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イオンカードによるクレカ積立が始まる 運用はお任せで手間いらず、ポイントも貯まる
つみたてNISA | 一般NISA | 改正要望 | |
投資可能期間 | 2042年まで | 28年まで | 恒久化 |
非課税期間 | 20年間 | 5年間 | 無期限 |
年間投資枠 | 40万円 | 120万円 | 新たな成長投資枠を設け、拡大 |
対象年齢 | 20歳以上 | 20歳以上 | つみたてNISAは未成年に拡大 |
金融庁が提出した要望の中から、話題性の高い3つのポイントについて見ていきます。
現行の制度では一般NISAが年120万円まで、つみたてNISAが年40万円までが投資可能枠となっています。
この投資可能枠が拡大されると、さらにスピードをあげて資産形成が可能ということで、以前から待望されていました。
金融庁の要望では金額の明言はなかったようですが、日本証券業協会の提言では一般NISAが年240万円、つみたてNISAが年60万円と例示しています。
これまでつみたてNISAを満額投資されていた方は毎月3万3,333円という割り切れない金額で設定していたかと思いますが、これが年60万円まで拡大されると毎月5万円というすっきりとした金額で投資可能となります。
また、クレジットカード積立で満額5万円を設定している場合、これまでは非課税枠からはみ出す部分については通常の特定口座で買い付けするほかありませんでした。
これが5万円丸々つみたてNISAでクレカ設定可能となれば、気持ちも良いのではないでしょうか。
いずれにせよ、毎月5万円の投資が可能な方にとっては、大歓迎な変更となりそうです。
一般NISAにしてもつみたてNISAにしても、いつ始めても非課税期間が最大限使えるというわけではありません。
現行では一般NISAは新NISAに移行して2028年まで、つみたてNISAは2042年まで投資が可能となっています。
今現在つみたてNISAをされている方なら、20年の非課税期間を全て活用することができます。
ですが、例えば2025年からつみたてNISAを始めた場合、2042年までの18年間分しか非課税期間が使えないことになってしまいます。
早く始めている方と比較すると2年分少なくなってしまうのです。
現行制度の年40万円で考えると、80万円分の非課税枠が使えなくなってしまう計算になりますので、できるだけ早く始めた方が良いといわれる所以にもなっています。
これが恒久化されると、いつ始めても非課税期間が最大限使えるということになりますので、まだ投資を始めていない、将来的に投資を始める方にとっても優しい設計となります。
個人的にここが1番熱望している部分になります。
現行の制度では一般NISAで5年間、つみたてNISAで20年間という非課税期間が設定されています。
非課税期間終了後は特定口座へ移管され、移管後の利益については課税されることになります。
20代や30代といった若年層では20年間の非課税期間が終了しても現役の年齢、まだまだ積立した資産を取り崩すことなく、引き続き運用を継続したいと考えることも十分想定できます。
非課税期間が無期限化されると、30年でも40年でも非課税運用が可能となります。
投資期間が長ければ長いほど複利の効果が強くなるので、その利益もとても大きなものとなります。
資産形成に複利の効果は欠かせません。
「長期投資」を実践している方にとって、この改正が実現すればとてつもなく大きなものとなるでしょう。
最後に注意点ですが、今回金融庁が要望を提出したからといって、改正が決定したわけではありません。
また、要望が通ったとしても全てではなく、一部のみの実施ということも十分にありえます。
毎年の税制改正の大まかな流れですが、
8月頃・・・各省庁が改正要望を財務省に提出
12月頃・・・税制改正大綱が決定
2〜3月頃・・・税制改正の法案成立
4月〜・・・改正法施行
という形になります。
投資家として次に注目するべきは、12月頃の税制改正大綱の決定になります。
ここで盛り込まれた内容が実現することとなりますが、改正版NISAの実際の開始時期については2024年頃だと思われます。
今回の要望が実現されると、全投資家がその利益を受けることとなりますが、喜ぶのは時期尚早です。
実はこれまでも金融庁は毎年のように要望を出しておりますが、なかなか実現していないというのが現状です。
ですが、今年はこれまでとは少し違った雲行きです。
今年5月に、自民党金融調査会がNISA恒久化を提言するという、これまでになかった援護射撃がありました。
また、岸田首相も「資産所得倍増プラン」を掲げていることから、NISA制度の更なる拡充は避けて通れない道だという声も多数あります。
これまでにないNISA恒久化へ向けた追い風、私たちにとって少しでも良くなる改正が実現されることを願ってやみません。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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