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副業兼業の範囲について確認しましょう。
端的に副業兼業とは、主たる勤務先(例えば昼間は正社員としてサラリーマン)があり、その主たる勤務先とは別の収入を得ることができる働き口を指します。
これは、雇用契約を締結するアルバイトや雇用契約に限らず、フリーランスなどの業務委託、自身で起業するなど、その範囲は年々広くなっています。
フリーランスなどの業務委託の場合、原則として社会保険(健康保険・厚生年金)の対象者とはされていません(実態が労働者の場合は除く)。
社会保険とは健康保険と厚生年金を総称して「社会保険」と呼ばれています。
一般的に最も多くの方に馴染みのある社会保険制度は、病院へ受診する際に持参する「保険証」ではないかと考えます。
副業兼業を行う際、厳密には保険証はどのような手続きを経て、持つべきなのでしょうか。
保険証は、2枚持つことはできませんので、社会保険に適用される会社に2以上関与している場合、「選択届」と言い、いずれか1つの事業所を選択する必要があります。
保険料については按分されます。どちらを選択するかは被保険者の意思に委ねられます。
これまで使用していた保険証は返却しなければならず、新しい保険証は番号が変わることから、受診中の医療機関がある場合、注意が必要です。
一般的には、現行の法律では社会保険対象の被保険者が500人以下の場合、概ね週30時間以上の労働時間の場合には、社会保険加入の対象者となります。
副業兼業であっても、双方で、概ね週30時間を満たすことは現実的とは言えませんが、役員の場合はそもそも労働時間の概念がないことから、役員報酬が出ている場合、社会保険の加入対象者となります。
複数の法人企業を立ち上げ両社で役員に就任した場合も対象となる場合があります。
現在、社会保険の適用拡大が段階的に行われており、以下の要件にあてはまる場合は、選択の余地がなく、社会保険の適用対象となります。
(1) および(2) は今後改正されます。
(1) は2022年10月から501人以上が101人以上となり、更に2024年10月から51人以上となります。
(2) は2022年10月から「継続して2か月を超えて使用される見込み」へと改正されます。
本業先副業先ともに501人以上(2022年10月からは101人以上)の、場合他の要件を満たすことで、双方で被保険者の対象になる可能性も高くなります。
原則として、報酬額の変更があった会社のみで「月額改定」に該当するか否かを精査することとなります。
本来社会保険料は、4月~6月の報酬支払額をもとに、その年の9月から支払われている報酬と保険料額が実態に合った形になるよう等級を算定(結果的に変更がない場合もあり)しなおすこととなります。
しかし、年の途中で固定的賃金(基本給など)の著しい変動があった場合には、「月額改定」を行うという理解です。固定的賃金の変更自体はあったものの、変動する等級が2等級以上でなかった場合は対象となりません。
コロナ禍前に比べ、明らかに働き方が変化しています。
労働者にとって社会保険は切り離して考えることはできず、社会保険の中でも特に馴染みのある保険証の取り扱いについてはおさえておきたい部分です。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)
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