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親知らずの「抜歯」で「給付金」が支払われる保険、支払われない保険
保険会社の収益の1つに、契約者からの保険料があります。
もちろん保険料収入だけで営業しているわけではありませんが、大事な収益の基盤をなすものだと捉えていただいて間違いありません。
ですからこぞってCMや営業マン、代理店を駆使して保険加入を勧誘するわけです。
もちろん保険料の安い商品でも収益とはなりますが、少しでも客単価を上げたいのはどの業界も同じです。
あの手この手を駆使して、保険料を上げていこうと画策しています。
「保障は大きいほうが割引が効きますよ」
「今切り替えると、保険料の割引ができるのでお得ですよ」
など、保険外交員の甘い言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
とにかく少しでも保険料を上げて、収益を上げるための営業トークを繰り広げてきます。
ですが、ここで冷静になる必要があります。
・ 得をするために、保険に入るわけではないはずです。
・ 無用な保障を確保するために、保険に入るわけではないはずです。
多くの方が「万一の際に自身や家族が経済的に困らない様にするため」に、保険に入るのではないでしょうか。
確保しておきたい保障が確保されていれば、他は一切必要ありません。
素人目にはお得に見えても、保険で得することは絶対にありません。
プロが言うので間違いありません。
保険料は保障を確保するための経費です。
経費は少しでも安くしたいと考える方がほとんどのはずです。
甘い言葉にだまされることなく、本当に必要な保障以外はバッサリと切り捨てるのがセオリーです。
多くの方が加入を検討する保険として
・ がん保険
・ 死亡保険
が挙げられます。
これらの保険も、できる限りシンプルな保障で組むようにしましょう。
医療保険で組んでも良い保障は
(2) 入院一時金
(3) 手術特約
(4) 先進医療特約
の4つくらいです。
保険会社によってはさらにシンプル化できるものもあり、私が加入している医療保険の保障内容は「入院日額/入院一時金/先進医療特約」の3つのみです。
シンプルな分、保障内容もわかりやすいですし、保険料も安く済んでいます。
「入院後に〇〇日通院すると〇〇万円」
「〇〇日以上入院し続けると以後の入院給付金が〇〇円」
といった、特定の条件を満たさないと受け取れない保障は避けるべきだと断言します。
がん保険についても医療保険同様、なるべくシンプルでわかりやすいものにするべきです。
入院給付金や手術給付金、先進医療特約などは医療保険からも受け取れますので、がん保険に付帯する必要はありません。
といった不安から、医療保険と重複しているようながん保険に加入している方も見受けられますが、はっきり言ってもったいないです。
私が加入しているがん保険は「診断一時金」、これのみの保険です。
入院も手術も先進医療もありません。
医療保険から受け取れるものを、あえて重複させる必要はありません。
もちろん3割負担や高額療養費制度といった健康保険(国の保険)を使えることも理由の1つですが、保険料を上げるくらいなら貯金に回した方が合理的だと確信していることが1番の理由です。
こちらも、死亡してしまった場合の保障に限定するのが良いでしょう。
保険会社によっては
・ 障害状態になってしまった場合
などにも、保険金を受け取れる特約を付帯できる商品もあります。
ですが、その分保険料が高くなってしまいます。
そもそも全ての死亡保険に、高度障害状態になると保険金を受け取れる機能が無料で付いています。
ですが高度障害状態というのは、非常に重い状態です。
なかなか該当しません。
そこで保険会社は高度障害状態よりも少し緩い状態でも保険金が受け取れる特約を発売していますが、どちらにしろなかなか該当しません。
大きな死亡保険に加入している間(若い間)に介護状態に該当することはまれですし、障害状態になると国の障害認定を受けることも可能です。
働けない状態だと、傷病手当を受けることも可能です。
「国の保険で足りない分だけ民間の保険でカバーする」のがセオリーです。
つまり多くの方が
という考え方に落ち着くのではないでしょうか。
不要な特約は一切除いた、死亡保険のみがベストです。
もちろん家庭によって状況は異なるので100%死亡保険のみで良いとは言えませんが、少なくとも特別な事情がない家庭にはこれだけで十分だと考えます。
これまで解説してきたとおり、保険はシンプルな保障が1番です。
高い保険料を払っているにもかかわらず、どんな保障がいくら付いているのかもわからないのではあまりにもったいないです。
なるべく保障をシンプル化し、保険料を節約、浮いた分を貯金や投資に回す方が合理的です。
ここで注意していただきたいのが、漢字生保の存在です。
彼ら彼女らはとにかく難しい保険を提案してきます。
保険提案書や証券を見ると「〇〇特約」のオンパレードです。
その分保険料も割高で、10年ないし15年で保険料がさらに高くなる更新型保険が多いのも特徴です。
しっかりと知識があり対抗できる方ならまだしも、保険のことはよくわからない…という方は避けた方が無難でしょう。
ひらがなやカタカナの保険会社の方が後発組ということもあり、保障内容が今の時代にマッチしています。
保険料も漢字生保と比較すると格段に安くなります。
・ シンプルな保険にするよう心がける
・ しっかりと理解できない保障内容には加入しない
・ 国の保障制度で足りない部分だけ民間保険に加入する
これらの点を意識していただくだけで、保険内容も保険料もスリム化します。
ぜひご自身、ご家族の保険内容を改めて確認してみてください。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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