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年金とは別の給付制度「年金生活者支援給付金」 3つの制度と注意点
賞与から徴収される厚生年金保険の保険料は、「賞与の金額×9.15/100」で算出するのです。
例えば賞与の金額が30万円だった場合、厚生年金保険の保険料は2万7,450円(30万円×9.15/100)になります。
注意点としては計算する時に、1,000円未満を切り捨てるため、例えば賞与の金額が31万2,500円だった場合、厚生年金保険の保険料は2万8,548円(31万2,000円×9.15/100)になります。
また賞与の金額には「1か月あたり150万円」という上限があるため、例えば賞与の金額が200万円だったとしても、厚生年金保険の保険料は13万7,250円(150万円×9.15/100)で済むのです。
健康保険や厚生年金保険の保険料が徴収されるのは一般的に、これらの資格喪失日(原則として退職日の翌日)が属する月の、前月までになります。
そのため賞与の支給日が属する月の途中に退職、つまり月末まで在籍しないで退職した場合、賞与からは健康保険や厚生年金保険の保険料は徴収されません。
また賞与の査定期間に在籍していれば、支給日に在籍していなくても賞与を支給すると、就業規則などに定めている会社を退職し、退職した後に賞与が支給された場合にも、同様の取り扱いになります。
なお雇用保険の保険料については、いずれのケースでも徴収されるので、社会保険の種類によって取り扱いが変わるのです。
従業員の賞与から厚生年金保険の保険料を控除した勤務先は、各人の賞与の金額などが記載された「被保険者賞与支払届」という書類を、日本年金機構に提出します。
書類を提出した後に勤務先は、従業員の賞与から控除した厚生年金保険の保険料と、ほぼ同じくらいの金額を拠出し、両者を合わせたものを日本年金機構に納付します。
こういった過程の中で勤務先が、次のような事務処理のミスをした場合、受給できる老齢厚生年金が少なくなってしまうのです。
・ 「被保険者賞与支払届」の提出を忘れた
・ 提出したけれども一部の方が抜けていた
・ 賞与の金額を実際よりも低く届出した
また勤務先の資金繰りの問題などにより、きちんと保険料を納付できなかった場合にも、同様の事態になってしまうのです。
勤務先だけでなく日本年金機構が事務処理をミスした場合にも、同様の事態になる可能性があるため、賞与から厚生年金保険の保険料が控除されているから大丈夫だと、思わない方が良いと思います。
こういった事態から各人の年金を守るための、もっとも手軽な手段は、誕生月(1日生まれの場合は誕生月の前月)になると、日本年金機構などから送付される、ねんきん定期便ではないかと思います。
基本的にはハガキで送付されますが、公的年金に加入している方が節目年齢(35歳、45歳、59歳)を迎える時はA4判の封書になり、ハガキよりも詳しい年金記録が記載されているのです。
例えばハガキ形式のねんきん定期便が送付された場合、「最近の月別状況です」と記載された所の下部にある、「厚生年金保険」の部分を見てみます。
この中の「標準賞与額(千円)」の欄に、各人が受け取った賞与の金額が記載されていれば、勤務先と日本年金機構が事務処理を正しく実施し、保険料も納付されていたことになります。
慣れると簡単に確認できると思いますが、賞与を受け取った月と、ねんきん定期便が送付される誕生月が離れている場合には、注意する必要があります。
その理由としては賞与の金額に関する記憶が曖昧になってしまい、ねんきん定期便に記載された金額が正しいのか否かを、判断できない場合があるからです。
こういった事態が起きないようにするため、賞与の明細書を受け取ったら、次の誕生月までは保管しておいた方が良いのです。
パソコンやスマホで年金記録を確認できる、ねんきんネットにログインした場合にも、「標準賞与額(千円)」がわかるため、ねんきん定期便が送付される前に確認したい方は、ねんきんネットの利用を検討してみましょう。
なお月給だけでなく賞与も含めて、年金額を算出するようになったのは、2003年4月からになります。
そのためこれより前の期間の「標準賞与額(千円)」の欄に、賞与の金額の記載がなくても良いのです。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)
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