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後述する高額療養費制度では、いったん病院から請求される医療費の全額を支払ったうえで、高額療養費の申請をすることで自己負担の限度額を超えた金額が払い戻しされるというシステムです。
しかし、一時的とはいえ多額の費用を立て替えることは、経済的に大きな負担となる点は否めません。
そこであらかじめ「限度額適用認定証」の交付を受けておくことで、医療機関の窓口に提出すれば医療機関ごとにその月の支払額が「自己負担限度額まで」となり、いったん多額の立て替えをする必要すらなくなるということです。
あらかじめ限度額適用認定証を取得しておけば、高額療養費制度について知らなくてもよいとは言えませんので、全体をイメージしていただくために、下記についてもご参考にいただけますと幸いです。
まずは、高額療養費制度の対象にならないものを確認します。
・ 保険の対象外となる自己負担分
・ 入院時食事療養に係る食事療養標準負担額
・ 入院時生活療養に係る生活療養標準負担額
端的には健康保険の対象外となる自己負担分や、入院時の食事や生活に係る標準的な負担額は対象外になるということです。
これは仮に入院していなかったとしても、通常発生する費用であるためとされています。
高額療養費の算定基準額は、標準報酬月額によって異なります。
標準報酬月額は月々支払われる給与相当額を基準として決定されますので、人によって異なることはむしろ一般的です。
また、あてはまるケースは極めて例外的ではあるものの、仮に年4回以上の賞与が支給される場合、社会保険上「報酬」と定義されるため、通常の給与に加算して標準報酬月額が決定されます。
加算方法については端的には賞与の合計金額を12等分した額を、報酬月額に加算します。
賞与が年4回支給されることは会社として好業績の場合が多く、非常に喜ばしいことではあるのですが、治療を継続しながら就労するビジネスパーソンの場合、思わぬところでデメリットになってしまう場合があるということです。
参照:協会けんぽ 高額療養費
また高額療養費は「月を単位」として算定されることから、月の下旬から翌月の中旬まで入院したような場合、各月ごとに算定すると高額療養費の算定基準額に届かずに、十分に恩恵を受けることができなかったというケースもあります。
これは連続した入院期間がその月のみであった場合、高額療養費算定基準額を超えていたものの、複数月にまたがったために、同基準額を超えなかったという事例です。
現代は一部解除され始めてはいるものの、時代の流れとしてテレワークが普及しています。
そして、現代は旧来と比べて外見からでは判別し難い、精神疾患等への罹患も増えています。
また対面業務であれば、同僚からの進言で病院にかかり病気がわかったというケースもありますが、その機会も減っており、自身での健康管理はより重要性をもっています。
万が一病気に罹患した場合であっても必要な社会保険制度を活用し、キャリアを維持しながら治療することも決して難しいことではありませんので、必要な知識を身に着けることは重要です。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)
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