全国の降水量について
平年降水量ランキング:1位は高知県
水害被害額ランキング:1位は佐賀県
水害に注意すべき都道府県:九州エリア

目次

  1. 都道府県平年降水量ランキング:1位は高知県
  2. 水害被害額(2021年)ランキング:1位は佐賀県
  3. 水害に注意すべき都道府県:九州エリア
  4. 物件を保有する場合はハザードマップを事前に確認しよう
  5. 東京の降水量に関するQ&A
    1. Q.東京での降水量は?
    2. Q.東京は年間でどのくらい雨が降るのか?
    3. Q.東京で降水量が多いのは?

本コラムでは、都道府県平年降水量ランキングから全国の注意すべきエリアを紹介し、ハザードマップを確認する重要性について解説する。

都道府県平年降水量ランキング:1位は高知県

総務省統計局の「日本の統計2023」によると、1991~2020年における都道府県の平年降水量ランキングは下表の通りだ。傾向としては、西日本が上位にある印象だが北陸も石川・富山・福井の「北陸3県」すべてが上位に入っている点にも注目したい。東北は、秋田のみがランクインしており、平年降水量は少ない傾向だ。

全国で最も平年降水量が少ないのは、長野県(965ミリメートル)で唯一1,000ミリメートルを下回っている。

<全国の降水量(平年値)(平成3年~令和2年)>

順位都道府県観測地点降水量
(mm)
順位都道府県観測地点降水量
(mm)
1高知県高知2,66625愛知県名古屋1,579
2宮崎県宮崎2,62626広島県広島1,572
3鹿児島県鹿児島2,43527栃木県宇都宮1,525
4石川県金沢2,40228京都府京都1,523
5富山県富山2,37429千葉県千葉1,455
6静岡県静岡2,32730和歌山県和歌山1,414
7福井県福井2,30031愛媛県松山1,405
8沖縄県那覇2,16132茨城県水戸1,368
9熊本県熊本2,00733奈良県奈良1,365
10佐賀県佐賀1,95134青森県青森1,351
11鳥取県鳥取1,93135大阪府大阪1,338
12山口県山口1,92836埼玉県熊谷1,306
13長崎県長崎1,89537岩手県盛岡1,280
14岐阜県岐阜1,86138兵庫県神戸1,278
15新潟県新潟1,84639宮城県仙台1,277
16島根県松江1,79240群馬県前橋1,247
17秋田県秋田1,74241山形県山形1,207
18神奈川県横浜1,73142福島県福島1,207
19大分県大分1,72743山梨県甲府1,161
20福岡県福岡1,68744香川県高松1,150
21徳島県徳島1,62045北海道札幌1,146
22三重県1,61346岡山県岡山1,143
23滋賀県彦根1,61047長野県長野965
24東京都東京1,598

出典:総務省統計局「日本の統計2023」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成

東京都は平均降水量1,598ミリメートルで24位と全体の真ん中あたりの順位となっている。降水量は、地方が多いイメージがあるかもしれない。しかし18位に神奈川県が入っているように首都圏も決して少ない降水量ではない。

水害被害額(2021年)ランキング:1位は佐賀県

国土交通省のプレスリリースによると、2021年の水害による被害額(暫定値)は全国で約3,700億円に上った。そのうち以下の被害額が全体の約87.3%を占めている。水害とは、洪水、内水、高潮、津波、土石流、地すべりなどである。

年月日場所被害額
2021年8月7日~9月10日佐賀県、福岡県、広島県を中心とした大雨約2,400億円
2021年6月27日~7月15日島根県、広島県、静岡県を中心とした大雨約830億円

全国の物的被害は、被害建物棟数が約1万5,000棟、水害区域面積が約1万8,000ヘクタールとなっており、被害が大きい。水害被害額のランキングは1下表の通りである。

