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費用負担が大きい「施設入所の前に」検討してほしい在宅介護サービス
認知症対応型共同生活介護施設は、一般的には「グループホーム」と呼ばれています。
入居者が家庭的な雰囲気の共同生活の中で、支援を受けながら、自分のできることを行い、自立した生活ができるようにする施設サービスになります。
共同生活を送る人数は最大9人のワンユニットになります。
グループホームは、誰でも入れるわけではなく、入居条件があります。
1. 要支援2以上の介護認定があり認知症と診断されている
2. 施設と同じ市町村に住民票がある
また、上記以外にも施設によって、対応できない医療行為がある、他害の可能性が高い方など身体状況などの入居条件があります。
グループホームの料金は、介護保険サービス自己負担額+生活費(家賃・食費・水道光熱費・管理費など)になります。
介護保険サービス利用費は、施設の規模と要介護度によって決まります。
ワンユニットのグループホームを30日間利用した場合(1単位1円・地域により金額は変動)
介護度 | 30日間の自己負担額(一割負担の場合) |
要支援2 | 22,800円 |
要介護1 | 22,920円 |
要介護2 | 24,000円 |
要介護3 | 24,690円 |
要介護4 | 25,200円 |
要介護5 | 25,740円 |
参照:厚生労働省(pdf)
基本の利用料金以外に、入所した日から30日間は、1日30円の初期加算が付きます。
また、施設の体制により、医療連携体制加算や認知症専門ケア加算等の加算が加わることがあります。
生活費の相場としては、月額:12万円~20万円程度になります。
(参考資料:グループホームつどい料金表)
また、初期費用(敷金)として、家賃の数か月分が必要な施設もあります。
他にかかる費用の一例として、おむつやパッド代などは全額自己負担となります。
施設の特性として少人数で手厚いケアを受けられる為、サービス付き有料老人ホーム等より費用は高くなる傾向があります。
看護師が所属していることが必須ではない為、医療的ケアが必要な方には、向かないという面もあります。
しかし、個人ができることや、やりたいことを危ないからとあきらめることなく、サポートを受けながら本人らしい日常生活ができることは、他の施設系サービスではなかなか受けられないサービスです。
認知症が進行してきてはいるが身体的には特に問題がない方や、生活環境を大きく変えず、本人らしい生活をして認知症の進行を防ぎたい方等におすすめです。
メリットが多いグループホームですが、定員数が少ない為、待機人数が多い傾向にあります。
グループホームにすぐに入居できない時に、認知症の方が自宅で安心して過ごす為には何が必要になるのか考えてみましょう。
認知症の方が1人で在宅生活をする場合、掃除や買い物をご家族がフォローできたとしても、安否確認や服薬管理、火の始末等が心配です。
おおよそ自分の身の回りのことができる場合には、デイサービスと定期巡回・随時対応型訪問看護介護(以下:定巡)を利用する方法もあります。
デイサービスで、入浴での清潔保持や食事や安全に過ごす時間を確保してデイサービスのない日や時間帯には、定巡で安否確認・健康管理等を行うことで、グループホーム入居までの期間を少しは安心して過ごすことができる場合があります。
他には、小規模多機能型居宅介護を利用しながら、同じように訪問と通い、さらに泊りも組み合わせ、本人の日常生活をサポートする方法もあります。
入居待ちの間に認知症症状が進み家での生活が難しくなる可能性もあります。
グループホームに入るまでの方法と考え、ご本人の状態をケアマネや利用事業所と連携して把握するようにしましょう。
今回は認知症対応型共同生活介護施設であるグループホームについて紹介してきました。
アット―ホームな雰囲気で、自分の送りたい生活をサポートしてもらえるグループホームは、認知症の方にとってメリットの多い施設です。
施設特有の雰囲気である施設っぽさがないところも、認知症の方が入居を承諾しやすさにつながっています。
介護費用はかかりますが、比較的低価格なグループホームもありますので、認知症の方の今後を考える上で、ぜひ一度入居を考えて頂きたい施設サービスです。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)
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