キャンドゥやダイソー、そしてセリアなどの100均で、名画が描かれたグッズをみかけるようになりました。

アニメやマンガのキャラクターが描かれたグッズは、著作権料がかかる割高な商品が多いです。

「なぜゴッホやモネなどのグッズが、100円で買えるのか?」

と不思議に思ったことはないでしょうか。

今回は美大卒でゴッホが大好きな筆者が、100円で買える理由と、知ればもっと好きになるグッズの作品解説をします。

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ゴッホやモネのグッズが100円で買える理由

著作権がある作品を使ってなにかを作るときには、著作権をもっている人に使用料を支払います。

例えば、筆者が描いた絵を商品化したい人がいれば、無断で作品を使うことはできません。

著作権侵害になります。

しかし、筆者の許諾を得てライセンス契約をすれば、商品化できます。

そのときに発生する料金が使用料(ライセンス料)です。

製造された商品には、商品の材料費だけでなく使用料が上乗せされるため、アニメやマンガのキャラクターが描かれた商品は割高になるのです。

もちろん名画にも著作権があります。

しかし、著作権が保護される保護期間は著作者がこの世を去ってから70年間です。

つまり、ゴッホは1890年7月にこの世を去ったため、すでに132年が経過し、著作権の保護期間は過ぎています。

著作権に保護期間が設けられている目的は「社会全体の共有財産として自由に利用できるようにするため」です。

つまり、有名なゴッホやモネの作品は世界の共有財産として扱われているため、グッズには高額な使用料が上乗せされることなく、100円で買えるのです。

参照:文化庁 著作物等の保護期間の延長に関するQ&A

キャンドゥでみつけた! ミュージアムショップに勝るとも劣らないグッズ3選

ゴッホやモネの作品は、誰もが知っている有名な作品であり、作品がプリントされているだけで芸術的な高級感があります。

しかし美術館に併設されているミュージアムショップで売っているものは、高額なものが多くなかなか買えません。

ここからは、モネやゴッホのグッズが豊富なキャンドゥでみつけた、筆者おすすめのグッズ3つを紹介します。

また、グッズに描かれている作品についても解説します。

1. ミュージアムシリーズ「ゴッホのデザインペーパー」12枚入り110円(税込み)

キャンドゥやダイソーなどの100均では、ゴッホの作品が描かれたグッズがたくさん販売されています。

ただ、いくつかの商品は、作品の一部が切り取られたようにプリントされているため、作品の魅力が伝わりにくくなっているものもあるようです。

筆者がおすすめするグッズは「ゴッホのデザインペーパー」です。

3種類の絵柄が入っていますが、中でも有名な作品は「星月夜」です。

「星月夜」は、1889年6月に描かれた作品で、現在はニューヨーク近代美術館にあります。

このころのゴッホは、精神状態が悪くサン・レミ(フランスの都市名)の病院に入院していました。

入院中は、病室以外にアトリエも用意され、好きな絵を自由に描くことができました。

病院の周辺には糸杉という独特なシルエットをもつ杉の木が生えていて、ゴッホは糸杉を好んで描いていたのです。

その中の1枚が「星月夜」です。

作品に描かれている風景は、ゴッホの空想という説もありますが、描かれているアヴィニヨン様式の尖塔がある建物はサン・レミの街に実在していました。

「星月夜」は、ゴッホが閉ざされた病院の中で、好きなものや景色を集めて描いた作品なのかもしれません。

デザインペーパーは、シールではなく折り紙のような紙です。

折り紙より厚手のため、箱を折ってお菓子入れに使うとステキです。

3.「ゴッホのジッパーバッグ」6枚入り110円(税込み)

ゴッホのジッパーバッグには、代表作「ひまわり」がプリントされています。

絵の具の盛り上がりや筆づかいがわかる画集と比べるとかなり違った印象ですが、ゴッホを語る上では避けて通れない作品です。

ゴッホの「ひまわり」は、友人である画家のゴーギャンのために描かれた作品です。

ゴーギャンと共同生活を送ることを楽しみにしていたゴッホは、ゴーギャンを迎える部屋の壁にひまわりの絵を飾ったのです。

共同生活の結末は悲しいものでしたが「ひまわり」からは、未来の生活に期待している明るさが伝わってきます。

ジッパーバッグは、直接食品を入れることができます。

春の新生活で出会った友達に、お菓子を入れてプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

3. 世界名画ファイル「モネのクリアファイル」1枚110円(税込み)

モネの「日傘をさす女」が大きくプリントされたクリアファイルです。

「日傘をさす女」は、1875年に描かれました。

作品に描かれている女性は、モネの妻カミーユです。

後ろに立っている男の子はモネとカミーユの子どもです。

カミーユは、モネよりもずっと早くに病気でこの世を去ります。

モネは、カミーユの最期の瞬間を絵に描いています。

筆者は「こんなときにまで描かなくても」と思いますが、モネにとっては大切なことだったのかもしれません。

そしてモネは再婚します。

新しい妻も絵に描いていますが、カミーユのように顔をはっきりと描き込まず、見方によってはカミーユにもみえる描き方です。

「日傘をさす女」は、モネが愛するカミーユと子を描いた作品です。

このクリアファイルには、家族の大切な資料や写真を入れると良いのではないでしょうか。

100円でアートの雰囲気を味わえる

ゴッホやモネの作品は、知名度があり色彩豊かな高級感があります。

ミュージアムショップならば、デザインペーパーもジッパーバッグも1,000円以上の値札が付いていても不思議ではありません。

ゴッホが好きな筆者からみれば、ライセンスの使用料がなくなるだけで100円の価値になるとは思えませんが、100円でアートの雰囲気が買えることは、信じられないくらいにうれしいことです。(執筆者:美大卒 式部 順子)

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 【100均】ゴッホやモネのグッズが100円で買える理由は?使用作品についても美大卒が解説します