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同じ騰落率であっても、効率良く運用されていることやリスク(価格のブレ幅・不確実性)に見合ったもしくはそれ以上のリターンの投資信託を選びたいものです。
シャープレシオは、この投資信託が、どのぐらい効率良く運用されているのか、もしくはリスクに見合ったリターンが得られているか、を確認する際の指標です。
投資信託の運用手法の中で、アクティブ運用の投資信託の指標になります。
このシャープレシオの数値が大きいほど、原則として効率良く運用されている、またはリスクの割にリターンが大きいことを示しています。
・ 無リスク資産:元本が保証(確保)された安全資産のこと。
無担保翌日コールレートや短期国債の利回りなどが該当します。
・ 標準偏差:リターンのブレ幅の大きさを表す数値。
数値が大きいほど、その投資信託(ファンド)の収益のブレ幅が大きくなります。
ただし、この計算式を元に複数の投資信託のシャープレシオを自ら計算するとなると、手間がかかり現実的ではありません。
インターネットネット上では、証券会社などその投資信託の詳細情報の中でシャープレシオが掲載されている場合が多く、自ら計算する必要はありません。
一般的にこのシャープレシオは
・ 0.5~0.9であれば普通
・ 1.0~1.9だと優秀
・ 2.0以上の場合は非常に優秀
だと言われています。
例えば、運用対象が株式と債券とでは、リスクが異なります。
もし、同じシャープレシオであっても意味合いが異なります。
また、国内と海外とでは、無リスク資産の金利が異なります。
運用地域が異なる場合には為替変動による影響も考慮に入れなければなりませんので、単純に比較することは避けましょう。
したがって、シャープレシオを複数の投資信託で比較する場合、同じ運用対象で比較するようにしてください。
いくら運用効率の良い投資信託であっても、景気や相場の環境の影響を受けます。
したがって、例えば極端な話ですが、A投資信託は3か月間のシャープレシオ、B投資信託では3年間のシャープレシオをそれぞれ比較しても意味がないと言えるでしょう。
したがって、同じ期間で計算したシャープレシオで比較するようにしましょう。
なお、同じサイト内であればそれぞれの投資信託のシャープレシオは、同じ期間で計算されたものが掲載されています。
また、短期間よりも長期間でのシャープレシオを参考にするようにしましょう。
シャープレシオの計算式の構造上、運用成績がマイナスであった場合にはリスクが大きいほどシャープレシオの数値も高くなり、一般的な見方とは逆になります。
運用成績がマイナスの場合には、シャープレシオの数値が小さい(マイナスの値が大きい)ほどリスクも小さくなりますので注意してください。
投資の世界では付き物ですが、シャープレシオもあくまで過去のデータを用いて計算しています。
したがって、将来のリターンを保証するものではありません。
しかし、シャープレシオが高い投資信託は、今後も効率の良い運用の期待はできると言えるでしょう。
なお、3か月、6か月、1年、3年、5年など期間ごとのシャープレシオを掲載しているサイトもあります。
参照:みんかぶ
最後に、投資信託を評価する指標はシャープレシオ以外にインフォメーションレシオやトレイナーレシオなどもありますが、多くのサイトではシャープレシオは掲載されています。
比較しやすいということで、今後、投資信託を選ぶ際には注目してみましょう。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)
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