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政府は、全国の市町村に「認知症カフェ」を普及させようとしています。
認知症カフェは、認知症の方の介護者、そして当事者、地域の方、介護や医療の専門家などが集まり、日々の悩みをカフェ方式でお茶を飲みながら、気軽に話すことを目的とされています。
実際に認知症の方の介護をしている方の体験談を聞くことができたり、自分の大変さを話すことで辛さを分かちあうことができます。
また、専門家からアドバイスもらうこともできます。
運営主体は、地域包括センターやボランティア団体、開催場所はデイサービス・デイケアといった通所事業の場所やコミュニティセンターなど、介護施設を利用したり、公共の場所で行われていることが多いです。
実際にカフェなどで行われているケースはごくわずかです。
認知症の初期の頃は、本人も家族もその悩みを抱え込みがちになり、外出しなくなる、悩みを他の家族にも打ち明けられないといった気持ちになりやすいです。
しかし、そうした時ほど外に目を向けて、共通の悩みを持つ方、認知症介護の経験をされた方の話を聞き、自分も話をしていくことがとても有効です。
普段の生活の余裕にもなり、穏やかな気持ちで介護を続けられることにもつながります。
高齢者の総合相談窓口である「地域包括支援センター」や要介護状態の方の相談機関である「居宅介護支援事業所」は、相談自体が無料です。
介護保険のサービスの紹介だけではなく、地域にある資源をどう活用したら良いかというアドバイスをもらうことができます。
また、本人や家族の状態にあったサービスの紹介や手続きのお手伝いをしてくれます。
生活全般の相談をしたいということであれば、まずお住いの地域にある地域包括支援センターを利用してください。
既に介護量が増えてきていて負担感を感じ、介護保険のサービスをできるだけ使いたいといった方には居宅介護支援事業所への相談をおすすめします。
認知症の親の介護が必要だけれど、住んでいる身の回りの人たちが認知症に対しての理解がなかったらどうしようという想像をして、肩身の狭い思いをしての生活を思い描いている方も少なくありません。
しかし、地域には「認知症サポーター」といわれる強い味方の存在があります。
認知症になっても家族も本人も安心して生活できる社会づくりとして、キャラバンメイトと呼ばれる講師の人たちが、市町村と協同して、学校、職域団体、地域などさまざまなところで、認知症についての基礎知識を教えてくれます。
養成講座を受けた方は、認知症の人を応援します、という意思を示す「オレンジリング」と呼ばれるリングや「サポーターカード」と呼ばれるカードを持っています。
令和3年6月末の段階で、日本全国で約1,300万人のサポーターがいます。
あなたの身の回りにも、講座をうけて、認知症に理解のある方は実はたくさんいるのです。
認知症になっても、安心して生活できる社会づくりは、どんどん進んでいます。
無料で相談できる機関や認知症カフェのように悩みを共有できる場所や認知症への理解を深める取り組みが進んでいます。
誰もがなる可能性のある病気であるからこそ、無料で気軽に相談できるのはとても心強いです。
介護が必要=お金がかかるという時代から、介護が必要=地域で支え合おうという時代に舵をきっていきたいものです。
ぜひ参考にしてください。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)
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