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節税効果の高い「現金以外」の贈与財産2つ 110万以上でも結果的に無税となるケースも
実際の所得税を算出するには、(A)に記載した「1~12月に勤務先から受け取った給与の合計額」のデータが必要になるため、年初の段階では算出できません。
そこで勤務先は1月以降の給与から、「給与所得の源泉徴収税額表」を元にして算出した、概算の所得税を天引きするのです。
また「1~12月に勤務先から受け取った給与の合計額」が確定し、実際の所得税を算出できる段階(一般的には年内最後の給与が支払われる時)になったら勤務先は、1月以降の給与から天引きした概算の所得税の合計額と、実施の所得税を比べてみます。
この結果として「概算の所得税の合計額>実際の所得税」になっていたら、勤務先は差額を従業員に還付します。
一方で「概算の所得税の合計額<実際の所得税」になっていたら、勤務先は差額を従業員から徴収しますが、還付されるケースの方が多いのです。
こういった年末調整の手続きによって、所得税の過不足が精算されるため、これ以降に所得税に関しては、特に何もする必要はありません。
また年末調整の後に勤務先は、住民税の計算に必要なデータを、従業員の住所地の市区町村に送り、それを元にして翌年6月以降の住民税が算出されるため、住民税に関しても特に何もする必要はありません。
ただ「1~12月に勤務先から受け取った給与の合計額」が、2,000万円を超えている方や、副業による年間の雑所得が20万円を超えている方は、所得税の確定申告が必要になります。
例えば会社員の親が、アルバイトをしている16歳以上の子供を対象にして、(B)に記載した扶養控除を受ける場合、子供の合計所得金額が48万円以下という要件を満たす必要があります。
もし子供の合計所得金額が48万円を超えているのに、年末調整で扶養控除を受けてしまった場合、本来よりも少ない所得税を納付したことになります。
一方で子供の合計所得金額が48万円以下なのに、年末調整で扶養控除を受けなかった場合、本来よりも多い所得税を納付したことになります。
後者のように本来よりも多い所得税を納付した場合、税務署は連絡してこないのですが、前者のように本来よりも少ない所得税を納付した場合、税務署は勤務先に対して連絡し、再計算と納税を求める可能性があるのです。
また例えば会社員の夫が、パートをしている妻を対象にして、(B)に記載した配偶者(特別)控除を受ける場合、次のように妻の合計所得金額(表の左側)によって、受けられる金額が変わります。
≪画像元:国税庁(pdf)≫
特に妻の合計所得金額が95万円を超えると、小刻みに金額が変わるため、間違いが生じやすくなります。
配偶者(特別)控除の金額を間違え、本来よりも少ない所得税を納付した場合にも、税務署が勤務先に対して、再計算と納税を求める可能性があるのです。
扶養控除や配偶者(特別)控除の金額を間違え、本来よりも少ない所得税を納付した場合、上記のように税務署から連絡が来て、面倒な事態になる可能性があるため、年末調整が終わった後に答え合わせをした方が良いのです。
年末調整の答え合わせをする時は、これが終わった後に子供や妻の勤務先が発行した、「給与所得の源泉徴収票」を準備します。
例えば2021年の年末調整が終わった後に、子供や妻の勤務先が発行した「給与所得の源泉徴収票」の中の、「給与所得控除後の金額(調整控除後)」という部分を見ると、子供や妻の2021年の「給与所得」がわかります。
また子供や妻に給与以外の収入がなければ、
になるのです。
もし扶養控除や配偶者(特別)控除の金額を間違えていた場合、再年調(年末調整をやり直すこと)の期限である翌年の1月末までに、勤務先に対して修正をお願いしてみるのです。
お願いするのに抵抗を感じる、勤務先が修正に応じてくれない、1月末を過ぎた後に間違いがわかったなどの事情がある場合には、自分で所得税の確定申告を行います。
扶養控除の受け忘れなどによって、所得税の還付が生じる場合、年末調整の翌年の1月1日から5年以内に、手続きを行えば良いのですが、納付する所得税が生じる場合には、年末調整の翌年の2~3月頃に手続きを行います。
なお記入を済ませた年末調整の書類を、何らかの形でコピーして手元に残しておくと、年末調整の答え合わせをする時に、「給与所得の源泉徴収票」の補助として活用できるのです。
「給与所得の源泉徴収票」の中にある、「給与所得控除後の金額(調整控除後)」から、「所得控除の額の合計額」を差し引くと、(B)と(C)に記載した「課税所得」になります。
そのため「所得控除の額の合計額」が増えると、「課税所得」が低くなるため、これに税率を乗じて算出する所得税や住民税が安くなります。
また「所得控除の額の合計額」を増やしたい場合には、次のような方法が考えられます。
その他にiDeCo(個人型の確定拠出年金)に加入して、掛金を積立するという方法もあり、2022年5月以降は国民年金の被保険者であれば、65歳(現在は60歳)まで加入できるようになります。
なぜこれらによって「所得控除の額の合計額」が増えるのかというと、国民年金や公的医療保険の保険料は「社会保険料控除」、iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除に該当するからです。
そのため1月以降の早い時期に、iDeCoの加入手続きを済ませたり、後期高齢者医療の保険料の納付方法を、代わりに納付する家族の口座からの引き落としに切り替えたりすることは、次の年末調整の準備になるのです。
iDeCoの掛金などによって「課税所得」が低くなると、今までより所得税が安くなるため、(C)に記載した住宅借入金等特別控除、いわゆる住宅ローン控除を、所得税から差し引けなくなる場合があります。
こういったケースに該当すると、住宅借入金等特別控除が無駄になりそうですが、所得税から差し引けなかった場合、控除限度額の範囲内で住民税から差し引かれるため、必ずしも無駄にはならないのです。
この点が心配という方は、5~6月に勤務先から「住民税決定通知書」が配布されたら、住宅借入金等特別控除が住民税から差し引かれているのかを、確認した方が良いと思います。
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