順位都道府県水害被害額順位都道府県水害被害額
1佐賀県676億5,300万円25京都府22億1,600万円
2福岡県516億2,400万円26和歌山県20億300万円
3広島県416億4,700万円27秋田県19億8,500万円
4島根県390億3,300万円28岡山県15億8,100万円
5岐阜県266億7,700万円29岩手県12億8,400万円
6長野県265億9,800万円30山梨県11億5,500万円
7静岡県150億7,100万円31滋賀県9億5,500万円
8鹿児島県138億7,700万円32愛知県8億8,600万円
9熊本県92億5,700万円33沖縄県7億4,400万円
10鳥取県69億4,200万円34大阪府6億7,900万円
11宮崎県67億9,100万円35群馬県6億4,800万円
12三重県57億1,700万円36東京都6億4,600万円
13長崎県56億8,300万円37宮城県6億600万円
14高知県55億800万円38兵庫県6億200万円
15山口県54億4,400万円39石川県5億9,300万円
16新潟県39億9,300万円40徳島県5億7,100万円
17青森県39億3,900万円41福島県4億8,000万円
18大分県36億6,400万円42山形県3億7,000万円
19福井県36億4,400万円43香川県1億3,300万円
20愛媛県31億5,600万円44栃木県8,700万円
21富山県28億8,800万円45奈良県3,700万円
22北海道27億500万円46埼玉県600万円
23神奈川県23億900万円47茨城県0万円
24千葉県22億3,600万円

※四捨五入の関係で、内訳の合計と水害被害額が一致しない場合がある
出典:国土交通省のプレスリリース「令和3年の水害被害額(暫定値)は全国で約 3,700 億円」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成

東京都は36位で水害被害額も6億4,600万円と全国で比較するとそれほど多くない。全国で最も水害被害額が少ないのは茨城県であった。

水害に注意すべき都道府県:九州エリア

水害に注意すべき都道府県は、降水量ランキングと水害被害額ランキングの両方にランクインしているエリアだ。具体的には、下図のエリアが該当する。

台風は、西から上陸することが多いため、エリアが西日本に集中していることがわかる。九州・沖縄地方では、沖縄県以外はすべて該当する。

注目したいのは、降水量と水害被害額が必ずしも比例しないことだ。例えば、降水量1位の高知県は水害被害額では14位、逆に水害被害額1位の佐賀県は降水量では10位である。また降水量4位の石川県は、水害被害額では39位と下位に位置している。そのため片方のデータを見ただけでは、リスクの把握が不十分になる可能性があるといえるだろう。

物件を保有する場合はハザードマップを事前に確認しよう

購入した物件が水害に遭った場合、復旧まで家賃収入はないものと考える必要がある。購入する前にハザードマップを確認し、河川や崖など水害の影響を受けそうなエリアを避けるなどの対策が必要だ。ハザードマップは、国土交通省「ハザードマップポータルサイト」※この先は外部サイトに遷移します。を利用すれば住所を入力するだけで誰でもその地点の災害リスクを調べることができる。

当該エリアの地図上に洪水・土砂災害・高潮・津波が及ぶ範囲が重ねて表示されるため、危険度をイメージしやすい。水害は、大雨や台風など多量の降雨によって起こる自然災害である。水害には、主に以下のような種類があるため、自分の物件が位置するエリアに起こる可能性があるか考えてみよう。

下図は東京都目黒区を選択したケースの「重ねるハザードマップ」だ。上は地図のみで、下が洪水を選択した画面である。目黒川沿いにオレンジ色で塗られた部分があるのがわかるだろう。

出典:※「ハザードマップポータルサイト」を加工し株式会社ZUU作成

  • 洪水大雨や台風による豪雨で河川の水かさが増して異常な流量となり、氾濫の結果の一つとして起こるのが洪水である。積雪地帯では、春先の気温の上昇や豪雨による雪解けで洪水が起こることもあるため、注意が必要だ。

