プロ野球のヤクルト球団に所属する村上宗隆選手が、NPB日本人記録になる56本目のホームランを打った際、当初スポンサーからは、「1億円の東京の家」がプレゼントされるとのアナウンスがありました。(※)

しかし、村上選手が56本のホームランと同時に三冠王を獲得したため、プレゼントするのが「1億円の家」から「3億円の家」にグレードアップし、商品がさらに豪華となりました。

3億円の家を無償でもらえるのは嬉しい反面、元税務署職員としては税金が気になってしまいますので、3億円の家が贈与された際の贈与税の取り扱いについて解説します。

※参照:オープンハウス「特別ホームラン賞」のお知らせ~村上宗隆選手56本目以降のホームランに「1億円の東京の家」プレゼント~
オープンハウス(twitter) 3億円の東京の家をプレゼント

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法人からの贈与は贈与税の対象にならない

一般論になりますが、村上選手が「3億円の東京の家」のプレゼントを受け取ったとしても、贈与税が課される可能性は低いと考えられます。

東京ヤクルトスワローズのホームページの情報によると、贈呈品は株式会社オープンハウスグループが販売する「好立地の東京の家」と記載されていますので、村上選手は会社(法人)から贈与を受けることになります。

贈与税は個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金であり、法人からの贈与は贈与税の対象外です。

そのため3億円の家をもらったとしても贈与税を支払うことにはなりませんが、所得税の課税対象にはなるため、税金の支払いは発生します。

所得税は年間の所得を合計した金額に応じて税率が決まりますので、2022年の推定年俸2.2億円の村上選手であれば、所得税は最高税率の45%が課されると推測されます。

もし3億円が贈与税の課税対象となった場合、いくら支払うことになるのか?

個人から個人へ財産が贈与されれば贈与税の課税対象となりますので、3億円の家をもらった際は多額の贈与税を支払うことになります。

贈与税には2種類の税率が存在し、第三者からの贈与については一般税率で税額計算を行います。

贈与税は課税価格が大きくなるほど税率が高くなる累進課税制度を採用しており、3億円の贈与の場合、1億6,039万5,000円を贈与税として納めなければなりません

3億円に対する贈与税額の計算式

3億円-110万円(基礎控除額)=2億9,890万円

2億9,890万円×55%(税率)-400万円(控除額)=1億6,039万5,000円(贈与税額)

贈与税はもらった財産の種類に関係なく、申告期限までに現金で一括納付するのが原則ですので、3億円の不動産をもらった場合には、現金1億6,039万5,000円を用意する必要があります。

不動産取得する際に課される2つの税金

不動産の贈与を受けた場合には、贈与税だけでなく、登録免許税と不動産取得税の支払いも発生します。

  • 登録免許税は不動産を登記する際に課される税金
  • 不動産取得税は不動産を取得した時に課される税金

双方の税金とも、納税額は不動産の価値に対して税率を乗じて算出しますので、3億円の不動産を取得する場合には、相応の税負担を強いられます。

タダで不動産をもらったのに、多額の税金を支払うことになるのは夢のない話ですが、税金について理解しておかないと、ある日突然税務署が自宅に訪れるかもしれませんので気を付けてください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 【祝56号】3億円の家がプレゼント!税金はどうなる?