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1つ目は、鶏むね肉を叩いてやわらかくする方法です。
やり方は簡単で、とにかく何かで叩くだけ。
肉の繊維を断ち切って、硬さを和らげることが目的です。
「肉叩き」という専門の道具もありますが、麺棒や包丁の背でも代用できます。
家にあるものを利用できるので、下処理にかかる費用は0円です。
調味料を使用しないから、余分な下味が付かないのもメリットでしょう。
どんな料理の前に施しても、調理の邪魔になりません。
鶏むね肉だけでなく豚肉や牛肉にも使える下処理法で、肉が薄くなるまで叩いて伸ばすことがポイントです。
そのため、叩く前より肉が大きく見えるという視覚的にお得な効果も得られます。
ただ、叩くだけの下処理法では、鶏むね肉のパサつきは完全には解消できません。
この方法は、ほかの下処理方法と併せて行うのがおすすめです。
先に鶏むね肉を叩いておくことで、その効果を倍増させられます。
2つ目は、鶏むね肉をブライン液に漬け込む方法です。
ブライン液とは、塩と砂糖を溶かした水のこと。
塩には肉の中の水分を閉じこめる作用があり、砂糖にはその作用を促進する働きがあるそうです。
そのため、ブライン液に漬け込んだ鶏むね肉は、しっとりジューシーに仕上がります。
・材料(鶏むね肉1枚分)
水 100g
砂糖 小さじ2分の1
塩 小さじ2分の1
(1) 材料をすべて食品保存袋に入れて混ぜる
(2) 鶏もも肉を入れてしっかりもみこむ
(3) 冷蔵庫で1時間以上寝かせる
鶏むね肉は丸ごと漬け込んでもかまいません。
使いやすいサイズにそぎ切りしてから漬け込むと、よりやわらかく仕上がります。
塩味と砂糖の甘みが下味としても浸透するため、焼いたり揚げたりのメニューにおすすめです。
たとえば、チキンソテーや唐揚げ、蒸し鶏など。
調理前に水洗いしたり拭き取ったりといった手間はいらず、袋から出してそのまま使用できます。
塩を多く入れすぎると、余計にパサついてしまうことがありますのでご注意ください。
鶏むね肉だけでなく、豚肉や牛肉にもおすすめの下処理法です。
マヨネーズにも、鶏むね肉をやわらかくする作用があります。
鶏むね肉1枚に対して大さじ3杯のマヨネーズをもみこみ、10分以上寝かせましょう。
このひと手間を加えるだけで、パサつきがちな鶏むね肉はジューシーかつ旨み深いおいしい食材に変身します。
マヨネーズの代名詞ともいえる、キユーピーの企業サイトによると
”マヨネーズに漬け込んで焼くことで、パサつきが抑えられてやわらかくジューシーになることや、10分間の漬け込みで効果があり、その時間が長いほどやわらかくなる傾向”
があり、
”食感の改善にはマヨネーズの乳化が寄与しており、植物油の影響が大きい”
とのことです。
公式サイトでの研究では、肉重量に対して12%のマヨネーズが使用されています。
鶏むね肉1枚を約300g~350gとすると、12%は36~42gです。
鶏むね肉1枚あたり大さじ2杯強~3杯のマヨネーズが適量といえるでしょう。
この処理法がおすすめなのは、唐揚げやピカタ、チキンカツなどです。
中でもチキンカツに使用すれば、バッター液代わりになるというメリットもあります。
その場合は、塩コショウや生姜、ニンニクなどを一緒にもみこんでおきましょう。
パン粉をまぶして揚げるだけで、ふんわりサクサクのチキンカツが味わえます。
最後に紹介するのは、片栗粉をもみこんでおく方法です。
片栗粉がカバーとなって、肉汁を閉じ込めてくれます。
鶏むね肉は丸ごとではなく、カットしておくほうが良いでしょう。
鶏むね肉1枚を使いやすいサイズにそぎ切りし、大さじ1杯程度の酒と片栗粉をもみこみます。
10~15分放置してから、調理に使用してください。
この処理法が適しているのは、カレーやシチューといった煮込み料理です。
筆者はけんちん汁やちゃんこ鍋にも使ってみましたが、片栗粉効果でとろみもついて、いつもよりおいしく食べられました。
また、片栗粉と小麦粉を追加でまぶし、唐揚げにするのもおすすめです。
その場合は塩コショウやしょうゆ、ニンニクなどを一緒にもみこんでおきましょう。
鶏むね肉はもも肉の7割ほどの価格で購入できます。
下処理をうまく行えば、鶏もも肉と大差ないほどおいしく調理できます。
作る料理に合わせて下処理法を選べば、鶏むね肉のおいしさを最大限に引き出せます。
低価格な鶏むね肉を鶏もも肉に置き換えて、食費削減に大きく役立てましょう。(執筆者: 桧山 あい)
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