  • 浸水浸水とは、台風などの豪雨により家が水に浸かる状態をいう。台風のニュースでは「床上浸水」や「床下浸水」という言葉で被害の程度を伝えている。

  • 冠水冠水とは、洪水によって田畑や作物が水に浸かることをいう。一般的には、大雨によって土地やそこにある物が水に浸かった状態も冠水と呼んでいる。

  • (水を原因とした)土石流土石流とは、集中豪雨によって起こる山崩れや地すべりが原因となり、土砂と水が一体となって激しい勢いで下流に向かって流れる現象をいう。鉄砲水、山津波、泥流なども含む。近年は、土石流の被害も多く報道されるようになっている。

  • 山崩れ山崩れとは、山の斜面を形成している岩石や土壌の一部が、豪雨などを原因として突然崩壊する現象である。豪雨の他に地震や火山爆発によって起こることもある。豪雨によって緩んだ山の斜面が地震によって山崩れになることもあるので注意が必要だ。

  • 崖崩れ崖崩れとは、傾斜が急な場所にある岩石や土砂が地震や豪雨を原因として崩れ落ちる現象である。山崩れの一種といわれている。特に崖の近くにある物件は、注意が必要だ。

【水害で想定される被害の例】
水害が起こった場合に想定される被害のケースとして以下のような例がある。

床上浸水被害・台風による豪雨で自宅近くの川が氾濫した。自宅が低地にあったため、床上浸水の被害に遭い、家具や家電が水浸しになった
土石流被害・集中豪雨によって土砂崩れが発生。幸い避難して人的な被害はなかったが、自宅の中に土砂が流れ込み、排出するのに長時間を要した
山崩れ被害・台風による豪雨で、自宅の裏山で山崩れが発生。建物に土砂が押し寄せたため外壁や柱が傾く被害に遭った
床下浸水被害・ゲリラ豪雨が発生し、マンホールの排水が追いつかない事象が発生。自宅に水が押し寄せ床下浸水の被害にあった。それほど大きな被害にはならなかったが、ゲリラ豪雨は突然発生することなので、今後に不安を残す結果となった

東京の降水量に関するQ&A

Q.東京での降水量は?

総務省統計局の「日本の統計2023」によると、1年間で東京都の降水量が最も多い月は10月の235mm、最も少ない月は2月の57mmである。

<東京都の平年降水量>

降水量(mm)
1月60
2月57
3月116
4月134
5月140
6月168
7月156
8月155
9月225
10月235
11月96
12月58

出典:総務省統計局「日本の統計2023」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成

Q.東京は年間でどのくらい雨が降るのか?

国土交通省の「令和4年版日本の水資源の現況」によると、東京都の年間降水量の推移は以下の通りだ。年間の降水量は1,694.5mm(2012年度〜2021年度の10年間の平均)となっている。

降水量(mm)
2012年度1,570.0
2013年度1,614.0
2014年度1,808.0
2015年度1,781.5
2016年度1,779.0
2017年度1,430.0
2018年度1,445.5
2019年度1,874.0
2020年度1,590.0
2021年度2,052.5
平均1,694.5

出典:国土交通省「令和4年版日本の水資源の現況」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成

また、政府統計の「社会・人口統計体系 都道府県データ 社会生活統計指標 B 自然環境」によると、東京都の年間降水日の推移は以下の通りだ。年間の降水日数は106日(2012年度〜2021年度の10年間の平均)となっている。

降水日数(年間)
2012年度109
2013年度93
2014年度106
2015年度115
2016年度113
2017年度95
2018年度103
2019年度111
2020年度108
2021年度107
平均106

※降水日数は日降水量1mm以上の日数
出典:政府統計「社会・人口統計体系 都道府県データ 社会生活統計指標 B 自然環境」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成

Q.東京で降水量が多いのは?

OCN不動産・賃貸の「住みよさランキングと都市データ 東京都の年間降水量(順位)」によると、東京都の市区町村で最も年間降水量が多いのは町田市の1,776㎜である。

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情報提供元: manabu不動産投資
記事名:「 東京の降水量は?災害を避けるためにも知っておきたい降水量ランキング