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夫婦二人で貯めてきた財産 遺言書がなく、相続が発生すれば故人のきょうだいに4分の1の権利が
贈与とは、自らが保有する財産を相手に無償で渡す行為をいい、贈与税は贈与財産を受け取った人に対して課される税金です。
贈与財産の対象となる財産は現金以外に不動産や株式など種類は問いませんし、財産をもらう以外に債務を負担してもらうといった、経済的利益を受けた場合も贈与税の対象となります。
ご祝儀は結婚式に招待された方が新郎新婦へ渡しますので、贈与に該当する可能性が高いです。
ただ贈与税の取り扱いを定めている相続税法基本通達では、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないと規定されています。
社会通念上相当と認められる金額とは、社会的地位など個別事情により変わるため、「〇万円まではOK!」といった具体的な数字は明示されていませんが、友人などから受け取る相場程度の金額については贈与税が課されることは考えにくいです。
また結婚式のご祝儀以外に、個人から受ける香典や花輪代、年末年始の贈答、見舞いなども贈与税の非課税対象となっています。
特定の人から明らかに相場を超えるご祝儀をもらった場合、贈与税の課税対象となりますが、贈与税には基礎控除額110万円がありますので、贈与金額が110万円以内であれば贈与税はかかりません。
ただ110万円基礎控除額は、受贈者(財産をもらった人)が1月1日から12月31日までに贈与をもらった金額の合計額に対するものです。
たとえば3人から各100万円の贈与を受けた場合、贈与財産の合計金額は300万円と110万円を超えるので、差額の190万円に対して贈与税が課されます。
日常生活で110万円を超える贈与を受けるケースはありませんが、不動産など大きな贈与が行われる際は、贈与財産の金額が110万円を超えるか確認してください。
税務署は受け取ったお金の性質から、個別事情を鑑みて課税対象となる税金の種類や所得区分を判断します。
YouTubeなどで動画配信を行っている方が受け取るスパチャは、事業所得や雑所得(※)の対象になると考えられます。
※雑所得は、他の所得のいずれにも当てはまらない所得をいいます。
ご祝儀の意味合いでスパチャを渡す場合でも、スパチャの性質が事業上の対価として受け取っているものとみなされれば、贈与税ではなく事業所得(雑所得)の対象になる可能性もあるためケースバイケースです。
新しく登場した制度に対する課税関係は、国税庁ホームページなどに質疑応答事例が掲載されていないことも多いですので、事前に課税関係を確認したい場合は、税務署や税理士へ相談してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)
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