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親知らずの「抜歯」で「給付金」が支払われる保険、支払われない保険
死亡、病気やケガで入院する、自宅の火災、自動車の交通事故など、今後、起きてほしくないことも人生の中ではあります。
その起きてほしくないことが万が一発生した時に、貯蓄残高の大幅な減少や不足することも含めて家計に大きな影響を及ぼす場合、事前にそれぞれの保険に加入しておくことで、リスクヘッジをかけておくものです。
したがって、起きてほしくない出来事が起きてしまった場合でも、家計に大きな影響を及ぼさない可能性が高いと考えられる時は、保険に加入する必要はないでしょう。
もしくは、貯蓄で対応できるのであれば、貯蓄で対応する。
あとは、保険料(掛金)がかなり高くなる場合には、保障と保険料のバランスを考える必要があります。
自動車保険や火災保険などの損害保険の補償額の考え方はほぼ共通です。
死亡保険や医療保険などの生命保険の保障額の考え方もありますが、生命保険については、個々の保険に対する考え方が損害保険よりも幅広くなっています。
特に医療保険を考える時には次の3つのパターンのうち、どれに当てはまるのかを確認しておきましょう。
(1) 全てを保険に任せたい・備えたい
(2) 自助努力(貯蓄)と保険のバランスを保ちたい
(3) あくまで保険はお守りがわり(貯蓄対応を中心)
どのパターンを選択されるかは、個々の家計の状況によって変わるかもしれません。
なお、(1) を選択された方は、必要な保障内容や保障額を自分でも考えておくことも必要です。
難しいかもしれませんが、気が付けばかなり入り過ぎていたことにもなりかねません。
(2) と(3) の方は、支払った保険料に対して、どのぐらいの保障があるのか、給付金が受け取れる可能性があるのか、を念頭に考えてみましょう。
医療保険を考える時のポイント部分は、専門家によって異なる部分があります。
しかし、加入される方にとっては、保険料に見合った保障を確保しておきたいというのは共通ではないでしょうか。
次の例で確認してみましょう。
【保障内容】
・ 入院日額:5,000円 ・60日型(入院給付金支払限度日)
・ 手術給付金:1回につき5万円・20万円 ・先進医療特約付き など
・ 保険料:終身払い(一生涯の支払い)
【保険料(月額)】
・ 30歳 :男性 2,300円 :女性 2,400円
・ 40歳 :男性 2,900円 :女性 2,800円
・ 50歳 :男性 4,300円 :女性 4,000円
※保障内容と保険料はそれぞれの保険会社によって異なります。
「A終身医療保険」とは、あくまで一例です。
例えば、40歳の男性がこの保険に加入すると、年間の保険料は3万4,800円になります。
これを10年間加入すると保険料の総額は34万8,000円になります。
もし、10年以内に病気やケガや病気などで1回入院され、大きな手術を受けられた場合でも、保険会社から受け取ることができる給付金よりも支払った保険料の方が多くなる可能性は高いです。
縁起でもない話ですが、10年間のうちで2回以上入院されたとなると、保険料よりも給付金の方が上回ると考えられます。
なお、この保険に90歳まで50年間加入するとなると、50年間の保険料は合計で約174万円にもなります。
このように、毎月や毎年の保険料ではなく、
「もし入院した時にはどのぐらいの金額を受け取ることができるのか」
を考えてみることで、保険料と保障のバランスの参考になります。
なお、上記の<例>A終身医療保険で入院日額を1万円にした時の保険料ですが、それぞれの年代において、保険料は約2倍になります。
もちろん、将来のことは分からない部分が多々あります。
確率だけで測れない部分もあるでしょう。
しかし、「将来のことは分からない」という部分にだけ注目するのではなく、繰り返しになりますが、支払った保険料に対してどのぐらいの保障があるのか、を考えるのは、医療保険では大切なポイントです。
それ以外の医療保険を検討するうえで知っておきたいことについては、【後編】でご紹介します。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)
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