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昨年10月に「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の実施が決定されました。
この事業では、2023年1月~9月使用分の電気料金・都市ガス料金に対して国が支援を行います。
一般家庭に対しての支援額は、以下のとおりです。
電気とガスそれぞれの使用量に応じて支援されます。
・ 電気代:1kWhあたり7円(9月使用分は3.5円)
・ 都市ガス代:1立方メートルあたり30円(9月使用分は15円)
≪画像元:経済産業省≫
これだけではイメージしにくいので、実際にどれくらいの支援額になるのか、資源エネルギー庁による標準世帯の負担軽減金額を見てみましょう。
・ 電気代:標準世帯でひと月に2,800円の負担軽減
・ 都市ガス代:標準世帯でひと月に900円の負担軽減
標準的な家庭だと、電気とガス合わせてひと月におよそ4,000円弱の支援が受けられるようです。
9か月分となると合計で約3万円以上の負担軽減が期待できます。
自分の家で受けられる支援の具体的な金額の目安を計算することも可能です。
前月の電気やガス使用量を使って計算してみてください。
たとえばわが家の12月電気使用量は266kWhでした。
1kWhあたり7円の支援ですから、計算式は266×7=1,862です。
同じくらい電気を使った場合、ひと月に約1,800円の支援を受けられる計算です。
同じようにガス料金も計算してみます。
12月のガス使用量は17.4立方メートルだったので、計算式は17.4×30=522です。
わが家の場合、ひと月だいたい500円程度の支援が受けられるとわかりました。
まだ何も手続きしていない!と焦る必要はありません。
電力会社やガス会社を通じて、私たちは何もせず自動的に支援を受けられます。
電力や都市ガスの各企業が国に補助金の申請をします。
それぞれの企業に国から値引きの原資が送られ、一般家庭にはすでに値引きされた料金が請求される仕組みです。
≪画像元:経済産業省≫
私たちは、
・ 利用している電気・都市ガス会社が事業に参加しているか
・ 1月利用分(2月検針分)の明細に補助金適用について書かれているか
を確認するだけです。
たとえば東京電力では、燃料費調整単価について緩和措置反映後の金額が明記されていました。
≪画像元:東京電力エナジーパートナー 2023年2月分電気料金の燃料費調整について≫
残念ながら、今回の負担緩和策ではプロパンガスは対象外です。
しかし、プロパンガスは一般的に都市ガスよりも高いのが特徴です。
プロパンガスの負担も家計に大きく響くと実感している方も多いでしょう。
そこで、今からできるプロパンガスの節約方法を紹介します。
戸建て住宅の場合、契約しているガス会社を見直すことで料金を抑えられる可能性があります。
ふだんなかなか見直す機会がないですが、これを機にいちど検討してみてください。
「エネチェンジ」など電気・ガスの見直しサイトを利用すると、簡単にガス会社の料金比較ができます。
集合住宅に住んでいて自由にガス会社の見直しができない人や、戸建て住宅でもガス会社はそのまま利用したい人はガスの使い方を見直します。
ガスを利用する場所は、大きく分けて台所と浴室の2か所です。
それぞれにできることからはじめてみてください。
習慣化すると、労力をかけずに自然とガス代節約ができます。
健康を害さないよう、無理のない範囲で行ってください。
・ 鍋の底の水滴をふきとってからコンロにかける
・ 炎がなべ底からはみ出さないように調節する
・ 電気調理器具を導入する
・ 保温調理(余熱調理)を取り入れる
調理時に余計なガスを使わないようにするのがポイントです。
ガスコンロだけに頼らず、電気を使って調理する方法も取り入れると節約につながります。
電気圧力鍋などを使うと調理の手間を省くこともできますし、すでに家庭にある炊飯器だけで作れるメニューに挑戦してみるのも一案です。
その他、台所でのガス代節約術に関してはこちらの記事でも解説しています。
・ 家族が続けて入浴する
・ お風呂のフタや保温シートをこまめに活用する
・ 節水タイプのシャワーヘッドに交換する
浴室で気を付けたいポイントは、お風呂の追い炊きとシャワーの使い過ぎです。
2時間の放置により4.5℃冷めたお湯(200リットル)を追い炊きすると、年間で約6,190円かかります(経済産業省 省エネポータルサイトより)。
家族が続けてお風呂に入ったり、フタや保温シートを活用したりすると、追い炊きの回数を減らす工夫ができるでしょう。
ついシャワーのお湯を流しっぱなしにしてしまう人には、節水タイプのシャワーヘッドに交換するのが効果的です。
湯量を少なくできるほか、手元のボタンで一時的にお湯を止められ、使い過ぎを防げます。
冬のガス代節約について、こちらの記事でも紹介しているのでご覧ください。
1月から9月にかけて、電気・都市ガス料金の支援が自動的に受けられるのはうれしい限りです。
明細をチェックして、負担が減っていることを確認してください。
電気・ガスともに支援が受けられる家庭でも、プロパンガス利用で電気代のみ支援が受けられる家庭でも、使用量を減らして光熱費を抑えることが家計へのダメージを少なくすることに変わりはありません。
使い方を見直して、さらなる光熱費削減を叶えてください。
注意したいのは、光熱費の節約はやりすぎると体調を崩す原因にもなるということ。
適切な範囲でできるだけの削減を心がけたいです。(執筆者:元銀行員、FP2級 福島 怜実)
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