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お金を借りるという基本的な用語の解説から始めます。
ここではお金を借りる3つの方法「ローン」「クレジット」「キャッシング」に分けて説明します。
住宅ローン、マイカーローン、教育ローンなど「ローン」という言葉自体が固有名詞になっています。
ローン(loan)を直訳すると「貸付」「貸付金」といった意味になります。
これは銀行などお金を貸す側(「貸し手」とも言います)から見た表現です。
個人に対しその目的に応じてお金を貸すことであり、車の購入ならマイカーローン、自宅を手に入れる住宅ローン、そして使いみちが自由なカードローンなどがあげられます。
本来のお金を貸すことから派生して、現在では「目的に合わせて借りるお金」と表現するほうがわかりやすいと思います。
会社が必要な資金を借りる事業資金融資などでは、「債務」「負債」「借入金」と表現され、こちらの英訳「debt」(負債、借金など)となります。
ローンは必要なモノを手に入れるためにお金を借りることですが、これと少し意味が違って不動産投資(*)では、自分の手持ち資金を活かしたうえで銀行などからお金を借りて不動産を購入し利益を得ることを「レバレッジ効果」と呼びます。
これは借入によって、手持ち資金の何倍にもあたるお金を投資することができるといった意味で「てこの原理」(てこの英訳がレバレッジ)をイメージしてこのように表現されます。
最近は中高学校でも投資についての授業が取り扱われるところもあるようです。
(*)不動産投資:商業ビルやアパート丸ごと1棟、あるいはマンションを1部屋購入し、賃貸から得る家賃収入で資金を増やすこと
クレジットは「クレジットカード」に代表されるように、「後払い」という意味です。
従来は商品を手に入れたあと分割して支払っていくことから「割賦(かっぷ)販売」(例・毎月払いの月賦(げっぷ))とも呼ばれていました。
クレジットは「コンシューマー・クレジット(消費者信用)」を略して作られた和製英語です。
もともとの意味は「信用」「信頼」といったものでしたが、今では商品やサービスを手に入れたあとで、その代金を支払うのがクレジットの意味になっています。
クレジットを利用すれば、手元にまとまった現金がなくても欲しい品物や利用したいサービスを手に入れられます。
販売店やサービスを提供する事業者にとっても、手持ちが所要額に足りない顧客でも契約が可能なので、商売がしやすくなるというメリットがあります。
「消費者信用」は「消費者の信用で成立する取引」と言い換えられます。
後払いで商品やサービスを手にできるのも、自分(消費者)に対して「この人ならしっかりと代金を支払ってくれるだろう」と信頼してくれたことになります。
この点はローンも同じで、クレジットもローンもあとでお金を払うという点ではともに、お金を借りる行為になることがわかると思います。
お金を借りる方法の3つめはキャッシングです。
言葉のイメージ通り、お金を借りるという意味合いの強いキャッシングですが、ここでは性質が似ているカードローンと比較しながら説明します。
キャッシング | ローン(カードローン) | |
利用方法(借入方法) | クレジットカードを使って借りる | 専用のローンカードで借りる |
利用(借入)限度額 | 数万円~50万円程度 | 10万円~1,000万円程度 |
金利(実質年利) | 15%程度 | 1%台~14.5%程度 |
返済方法 | 翌月一括が多い(分割払いもあり) | 分割返済、随時返済など多様 |
新規申し込み、審査 | クレジットカード付帯なら審査不要 | 新規の申し込み、審査が必要 |
利用限度額や金利は筆者独自の調査によるものです。
キャッシングはクレジットカードに最初から自動的にセット(「付帯」とも言います)されている場合が多く、クレジットカードの説明にも「クレジット枠(ショッピング枠)100万円・キャッシング枠10万円」などと表記されています。
買い物で利用したクレジットカードの支払いや、マイカーローンや住宅ローンの支払いが苦しくなると、まずカードローンの利用を考えるのがよくある考え方です。
しかしながら、もともとカードローンを持っていればいいのですが、他の支払いが苦しい人は返済が遅れていたり、収入が減っていたりといった理由で新規のカードローン審査に通らない可能性も多くあります。
そこで次に思い浮かべるのがこのキャッシングの利用です。
もともとクレジットカードに最初からセットされているので、つい利用してしまいますが、他の返済をするために借入すると、またその借入の返済がプラスされのしかかってきます。
これが「多重債務」のきっかけなので、キャッシングの利用は慎重に考えることが必要です。
これから旅立つ新社会人に知っておいてもらいたい大事なことです。
私は銀行員として30年以上にわたりお金を借りることを仕事にしてきました。
だから申し上げるわけではないのですが、お金を借りることは決していけないことではないと考えています。
人それぞれ必要なとき、必要なもの、そしてそれを手に入れるために必要なお金の額はそれぞれです。
そこでお金を借りることが悪いのではなく、また返せなくなることもすべてが一律にいけないことではありません。
いけないのは、お金が必要だからといって嘘をつくことや人をだますこと、そして頑張れば返せるのに返そうとしないこと、あるいは返済を忘れてしまうのがいけないことです。
親元を離れ、ひとりで生活をすると、何をするにもお金がかかることを実感します。
魅力的なキャンペーンもあり、審査も通りやすくなったクレジットカードやローンもたくさんあり、お金を借りることが簡単になりました。
借りているお金であるという自覚をしっかりともって、借りたお金はしっかりと返すことを忘れないでください。(執筆者:銀行員一筋30年 加藤 隆二)
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