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銀行口座の相続手続きは、相続人全員が協力して進めていく必要があります。
全員で銀行に行って手続きするのではなく、必要書類において各相続人の協力が必要になるという意味です。
※遺言書がある場合は、遺言によりその預金を受け取ることになった人(受遺者)が手続きをします。
相続手続きに必要な書類は、主に以下の5つです。
銀行所定の「相続届」等も必要になりますが、ここでは一般的な必要書類をご紹介します。
それぞれ解説していきます。
被相続人の戸籍について、出生から死亡までの連続した全ての戸籍が必要になります。
被相続人の生涯の戸籍を取得することで、配偶者がいるか、子どもがいるかなどを確認することができ、そこから誰が相続人かを特定することができます。
被相続人の全ての戸籍から「誰が相続人か」が特定できると、次はその相続人全員の戸籍(現在戸籍)を取得します。
相続人全員の現在の戸籍を取得することで、その人が現在存命であることを証明することになります。
銀行所定の相続届(相続に関する依頼書等)に実印で押印します。
相続届は各銀行より取得します。
(3) で押印したハンコが実印であることを証明するために提出します。
印鑑証明書は、「取得日から3か月以内のもの(6か月以内のもの)」というように期限を設けている銀行が多いため、取得日に注意しましょう。
被相続人の通帳やキャッシュカードが見当たらない、手元にない場合は、紛失届の提出を求められる場合があります(相続届の中に紛失の欄が設けられている銀行もあります)。
銀行口座の相続手続きに必要な書類は以上です。
相続関係や口座の種類によって必要書類が変わる場合があるため、手続きの際は口座のある銀行に確認しましょう。
「相続預金の払い戻し制度」とは、平成30年(2018年)の民法改正で新しく創設された制度で、凍結した銀行口座の預金を一定額までなら相続人単独で払い戻しができる制度のことです。
当面の生活費や葬儀費用など、取り急ぎのお金が必要なときに活用できます。
通常の相続手続き(1章)では、相続人全員の協力のもと手続きをする必要があるため、お金を引き出すには少なからず時間がかかります。
相続人の数が少なく、また近くに住んでいてスムーズに手続きできるようであれば問題ありませんが、相続人が多かったり相続関係が複雑だったりすると、銀行の解約手続きに数か月かかることもあります。
そのようなときは、「相続預金の払い戻し制度」を使って払い戻しを受けましょう。
各相続人が単独で払い戻せる金額は、
と決まっています。
[例] 預金額が600万円、相続人が子2人の場合
600万円 × 3分の1 × 2分の1 =100万円
となり、100万円(までの金額)が相続人1人で払い戻せる金額ということになります。
ただし、同一の金融機関から払い戻せる金額は150万円が上限となります。
法定相続割合についての参照:国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分
また「相続預金の払い戻し制度」は、一時的な払戻しにすぎません。
この制度を活用しても全額を払い戻しすることはできませんので、最終的には必ず通常の銀行口座の相続手続きをするようにしましょう。
払い戻し制度を活用したからといって、相続手続きをしたことにはなりません。
この制度を活用したい場合に必要となる書類は、下記の5つです。
通常の相続手続き(1章)と違うのは、(3) と(4) の実印と印鑑証明書です。
この払い戻し制度の場合、払い戻しを受けたい相続人単独で手続きを進めることにメリットがあります。
手続き先の銀行によっては必要書類が変わる場合もあるため、手続きの際は銀行に確認するようにしましょう。
銀行口座の名義人が死亡した場合、口座が凍結されるのは「銀行が口座名義人の死亡を知ったとき」です。
銀行口座が凍結されると一切の入出金ができなくなるため、預金を引き出したい場合は相続人全員による相続手続きが必要になります。
一定の金額までであれば、相続人1人からでも預金を引き出せる「払い戻し制度」もあります。状況に応じて活用してください。(執筆者:嶋田 裕志)
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