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国民年金保険料を10年しか払わなかった場合、40年間支払った人より、満額はいくら減るのか
老齢基礎年金の繰下げ受給は、繰下げた月単位で年金額の増額率が上がっていく仕組みになっています。
増額率は、以下の計算式で算出され、生涯変わることはありません 。
繰下げ申出時の年齢と、この計算式で算出された増額率は以下になります。
申出時の年齢 | 増額率 |
66歳0ヵ月~66歳11ヵ月 | 8.4%~16.1% |
67歳0ヵ月~67歳11ヵ月 | 16.8%~24.5% |
68歳0ヵ月~68歳11ヵ月 | 25.2%~32.9% |
69歳0ヵ月~69歳11ヵ月 | 33.6%~41.3% |
70歳0ヵ月~70歳11ヵ月 | 42.0%~49.7% |
71歳0ヵ月~71歳11ヵ月 | 50.4%~58.1% |
72歳0ヵ月~72歳11ヵ月 | 58.8%~66.5% |
73歳0ヵ月~73歳11ヵ月 | 67.2%~74.9% |
74歳0ヵ月~74歳11ヵ月 | 75.6%~83.3% |
75歳0ヵ月~ | 84.0% |
このように、65歳で老齢基礎年金を受給するよりも、75歳0か月で繰下げ受給する方が84%も受給額が多いのです。
20歳から60歳までの40年間すべて国民年金の保険料を納付した方は、65歳から満額の老齢基礎年金(令和4年度、年額77万7,800円)を受給することができます。
この方が75歳で老齢基礎年金を繰下げ受給した場合は、以下のように計算されます。
老齢基礎年金額(777,800円) × 増額率(84.0%) = 65万3,352円
77万7,800円 + 65万3,352円 = 143万1,152円(年額)
この方は、老齢基礎年金を年額143万1,152円(令和4年度)受給することができ、65歳で老齢基礎年金を受給するよりも年額65万3,352円(令和4年度)多く受給できることになります。
但し、65歳から75歳になるまでの10年間は、老齢基礎年金をまったく受給していません。
老齢厚生年金の繰下げ受給は、66歳に達した日以後に申出することができます。
老齢厚生年金の増額率も老齢基礎年金と同様に、繰下げ月数 × 0.007で算出されます。
老齢厚生年金の繰下げ対象額は、人によって変わってきますので、繰下げ加算額もそれぞれ異なってくるのです。
このように、老齢年金は、繰下げ受給の時期が遅ければ遅いほど年金受給額が多くなる仕組みになっています。
しかし、65歳になった時の生活や、いつまで生きるかは誰にもわかりませんので、よく考慮して判断する必要があるのです。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)
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