- 週間ランキング
「米国株式の低迷は今後10年間続く」とみる理由 積立投資家はどうとらえるべきか?
高配当株投資はその名の通り高い配当を出す企業の株式を買う投資です。
高配当企業の株式を保有しておくだけで定期的に配当金を受け取ることができるのがその特徴で、いわゆる「不労所得」が得られる投資として人気となっています。
高配当株を買い増しし続けることによって最低限の生活費を配当金からまかなうことができれば日々の暮らしにもかなり余裕が出てきます。
巷で人気のFIRE(経済的自立・早期リタイア)もグッと近づくとあって多くの投資家が高配当株投資を実践しています。
ですが高配当株投資にもメリット・デメリットがあり、しっかりと把握した上で投資をしないと思わぬ落とし穴にはまる可能性もあります。
これから高配当株投資を始めたい方には知っておいていただきたい特徴、そしてすでに高配当株投資を実践している方には復習の意味も込めて解説したいと思います。
メリット1つ目ですが、その値動きに特徴があります。
高配当株といわれる企業の株価は成長株と比較して値動きが安定しているという特徴があります。
指数と比較してもその特徴は顕著で、日本の高配当株なら日経平均、米国の高配当株ならS&P500といった指数と比較してもその値動きは小さい傾向にあります。
つまり日経平均などの指数が大きく下落したとしても、高配当株の下落幅はそこまで大きくないということが往々にしてあり、暴落時にも不安にならずに保有していられるという安心感があります。
ですが完全に下がらないというわけではなく、あくまでも比較的安定しているということですので、高配当株投資においても銘柄分散が大切になってくることは変わりありません。
メリット2つ目は底値が限定的という点です。
高配当株は配当が出るため、株価が下がれば下がるほど配当利回りが高くなり、逆に買われるという傾向があります。
例えば株価が1,000円で配当金が30円の場合、配当利回りは3%となります。
この株が下落して株価が500円になると配当利回りが6%と高くなり、多くの投資家が「買い」の判断をすることになります。
もちろん業績が悪く配当利回りだけが高い企業の株はこの限りではありませんが、通常人気の高配当株については底値が限定的となることがほとんどです。
3つ目は配当金を受け取ることにより不労所得が得られ、キャッシュフローが安定する点にあります。
配当金は株式を保有しておくだけで得られるお金です。
働かざるとも得られる所得としてまさに不労所得といえるでしょう。
また、大きく変動する指数などの株価と違って安定しているのが高配当株の特徴です。
配当金についてもなるべく維持しようと各企業は努力していますので、入ってくる金額が読みやすく、キャッシュフローが安定するという点も魅力的です。
特にコカ・コーラやP&G、スリーエムなどに代表される米国の連続増配企業はリーマンショックやコロナショック時においても増配を続けています。
世界的に株価が暴落するような時でも配当金を下げるどころか増やし続けている企業が多数あることは驚きです。
高配当株のデメリットとしてまずは大きな株価上昇が見込めないという点があげられます。
先に下落局面に強いことは解説しましたが、逆に指数などが大きく上昇している時でも高配当株の値上がりは限定的となり、大きなキャピタルゲイン(売却益)は見込めないという特徴を持っています。
高配当株といわれる企業はそのほとんどが業績が安定している企業です。
そして事業拡大を通じて成長していくというよりは配当金を出すことによって株主に還元していくというスタイルなので、株価の大きな値上がりも期待できません。
知っておいていただきたい2つ目のデメリットが配当金にも課税されるという点です。
インデックスファンドなどの積立投資をしている場合は売却するまで税金はかかりません。
ですが高配当株投資については配当金を受け取るたびに約20%(米国株の場合は約30%)の税金がかかります。
配当金を受け取るたびに利益確定しているイメージで考えていただければわかりやすいでしょうか。
配当金を生活費の足しにと考えている場合はしっかりと税金分を差し引いて計算する必要があるので注意が必要です。
ここまで最低限知っておいていただきたい高配当株投資の特徴について解説してきました。
大きな成長は見込めないという点と、配当金を受け取る都度課税されるという点から最終的なリターンはインデックス積立投資には勝てないでしょう。
やはり資産拡大のためには積立投資が必要といえます。
ですが高配当株投資には積立投資には無い特徴があります。
積立投資と高配当株投資を併用することによって資産拡大と安定的な不労所得両方を得ることが可能です。
そんなことを考えている方には次の手段として大いに魅力的な投資だと考えますがいかがでしょうか。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
株投資で10万円をいかに増やせるか? 実際にやってみました~第3回~
株価の下落が続いているのに、年金積立金の運用損が話題にならない理由
楽天証券とみずほ証券が資本業務提携を発表 今後、楽天証券はどうなっていくのか「3つの予想」