことは、できなくなることが1つ増えて、自分の無力感を感じてしまう出来事のようです。
免許返納のお話を持ち出す際には、相手の気持ちを尊重しつつ、進めていくことが大切です。
是非話し合いの中で、今回ご紹介した、運転経歴証明書や免許返納後の特典、電動カートや電動アシスト付き歩行器のことを伝えてみてください。
大切な運転免許証を返納しても、いろいろな方法で車がない不便を解消できるという状況を知ることで、運転免許証の返納に応じてくれることでしょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)