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≪画像元:投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021≫
断トツで1位に選ばれた、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、3年連続で1位を獲得しているので、やはり根強い人気があると思いました。
一方で前回は5位にランキングしていた「ひふみ投信」は、13位まで下がっております。
最近の運用成績を見てみると、かつてのような勢いがなくなっているため、投信ブロガーからの評価が下がったのかもしれません。
このように数年分の投票結果を比較したり、順位が変わった理由を自分なりに分析したりするというのも、楽しみ方のひとつだと思います。
【つみたてNISA】おすすめファンド6選 こんな時だからこそ安心できる優良銘柄に投資
年間で40万円までの積立投資で得た利益が、最長で20年に渡って非課税になる、つみたてNISAという制度があります。
この制度の対象になっている、金融庁が定めた厳しい基準をクリアした投資信託(2022年2年28日時点)と、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021」の中に登場する投資信託は、かなり重なっているのです。
また重なっている投資信託を、投資対象で大まかに分類してみると、次のようになると思います。
1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
16位:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
17位:楽天・全世界株式インデックス・ファンド
18位:SBI・全世界株式インデックス・ファンド
2位:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
6位:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
9位:たわらノーロード 先進国株式
4位:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
8位:楽天・全米株式インデックス・ファンド
10位:SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
19位:SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
12位:結い 2101
13位:ひふみ投信
7位:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
14位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
20位:eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
以上のようになりますが、「全世界・先進国・米国」の3種類が、大部分を占めていることがわかります。
来年以降に順位が変わったり、商品の入れ替わりがあったりしても、この傾向は変わらないと推測されるのです。
2020年前半あたりから世界中に広まった、新型コロナウイルスの影響によって、世界各国の株価は大幅に下落し、景気は大きく低迷しました。
そこで世界各国の中央銀行は、政策金利(中央銀行が誘導目標にする金利)の引き下げや、量的緩和(国債などの買い取りによる市場への資金供給)などの、金融緩和を実施したのです。
これによって株価は上昇に転じ、景気は回復したのですが、2021年後半あたりから世界各国で、インフレ(継続的な物価上昇)が懸念されるようになってきました。
そのため金融政策の変更が検討されるようになり、例えば米国の中央銀行にあたるFRBは、2021年11月からのテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)を決定し、金融政策の転換を図ったのです。
こういった金融政策に関するニュースや、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に関するニュースなどによって、2022年に入ってから株価が、何度も急落しているのです。
つみたてNISAのように投資信託を、毎月一定額ずつ積立投資する場合、株価が上昇するほど、購入できる口数が少なくなります。
一方で株価が下落するほど、購入できる口数が多くなるため、一直線に株価が上昇するより、短期的な上昇と下落を繰り返しながら、中長期に上昇していく方が、利益が出やすくなるのです。
しかし年齢が若い方や、2020年以降の株価が上昇する局面で積立投資を始めた方は、株価の急落によって生じた不安に耐え切れなくなり、積立投資を止めてしまう場合があるようです。
こういった方に必要なのは積立投資を止めないで、長期に渡って続けていける方法だと思います。
7位の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、1回目の2007年に1位を獲得しているだけでなく、その後も10位以内にランキングしている場合が多いため、長期に渡って支持されているのです。
これだけ人気があるため、「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」という、かなり資産配分の近い投資信託が販売され、現在はつみたてNISAの対象になっております。
両者の投資信託の大きな共通点は、「株式50%:債券50%」で運用されているところです。
一般的に株価と債券価格には、逆相関の関係があるため、株価が下落する局面では、債券価格が上昇しやすいのです。
そのため株価の下落を債券価格の上昇がカバーするため、「株式50%:債券50%」は「株式100%」より、基準価格(投資信託の価格)の下落が緩やかになるのです。
一方で株価が上昇する局面では、債券価格が下落しやすくなるため、「株式50%:債券50%」は「株式100%」より、基準価格が伸びなくなってしまうのです。
これはデメリットになりますが、株価が下落する局面で、基準価格の下落が緩やかになる点は、株価の急落が不安な方にとってのメリットだと思います。
その理由としては不安が軽減されるため、積立投資を長期に渡って続けやすくなるからです。
なお14位には「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」という、株式と債券だけでなく、リート(不動産投資信託)も含まれている投資信託が、ランキングしております。
こちらの投資信託も資産の一部である債券により、株価が下落する局面で、基準価格の下落が緩やかになるのです。
そのため株価の急落が不安な方には、人気のある「全世界・先進国・米国」より、いずれかの投資信託をお薦めしたいと思います。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)
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