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「年金生活者支援給付金」が増える制度と、これと相性が悪い2つの制度について
厚生年金や国民年金が公的年金と呼ばれるのに対して、iDeCoは私的年金と呼ばれます。
iDeCoは自己責任のもと自身で運用を行い、将来受け取れる年金をつくっていく制度です。
よって、元本を下回ることもあれば、上回ることもあるという特徴があります。
国民年金基金とは、フリーランスなどの国民年金第1号被保険者のみが加入できる+αの制度で、iDeCoとは異なり、将来の受取額があらかじめ決まっていますが、終身年金となります。
また、国民年金基金のWebサイトで将来の年金額を試算できます。
制度としては国民年金第1号被保険者しか加入ができませんので、会社に就職した場合等は国民年金第2号被保険者に種別が変更されるため、加入が継続できなくなります。
国民年金基金とiDeCoは併用が可能です。
留意点は掛金の上限額は、2つ合わせて月額6万8,000円となる点です。
なお、掛金は双方1,000円単位で決定できます。
また、国民年金基金は2口目以降の掛金は変更可能ですが、1口目をゼロにすることはできないなどの制約があります。
付加年金とは、月額400円の掛金で納めることができ、原則65歳から受け取る老齢基礎年金と同時に受け取れる年金です。
なお、受取時は200円×加入月数となり、終身で受け取れます。
付加年金とiDeCoは併用可能です。
留意点は、掛金の上限額は2つ合わせて月額6万8,000円となる点です。
そして、iDeCoの掛金は1,000円単位での設定となることから、付加年金の保険料400円を含めると、iDeCoの掛金は6万7,000円が上限です。
尚、国民年金基金と付加年金は併用という概念はありません。
フリーランスの配偶者(妻または夫)はフリーランサー自身が国民年金第1号被保険者であることから、配偶者は年金制度の扶養にあたる国民年金第3号被保険者になることができません。
よって、双方国民年金の保険料の支払が必要ということです。
また、iDeCoを活用する場合、国民年金基金連合会より「小規模企業共済等掛金控除証明書」が送付されます。
確定申告時に使用する重要な書類ですので、大切に保管しておく必要があります。
なお、配偶者分もiDeCoを活用しており、その保険料を納めたとしても併せて申告はできません。
法人企業の場合、社会保険(厚生年金・健康保険)への加入は義務となることから、国民年金第1号被保険者から国民年金第2号被保険者へ種別変更されます。
その場合には国民年金基金や付加年金は(国民年金第1号被保険者でなくなることから)継続できませんが、iDeCoは継続可能です。
iDeCoは原則として全ての種別で加入が可能であることから、ライフスタイルが変わった後でも続けやすい制度であると言えます。
働き方改革により、多様な働き方が尊重される時代が到来しています。
現代の法整備では特に、労働法制上のフリーランサーへの保護が手薄となっている問題が指摘されています。
社会保険についても会社員と比較すると見劣りする部分もありますが、複数の制度を組み合わせることで老後の安心につなげることができます。
今後も法改正や時代の変化は訪れるでしょうが、早い段階で計画的に制度を使い、安心した生活を送れるように準備を進めていくことが重要です。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)
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