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つみたてNISAを始めた方の中には、今まで興味がなかった経済や金融のニュースを、よく見るようになった方がいると思います。
これによって経済や金融の知識を身に付けると、仕事や家計管理などにも役立つため、投資をすることのメリットは、資産が増えるだけではないのです。
ただ現在のように株価が下落している局面では、悲観的なニュースが多くなるため、こういったものを見ていると、不安な気持ちが高まってしまう可能性があります。
そのため株価が下落している局面では、経済や金融のニュースを、あまり見ない方が良いと思うのです。
一方で株価の下落によって、不安な気持ちが高まっている時に、積極的に見た方が良いものがあります。
それは「NYダウ」や「S&P500」などの、米国を代表する株価指数の長期チャートです。
これらを見てみると、ITバブルの崩壊(2001年)、リーマンショック(2008年)、コロナショック(2020年)の時などに、株価が大幅に下落していることがわかります。
ただいずれは下落前の水準を更新して、株価は右肩上がりに上昇しているのです。
そのため株価の下落によって、不安な気持ちが高まっている時に、「NYダウ」や「S&P500」の長期チャートを見ると、不安な気持ちを抑えられると思うのです。
つみたてNISAを始めるために、ネット証券の口座を開設すると、将来の株価や為替レートなどを予想する、専門家の方が書いたレポートを、無料で見られる場合があります。
また将来の株価や為替レートなどの予想を、専門家の方が解説する動画を、無料で見られる場合もあります。
こういったものを発表から数か月後に見直してみると、専門家の株価や為替レートなどの予想が、あまり当たっていないとわかるのです。
しかも専門家の予想は楽観的なものより、悲観的なものが多いという印象があるため、株価の下落によって不安な気持ちが高まっている時には、専門家の予想を聞かない方が良いと思うのです。
そもそもつみたてNISAは毎月(毎日)、自分が選んだ投資信託を、一定額ずつ自動的に購入します。
また楽天証券やSBI証券などが提供している、投資信託の定期売却サービスを利用すれば、売却も自動的に実施されます。
そのため専門家の予想を参考にして、売買のタイミングを判断する必要はないため、つみたてNISAは他の投資より、専門家の予想を聞く必要性が低いのです。
29行の都市銀行や地方銀行で投資信託を購入した顧客の、2018年3月末時点の評価損益を、金融庁が調査したところ、46%がマイナスだったそうです。
これだけ儲かっていない方が多いのですから、友人や知人と投資の話をすると、失敗談を聞かされる場合の方が多いと思います。
そうなると不安な気持ちが高まるため、株価が下落している時は友人や知人と、投資の話をしない方が良いのです。
なおつみたてNISAが開始した2018年1月から、積立投資を継続した場合の、2021年7月末時点の評価損益を、QUICK資産運用研究所が調査したところ、すべての投資信託(ETFは除く)でプラスだったそうです。
両者の間に大きな差が生じた理由について考えてみると、つみたてNISAの対象になっている投資信託は、保有中にかかる信託報酬が低いため、手数料によって利益が減るのを、最小限にできるからだと推測されます。
また株価が高値の時に投資信託を一括購入すると、利益を出しにくくなりますが、つみたてNISAは購入時期を分散するため、このような状態になりにくいというのも、理由のひとつだと推測されます。
いずれにしろ2018年1月以降は何度かの株価の下落、特にコロナショックがあったのに、つみたてNISAの対象になっている投資信託は、2021年7月末時点で、すべてがプラスだったのですから、ここ最近の株価の下落に慌てない方が良いのです。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)
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