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親知らずの「抜歯」で「給付金」が支払われる保険、支払われない保険
保険の相談時、大きな終身保険に入っていると分かると、
と言う保険外交員や保険ショップのファイナンシャルプランナー(FP)がいます。
終身保険は一生涯の死亡保険で、解約返戻金があります。
払済保険は、この解約返戻金を元手に「一時払い終身保険」に加入するイメージです。従って以後の保険料を払う必要がないわけです。
実際に解約して解約金を受取り、手にしたお金を保険会社に支払う行動は不要で、書類で手続きをすれば全ては保険会社内で行われます。
解約返戻金は元となる保険のその時点での解約返戻金なので、払済保険に変更する時期によって、その金額も終身保険の大きさも変わります。
このセールストークが最も使われるのは、提案された側が、保険料の負担が増えるのはイヤだとの理由で保険の加入を躊躇する時だと言えます。
払済保険にする事で終身保険の保険料が浮くわけですから、その浮いた分で新しい保険に加入しましょうとなるわけです。
払済保険、保障は一生涯なので元の保険と同じです。
しかし保障額は、元の終身保険より確実に少なくなります。
保障が減ると困る人は、減った分を定期保険や収入保障保険などの他の保険で補う必要が生じます。
これは皆さんにとっては大きな変化であり、保険を売る側にとってはさらに複数の新規契約につながる大きなチャンスです。色んな保険を提案されると考えます。
保障が減る、これは見ればすぐ分かる事です。
以下に、自身で気付いて確認しない限りセールス側からはわざわざ教えてくれないと思われる2つの事を説明します。
こんな保険を例にしましょう。
今の保険は月払い(年払いでも半年払いでも同様)なので、仮に保険料を100万円払ったところで被保険者が死亡しても死亡保険金は500万円受取れます。
それに対し払済保険は、400万円の保険料を全額支払うタイプです。
実際の払済保険への変更では解約返戻金を使うため保障額が少なくなるわけで、保険としての価値が小さくなると言えます。
元の保険の保険料率は適用されますので、今の時代の保険よりはお得ですが…。
このように、両者は全くタイプが異なる事は知っておくといいでしょう。
現在の解約返戻金の額は、特には言われないかもしれません。
払済保険にすると死亡保障○○万円になります、と試算した書類を見せられるだけかもしれません。
ましてや、既払い保険料に対して解約返戻金が○○円マイナス、或いは○○円プラスだとは説明されないでしょう。
既払い保険料と解約返戻金、それぞれの額を把握するのも必要な事だと考えます。
その上で、
解約返戻金が既払い保険料を上回るのか、いつ上回るのか
マイナス分はこれまでの死亡保険の保険料だったと割り切るか
こういった事も、新しく加入する保険の保障内容とともに検討すると良いのではないでしょうか。
死亡保障と医療保障とがんの保障等々、何種類もの保障が組み合わさった保険には「主契約」と呼ばれる部分があります。
多くの場合それは終身保険(一生涯の死亡保障)で、そこに医療保障やがんの保障などが「特約」として付いています。
このセールストークは、そんな種類の保険に入っている人に、同じ保険会社の新しい保険に見直す事をすすめる時に使われます。
このセールストークのねらいは、「保険料が高いのでは?」という不安感を軽減させる事に加え、既契約者にすれば、新規のお客様より優遇されるくらいの気持ちになるかもしれません。
しかし、決して優遇ではありません。
このセールストークには、
という言葉も付いてくると思いますが、「何をどう」下取りするのかはぼやけている可能性があります。
新規に入るより保険料が安くなるのは、元の保険に貯まっている解約返戻金や配当金を転換価格として少しずつ見直し後の保険の保険料に充てるからです。
つまり貯まっているお金が徐々に減っていくという事です。
転換価格をどう消費する(充てる)かによって、同じ保障内容でも見直し後の保険料に差が出ます。
保険料をとにかく安くしたいなら、貯まっているお金は早く減ります。
今加入している保険が「お宝保険」の類いではないかどうかです。
保険を見直すと、元の保険をお宝保険にしている保険料率が、今のかなり低い率に変わってしまいます。
今の医療とかけ離れているため見直したいと考えるなら、その特約だけを解約し、それに変わる新しい保険にのみ別途加入する事です。
残った主契約部分や特約は、お得な保険料のまま継続させましょう。
この方法だと、新しく入る保険の保険料は新規に入る人と同じです。
しかし解約した特約の分、元の保険の保険料負担が軽減されます。
また、保険としての価値が高いお得な保険が残る事は、転換価格を活用して見直すよりお得かもしれません。
主契約が小さい等の理由でこの方法が使えない場合は、特約の保障額を減らし、それを補う形で小さい保障で新しい保険に加入する方法も検討してください。
これはどんな商品についても、どんな場面でも言われやすい事です。
その結果、保険について言えば新商品の良さや必要性を中心に話が構成され、加入を決断させる決定打のように前述のセールストークが用いられると言えます。
見直し等の決断が、今加入しているお得な保険にどう影響するかや契約者にとってマイナスとなる事は、ここで述べたほど詳しくは語られないでしょう。
セールストークの内容は決して虚偽ではありません。
保険を売る側は、保険の内容的にも保険料の負担軽減という意味でも、皆さんのためになると考えているでしょう。
しかしそれを判断するのは自身でなければなりません。
収入が減ったとき、保険の見直しも大切ですが、解約してしまったら、もう元に戻す事ができません。
こちらも知っておくと、解約後に「良い保険だったんだな、失敗したな」と後悔することもありません。
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