産前産後の期間は、会社員の方であれば産前6週間(双子以上の場合は14週間)、産後8週間の産前産後休暇を取得できます。

自営業の方は、会社員と異なり産前産後休暇はありませんが、健康のことを考えれば産前産後の期間は休んだり、仕事をセーブしたりした方がよいでしょう。

このような産前産後の期間については、国民年金や厚生年金保険の保険料が免除される制度があります。

今回は、産前産後の年金保険料免除について分かりやすく解説していきます。

年金事務所への請求手続きとは別に請求手続きが必要となる「厚生年金基金」とは

1. 厚生年金保険料の免除

会社員などの厚生年金保険の被保険者が産前産後休業を取得した場合、事業主が申請することにより産前産後休業期間中の厚生年金保険料と健康保険料が免除されます

厚生年金保険料と健康保険料の免除対象者は、産前産後休業期間が終了した被保険者です。

この場合の産前産後休業期間とは、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)産後56日のうち、妊娠または出産のために労務に従事しなかった期間になります。

保険料が免除される期間は、産前産後休業開始月から終了予定日の翌日の属する月の前月までです。

ただし、産前産後休業終了予定日が月末日の場合の保険料が免除される期間は、産前産後休業終了月までです。

厚生年金保険料と健康保険料の免除は、被保険者の負担分だけでなく、事業主の負担分も免除されます。

また、厚生年金保険料と健康保険料の免除は、産前産後休業期間中の給与が有給、無給であるかは問いません。

この保険料免除期間であっても被保険者資格に変更はないため、将来の年金受給額を算出する場合には保険料を納めた期間として計算されます

2. 国民年金保険料の免除

自営業の方など国民年金第1号被保険者の産前産後期間の国民年金保険料の免除は、次世代育成支援の観点から厚生年金保険被保険者の免除より遅れて2019年4月から始まりました。

国民年金保険料が免除される期間は、出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間の国民年金保険料です。

多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3か月前から6か月間の国民年金保険料が免除されます。

この免除期間中であっても、付加保険料を納付できます。

この保険料免除期間であっても、国民年金保険料を納付したものとして、老齢基礎年金の受給額に反映できます。

国民年金の第1号被保険者は自分で手続きをしましょう

このように、国民年金の第1号被保険者や、厚生年金保険の被保険者は、産前産後の期間について保険料が免除されます。

厚生年金保険の被保険者は事業主が手続きをしてくれますが、国民年金の第1号被保険者は自分で手続きをしなければなりませんので注意が必要です。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 産前産後の年金保険料免除について